Next Commons Lab 遠野、はじまります



はじめまして、こんにちは。

この春、新たに6人のメンバーが加わり、15人、9つのテーマで構成されている「Next Commons Lab 遠野」の活動を紹介するべく、ようやく情報発信の場を用意する事ができました。大変お待たせしました!

Next Commons labの活動も二年目に入り、少しずつ拠点が全国へと広がっていますが、第1弾として開始し、ようやく動きが出てきた遠野から、活動を紹介していきたいと思います。

( 遠野市 中央通りのCommons Cafeにて )


この文章を書いているのは、「Next Commons lab 遠野」のメンバーとして2016年4月に東京から遠野へ移住し、活動している富川 岳(とみかわ がく)と申します。

富川自身も15人の一人として、遠野で広告業を生業として活動していますが、この場では、Next Commons lab遠野の"中の人"として、各プロジェクトやメンバーの紹介、現場で起きていることを随時お知らせしていきたいと考えています。めざせ毎週投稿。よろしくお願いいたします。

(先日、仙台〜東京で遠野のガイドブックを1,400冊配ってきました)


さて、最初ですので、そもそも「Next Commons Lab」というプロジェクトと、「Next Commons Lab 遠野」についてご紹介します。

とにかく説明しなければいけないことが山のようにあり、かなり長文となっていますが…、しばしお付き合い頂けますと幸いです。





まず、Next Commons Lab のご紹介です。

ネクストコモンズ・ラボ。
なにやら横文字が連なり、地元では「ネクストさん」や「コモンズ」さんと呼んでいただき、フルネームで呼ばれること中々ありませんが、文字のごとく、"次の(Next)"、"共同体をつくる(Commons)"、"実験の場(Lab)"という意味です。

くわしい説明はこちらに任せまして、簡単にいえば、日本各地の地域資源と起業家(候補)を掛け合わせ、新たな事業やコミュニティの創出をめざすプロジェクトです。



例えば、遠野では、2016年5月に10のテーマで募集を開始し、国内外から500人弱のエントリーが集まりました。選考を経て2017年5月現在、15人のメンバーが遠野に拠点を移し、ビール、発酵、食、里山など遠野ならではのテーマから、テクノロジーやデザインなど遠野に新しい風を吹き込むテーマで自ら事業をつくったり、起業に向けて取り組んだりしています。




この15人はというと、ほぼ全員が「地域おこし協力隊」という総務省の制度を利用しており、最大3年間、一定額の生活保障を受けながら地域で活動することができます。(ちなみに、協力隊はいま右肩上がりで増えているらしく、全国で約4,000人が利用しているそうです)

また、各メンバーの、地域での生活や事業をコーディネートする組織(遠野では株式会社Next Commonsがそれにあたります)があったり、プロジェクト毎に事業パートナーを設けたりしているため、事業を立ち上げたい、起業したい、という人々にとっては、3年間、金銭面と事業面の両面でサポートを受けることができる仕組みとなっています。

※こうした地域おこし協力隊制度を活用して起業家支援をする仕組みを、ローカルベンチャー事業といいます



このような取り組みは、
個人にとっては新たな働き方・暮らし方をつくるチャレンジの場であり、行政にとっては地域活性のチャンスであり、そして、民間企業にとっては都市圏から離れた場所で、新規事業の可能性を探るチャンスとなっていることから、
ユニークなプロジェクトとして注目されはじめ、少しずつメディアにも掲載されたり、行政の問い合わせがあったりしているようです。ちなみに、遠野では「KIRIN」、「Googleイノベーション東北」、「ロート製薬」などがパートナーとして参加しています。





なんだか色々な要素が入ったモリモリなプロジェクトですが、少しずつアップデートを繰り返し、関わる人だれしもが恩恵を受けられるようなプラットフォームを目指して喧々諤々議論してきました。
(ぼくは、2015年暮れからプロジェクトに関わらせてもらってますが、当時と比べたら、3ステップぐらい進化しており、ぼーっとしてると置いてかれそうになります汗)

では、この今まさに大海原へと漕ぎ出した本プロジェクトが向かう先は、一体どこなのでしょうか?

地域活性?地方創生?その側面もありますが、それだけではないんですね。


遠野でも実際に起きていることですが
・東京に一極集中する人材の分散
・同じ価値観でつくられる新しいコミュニティの形成
・そこで生まれるお金に頼らない価値交換
・行政や国、大手企業など垣根を超えた連携

など、現代社会が抱える様々な課題を解決するような新しい動きを生み出し、その先に、自分たちの手で「新しい社会」をつくろうぜ、と立ち上げられたものなんですね。





遠野もそうですが、地方は、ポテンシャルのある地域資源、使い手のいない空き物件、ユニークで確かな技術を持った地元の方など、何かをやりたい!と思った時に、素材がたくさん転がっています。

また、そもそもプレーヤーが少ないため、若い人などは特に "手をあげれば任される" 即抜擢システムもあります。さらに、そこに制度面でのサポートが入ることで、都市圏よりもググッとハードルが下がり、様々なことにチャレンジできる土台があるのです。
※大大前提ですが、これはもちろん場所や個人によります。年長者がいて、なかなか抜擢されないという声もよく聞きます


という感じですので、「新しい社会をつくる!」というと少しモヤっとしますが、自分が実現したい新しい暮らしや働き方をつくるためにチャレンジしているのが我々だと思っていただければ幸いです。




ただ、このチャレンジは始まったばかりであり、正直なことを言えば、理想までの距離はまだまだ遠く、現場で日々奮闘しているというのが現状です。うまくいかない事も多いですし、なかなか自分の取り組みに十分な時間を割く事ができないなどの悩ましさもあります。
(ここでは、そういったリアルな現場の状況もなるべくそのまま伝えていきたいと思います)

そんな日々ですが、大小様々な波に揺られながら、大きな時代の転換期を、勇気ある仲間とともに前を向いて歩んでいるところであります。







そんなNext Commons Lab。第1弾は岩手県遠野市で始まりました。
「日本のふるさと」と呼ばれ、『遠野物語』で有名となった、山に囲まれた人口28,000人の小さな町です。




なぜ遠野だったの?と多くの方に質問されるのですが、あまり明確な理由はなくて、プロジェクトの構想段階でいち早く手を挙げてくれた自治体であったから、という理由のようです。
ただ、とは言っても、これだけ大きなプロジェクトをそれだけの理由で立ち上げることは難しく、協力者や土地の力が間違いなく必要でした。その点、遠野には、日本随一の生産量を誇るホップ、どぶろくをはじめとした発酵文化、自然あふれる里山、馬の文化、『遠野物語』など地域資源が豊富であり、またそれらを支えるユニークで素晴らしい方々がいました。



また、7つの街道が交わる中継地である地理的背景からオープンな人が多く、様々な情報や人が自然と交流する土壌であったことは、プロジェクトにとって欠かせない条件だったように思います。

これは僕も実感していますが、Next Commons Labというプロジェクトは、その土地の文化や資源に大きく影響を受けますね。遠野の次の立ち上がっている奈良の奥大和とや石川県の加賀、宮城県の南三陸などは、それぞれ全く別のテーマとなっていて面白いです。

さて、そんな遠野。本当に多様な人材が集まりました。また詳細に紹介するとして、今回は概要と簡単な紹介をしたいと思います。こんなプロジェクトあったの?、こんな人いたの?、と思っていただければと思います。




***

Next Commons Lab 遠野

①ビールプロジェクト
「ホップの里から、ビールの里へ」を合言葉として、50年以上栽培し、日本随一の生産量を誇る「ホップ」を核として、新たにクラフトビールやビアツーリズムをつくることで"ビールによる町づくり"をしていくプロジェクト。KIRINや遠野市、地元企業ととも連携した官民一体型の取り組み。

プロジェクトのWEBサイトはこちら

ここにビールの醸造家候補として、ビール&旅行好きな袴田大輔さん、元エンジニアの太田睦さんの二人、そしてホップ農家として通販系野菜会社に勤務していた近藤弘和さんが加わりました。


(醸造家:左/袴田さん、右/太田さん)

(ホップ農家:近藤さん)



②発酵プロジェクト
どぶろくや干し肉といった寒冷地ならではの発酵・熟成文化を見つめ直し、その価値を国内外へと発信するプロジェクト。「とおの屋 要」の料理人/醸造家である「佐々木要太郎さん」をパートナーとして、徹底的に、技術を習得する日々です。


ここには、どぶろくの蔵人として、元web系調査会社の八重樫海人くんが、発酵技術研究家として、化学繊維メーカーの研究職だった九鬼なつみさんが加わっています。

(写真左:九鬼なつみさん)


③デザインプロジェクト
遠野のお土産や食、景観など地域におけるデザインの役割は広く、非常に重要な要素を担っています。ここでは、東京で活躍していたグラフィックデザイナーの橋本亮子さんがデザイナーとして加わり、地域に伝わる洋菓子や、遠野名物のわさびなど、主に食に力を入れて商品開発などを手がけはじめています。今後、地域におけるデザインの教育などにもつながって行くといいなと思います。



④テクノロジープロジェクト
地域資源、地域の魅力をテクノロジーの力で可視化していくプロジェクトです。地域にもインターネットやスマートフォンが普及する中、地域におけるテクノロジーの役割は日に日に重要性を増しています。教育面やプロモーション面、日々使われるサービス面での活躍が期待されています。教育面では、例えば、猿ケ石川の流域をMAPで可視化し、流域に住む人々が自分の飲んでいる水の源流がどこか学ぶ事ができるシステムなどを試しに制作していました。ここには、元ライゾマティクスのエンジニア堀宏行さんが加わっています。




⑤超低コスト住宅プロジェクト
つづいて、180万円以内で住宅を建てるプロジェクトです。現在、モバイルハウスやタイニーハウスなど、小さくて移動できる小型住居が、新しい暮らし方として注目されています。このプロジェクトでは、その時代的背景を意識しつつも、地元住民との繋がりがないと住宅を新規で借りにくい地方の中で、一旦、仮住まいとして低コストな住居に住み、そこから地元との交流を作りながら住居を探して行くなどできればなどと考え立ち上げられたものです。ここには電気や水道などインフラ設備を個人として請け負ってきた小関直さんが参加しています。


⑥フードハブプロジェクト
地域の食を味わうことができ、地域で続く調理方法や伝統野菜などを守り、そして未来のために新しい商品を開発するなど、地域の食の中心地をつくるプロジェクト。今年の1月から、その拠点となる「Commons Cafe」が遠野の中心地にでき、早速、人々が集まる場となっています。ここには、大阪のミシュラン一つ星の割烹で修行経験のある藤田ひろこさんが料理人として参加しています。




⑦里山経済プロジェクト
綾織で16代続く農家に生まれた伊勢崎克彦さんをパートナーにして、綾織という一つの里山を舞台に、山、森、川、人、そして馬が一体となって、循環する暮らし、小さな経済圏をつくろうと試みています。ここには専任のメンバーはいませんが、伊勢崎さんの四季の活動に合わせたサポートや、ゲストハウスづくりなど、ともに歩み、身体を動かしながら、次のチャレンジの構想を練っています。今は、この夏に遠野から気仙沼までカヌーで下る壮大なプロジェクトを企画しており、その準備をしているところです。



⑧限界集落プロジェクト
遠野の米通(こめどおり)集落を中心として、地域における限界集落において、受け継がれる伝統や資源、文化などを用いた新たな事業や商品開発、そして外部との関係人口増加を考慮した新しいコミュニティの形成などに取り組むプロジェクト。ここには地域の民話や民俗学などに興味をもち、"じじばば"に可愛がられる才能をもつ及川敏恵さんが参加しています。







⑨ローカルプロダクションプロジェクト
こちらは富川のプロジェクトでありまして、地域において、広告プロデューサー業を生業として活動しています。地域に眠る地域資源を磨き、可視化し、光を当て、反応してくれる人に届けることを、少しずつ取り組んでいるところです。遠野の新しいガイドブック「THE TONO BOOK」の制作や、佐々木要太郎さんのWEBサイトビールプロジェクトのコンセプトや映像WEBサイトなどを担当しています。東京の広告会社で7年間培った経験をもとに取り組んでいますが、ローカルのもっともっとディープな情報を発信していきます。

あと、非常に個人的な話ですが、4/23に「限界集落プロジェクト」の舞台である遠野の「米通(こめどおり)」集落で結婚式を挙げました。



以上の9プロジェクトです!
(長くなりすみません…)


また、上記のプロジェクトを束ね、コーディネートしている組織として
株式会社Next Commonsがあります。2016年5月に遠野で立ち上がり、メンバーと地域の方々を繋いだり、プロジェクトの事業計画を作ったりしており、自主企画としては「つくる大学」という市民大学を立ち上げたり、地元商店街の活性化策を企画したり、そして放牧豚を育てたりしています。去年の豚は大変でした笑 


メンバーは、代表の林篤志に加え、COOとして事業計画を練ったりビールプロジェクトを牽引する田村淳一、事務局長として全体のコーディネートとメンバーのケアを行う室井舞花、同じく事務局としてプロジェクトに携わる家冨万里、海外や東北の起業家たちとの人脈が広いレナータ・ピアッツァ、そして、福岡の大学を休学してインターンをしている井上洋菜です。
いずれも見事にバラバラの経歴、そしてユニークな人たちなので、Next Commonsのメンバーも追って紹介いたしますね。


以上、初回ということで大変長くなってしまいましたが、
こちらでおおよそ全体をご説明できたかと思います。
最初の説明はエネルギーいりますね…
お付き合いいただきありがとうございました。


このようなメンバーで、遠野に拠点を置いて生活をし、少しずつ地元の商店街の方々や、地域事業者の方々、遠野の歴史や文化を知る年配の方々などを訪問して、お話を聞きながら自分たちが地域に貢献できることを考えているところです。
まだまだこれからですが、こうしたメンバーが遠野にいて、様々な取り組みをしているということを、もっと遠野の方々に知ってほしいですし、僕たちも、もっと地域に入り溶け込んでいく活動ができればなぁと思います。これから、ですね。




では、次回以降、また色々とご紹介できればと思います。

Next Commons Lab 遠野を
どうぞよろしくお願いいたします!



(遠野児童館のみんなと、「つくる大学」のロゴづくり)

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