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NCL遠野:低コスト住宅プロジェクト


こんにちは。NextCommonsLab(以下NCL)遠野の富川です。
このブログではNCL遠野で起きている活動を紹介していきます。トップバッターを飾るのは、「低コスト住宅プロジェクト」。このプロジェクトに参画しているのは、小関直さん(北海道出身・1982年生まれ)です。

上下水道を設計する会社で働いた後、個人事業主として井戸掘りや小屋づくりワークショップなどをしていた彼が、なぜNCL遠野に参加し、現在どのようにプロジェクトを進めているのか、お話を聞きました。

(制作中のモバイルハウス内でインタビューしました)

− ご自身のプロジェクトについて教えてください

「低コスト住宅プロジェクト」ということで、180万円で住宅をつくることにチャレンジしています。ここ数年、国内でも”タイニーハウス”に注目が集まるなど、モバイルハウスに住む暮らし方が提案されています。このプロジェクトも、莫大な費用をかけて家を購入し、何十年もかけてローンを返済していくようなものではなく、もっと気軽に、自分が心地よいと思える最小限の範囲で住居をつくろうと試みています。、さらに、地方では、空き家はあっても、地元の方々とのつながりがないとなかなか貸してもらうことは難しい場合もあり、移住者や地域に拠点を持ちたいという人が、なかなか住居が見つからないことが多々あります。モバイルハウスがあることによって、一定期間モバイルハウスで生活をして地域に馴染んでいきながら、家を探すなんてこともできるかもしれません。そんな様々な可能性を持つプロジェクトだと思っています。

(制作中のモバイルハウス)

− 今、取り組んでいることを教えてください

今年の2月頃から作り始めたモバイルハウスの施工を粛々と続けているところですね。ようやく外壁ができて、中に断熱材を入れたところです。


5月にはプロジェクトパートナーの伊藤洋志さんが主催する「タイ武者修行」にも参加して、竹だけで家を建てる合宿をしてきました。村人に混じってナタを1本持ち、朝から晩まで家を作る。お金をかけず、簡単な材料で家を建てるのは発見がありましたね。今後は、モンゴルツアーに行ってゲルの使い方、暮らし方も学んでみたいです。




− NCLに参加しようと思ったきっかけを教えてください

昨年、ブログでNCLのことを知りました。当時は、個人事業主として活動し始めて間もない頃で、井戸掘りや小屋作りのワークショップなどをしていたのですが、「次は、自分で家を作ってみたいなぁ」と思っていた時だったので、これは面白そうだ!と思い、エントリーしてみました。競争率も高そうな印象をもっていいたので、受かれば嬉しいけど、選ばれなくても仕方ないかという軽い気持ちでエントリーしましたね。

(井戸掘りワークショップの様子)


また、プロジェクトのパートナーが「ナリワイ」の伊藤洋志さんだし、地域おこし協力隊制度を活用した毎月のベーシックインカムもあると知って、これは自由に好きなことに没頭できる機会になると思いました。


− これまでの経歴を教えてもらえますか?

大学卒業後は、上下水道施設の設計をする会社に勤めていました。浄水場や下水処理場などの設計をしていて、たまに現場に顔を出すような日々を送っていました。その後、年齢的なこともあって、そろそろ独立してみようかなと思い、個人事業主になりました。


− 以前からものづくりの経験はあったのですか?

もともと興味はあって、会社員三年目くらいの時に靴の棚を作りました。その後も部屋の中で色々とDIYをしていました。水道施設の設計も、どのように組み立てるのか知らないと設計できないので、ものづくりには関心がありましたね。


− NCLで惹かれた部分は?

通常の地域おこし協力隊とは違い、3年間自分の好きなことに集中してプロジェクトとしてのゴールを目指す日々を送ることができるのはとても良いことだと思っています。チャレンジしたいことがたくさんありますね。


− NCL遠野に参画している他のメンバーの印象や交流について教えてください

最初は、説明会で会ったスタッフの方々や、選ばれたラボメンバーを見て、みんなすごい人に見えました。選ばれた時は、「僕でいいんですか?」と思いましたし。ただ、実際に活動が始まって交流していると、いい意味で、みんな普通の人たちなんだなと思いました。
あと、思考や価値観が近いですね。遠野に飛び込んでくるほどの人たちだからそうなのかもしれませんが、そこは会社員時代とは違う部分ですね。お互いの価値観が近いから、色々なことを話せる人たちだと思っていますす。

(ラボメンバーもモバイルハウス制作のお手伝い)


−NCL遠野で改善したいこと

シェアハウスの距離が離れていて、他のメンバーと頻繁に交流できないことでしょうか。連絡しなくてもふらっと会って話せる距離というか。遠野市は東京23区よりも面積が広いので、そこがちょっとコミュニケーションのとりづらいところかもしれません。僕の職場は、町の中心から車で20分くらい離れているモバイルハウスが置いてあるここなので、頻繁に他のメンバーと会えないのが少し残念ですね。やっぱり、10人以上が一斉に活動することがNCLの強みだと思うので、もう少し会いやすい環境や、集まりやすいように場所を整備することが早くできるといいなぁと思います。


−遠野で気になっている他のプロジェクトはありますか?

ビールプロジェクトですね。今も一部関わらせてもらっているのですが、ビールの設備がどのように作られるのかは興味がありますね。醸造家を目指して参画しているメンバーの太田さんは、元エンジニアということで話も合う部分が多く、関われて楽しいです。


−今、小関さんが最も関心があることはなんですか?
今は、このプロジェクトのことを考えますね。好きなことをやれてるってことなのかな。


−小関さんの3年後はどうなっているでしょう?

まだイメージわかないですね。ただ、自分がやりたいことをやり続ければ、次に繋がると思ってます。やりたいことをやりながら、死なない程度に(笑)暮らしていくことができれば、と思います。

−プロジェクトの今後の展開について教えてください
まずは、このモバイルハウスを完成させること。その次は、今回はある程度お金をかけて作ったので、廃材などを用いて、ほぼお金をかけずに家を作ってみたいです。それも出来たら、感覚が掴めてくるでしょうから、次はその中間といった形で、ちょうど良いものが提案できるようになるのではないかと考えています。最終的には、180万円で夫婦やパートナー同士が暮らせるような家は作ってみたいですね。二人が一日そこにいても居心地がいいように、二階を設けるなど色々とアイディアを膨らませています。

あと、今月はツリーハウスづくりにも参加する予定です。『シンプライフ』という映画の制作&全国キャラバンをしていた竹内友一さんが主催しているのですが、以前遠野にも遊びに来てくださったので、ご縁を活かして色々と技術を学びたいと思います。


−NCLに興味を持っている方にメッセージをお願いします

NCLは、一人ではなく他のメンバーも一緒に活動しているので暮らしやすいと思いますし、自分のやりたいことを自由に挑戦できる環境があります。各地のプロジェクトで少しでも気になるものがあったら、まずは説明会に参加するのをおすすめしますし、ダメでも戻ればいいか、ぐらいに気軽にエントリーしてみたらいいのではないでしょうか。


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