2023年10月17日 EURO予選 オランダ対ギリシャ 雑感

※素人のオランダ代表視点での感想ですので、流し読み推奨。

フランス戦に敗戦し勝利をほぼ義務付けられた一戦は、見ていて悲しくなるくらいの内容から最低限の義務を果たす、なんとも気持ちの良くないものとなった。
ピッチコンディションの悪さも一因ではあるが、それ以上に嚙み合わないコンビネーションと各人のパフォーマンスの低さから、開始から堅い守りを引くギリシャに攻めあぐね大きなチャンスを作れず、セットプレイの流れから得たPKは失敗、相手のミスに乗じたカウンターも決め切れずにいると、このまま引き分けかと思われた最後の最後に再度のPKでなんとか勝利という、「この体たらく」と言う言葉が相応しいと言えるほどの有様だった。

各選手評
GK
フェルブリュッヘン
ギリシャが引いて守っていたこともあり、彼を脅かすシーンはほとんどなかった。
フィードなどは落ち着いてこなしており、一定の安定感をチームに与えていた。

DF
ハートマン
フランス戦に続き今日も良いパフォーマンス。
彼が下がってから、交代で入ったのがファンデフェンでぎこちなさがあったのもあり左サイドの攻撃に停滞感が出たので、できるなら変えることなく見たかったがそこは体力等の都合か。

アケ
悪くはないパフォーマンスだったが、後半1対1で制しきれず深く抉られ危うくなるシーンも作られたりと、W杯やシティで見せている彼のクオリティからするとやや不満が残る出来。

ファンダイク
前半にセットプレイからの流れでPKを奪取するものの、残念ながらヴェウホルストが決めきれず。
引いて守るギリシャに対し多くの時間でオランダが前に人数をかけられたのは、相手のロングボール等にしっかりと対応した彼のおかげ。
最後の最後にはPKもしっかり決め、この苦しい試合に終止符を打ってくれた。

ヘールトルイダ
ピッチコンディションの粗さからボールコントロールに失敗し、もったいないファールでイエローを貰ってしまい前半で交代。
やりたいことは見えていたがピッチがこの状況では少々難しく、ツケを払わされる格好になってしまった。次回に期待。

ダンフリース
ギリシャが引いて守ってくることで、一応表記上は523の右ウイングバックではあったが、実際はシモンズが中に入り気味で事実上右ウイングあたりの位置でほとんどの時間プレイしていた。
最後までしっかり走り殊勲のPK奪取はしたものの、全体的なパフォーマンスとしては及第点レベルだった。

MF
ウィーファー
フランス戦でデローンが本当に酷くて見ていられなかったので、予想通りに彼に変わりスタメンに。
前述の通りチーム全体のパフォーマンスが良くなかったので仕方ない面もあるが、右から来たボールを左に、左から来たボールを右に出すことの繰り返しで、危なげもないが起点となるようなプレイもなく良くも悪くも普通だった。

ラインダース
フランス戦に引き続き今日もチームでベストのパフォーマンス。勢力的に動きチャンスを作り出そうとしていた。
だが今日も一枚かわしても次の連動がないのも変わらず。

ベルフワイン
相手のミスからのカウンターのシーン、自身でシュートに行ったのは決して悪くないが、数的優位だったのもあり絶対に決めてほしかった場面だったが決められず。
前線三人の中では最もよかったが、比較する二人が良くなかっただけでパフォーマンスは及第点程度。

ヴェウホルスト
チーム全体とイマイチ嚙み合わず、チャンスメイクもできなければボールも納められず、挙句の果てにPKも失敗。残念ながら今日は良いところがなかった。

シモンズ
フランス戦に比べれば守備強度は良かったが、代わりにボールプレイで軽率なミスが出るように。
才能に疑いの余地はないので、安定感が今後の課題か。

交代出場
マレン
後半開始からヘールトルイダに代わり出場。
だが今日はフランス戦のように良さを見せることはできず、あくまでピッチの上の選手の一人だった。

フェールマン
シモンズに代わり投入され、代わりにラインダースが一列上がる形に。
時折ミスもあったが全体を通じて無難な出来。チームに何かをもたらすことはできなかった。

ブロビー
PK獲得のシーンはしっかりと体を張り役目を果たし、その後もエリア内まで持ち込みまたもやPKか、と言うシーンを作ったが、ストライカーならあれは強引にでもシュートまで持っていって欲しい場面ではあった。
それ以外のシーンでは正直目立たず。

フェンデフェン
ハートマンに代わり左ウイングバックとして投入されたが、非常にぎこちない動きを見せていて正直不安だった。アケに左に行ってもらい彼をアケの位置にした方が良かったのでは。
危険なミスを犯してしまったが幸い大事には至らず。

デローン
ウィーファーが痛みを訴えたため交代で出場。
時間が時間だったこともあり、引き分けでも直接対決の結果のおかげで優位ではあったので彼だったのだろうが、正直このポジションをフェールマンとラインダースに任せて、その前にステングスと言う形を見てみたかった。

なにはともあれ必須とされた勝利をちゃんと掴みました。これでEURO本大会はまず間違いなく出場できるでしょう。
DF陣はともかく、中盤と前線は主力のいないこの状況で普段サブの選手たちにとって大きなチャンスだったのですが、ポジティブな印象を残せたのはラインダースと、強いて言えばマレンくらいでしょうか。シモンズも課題こそあれど良い面は見せました。ベルフワインやウィーファーは評価が変化するほどのものは良くも悪くもなし。
特にラインダースは非常に良く、この二試合とも彼がオランダのMVPと言ってもいいでしょう。今日はファンダイクかも知れませんが、彼も引けを取らないくらい良かったです。
逆にこの二試合とも大失敗したのはヴェウホルスト。フランス戦は負傷交代、この試合ではほとんど何もできないうえにPK失敗。フランス戦の雑感でも書いた通り、もはや彼の高さは貴重なのでもう少し頑張ってほしいところです。
来月のアイルランド戦まで時間もありますし、今回良くなかったメンバーはクラブレベルで今一度調子を整えてもらい、次回に期待しましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?