2023年10月14日 EURO予選 オランダ対フランス 雑感

※素人のオランダ視点の雑感なので、流し読み推奨

前回の対戦で0-4と惨敗を喫したフランスとの再戦は、またしても苦汁を嘗める結果にはなったものの、絶望的な惨敗だった前回に比べればはるかにポジティブな要素のある敗戦となった。
前回対戦前と同様に、今回も対戦前にメンフィス、ガクポ、フレンキー、コープマイネルス、デリフト、ボトマン、フレッケンと言った主力がケガで離脱。またしても試合前から難しい状況を強いられることとなった。
その結果として2名がスターティングメンバーとしてオランダ代表デビュー。交代でも2名デビューと、4名もこの強い相手に緊張のデビュー戦で挑むことに。
だが彼らのパフォーマンスは総じて悪くなく、残念な結果の中でも前述したポジティブな要素になってくれた。

各選手評

GK
フェルブリュッヘン
代表デビュー戦でフランス相手にゴールマウスを任される大役を担ったが、残念ながら前半7分と早々にゴールマウスを破られた。
ファンデルファールトは「オランイェのGKを任される者なら、あれは止めないといけない」と言っていたが、エムバペの巧みな駆け引きの賜物とはいえあれほど近い場所で綺麗に合わせられては、いくら正面に近いところに来たといってもセーブするのは難しかったと思う。
2失点目もあまりにも美しいエムバペのコントロールショット。正直個人的にはどちらも彼の責任はほとんどないと言える。
失点シーン以外ではソツなくこなし、全体を通して悪くなかったように思う。

DF
ハートマン
同じくこの試合が代表デビューとなった期待の若手。
開始早々周辺と上手く連動できずフランスに振り回され、簡単な状況でクロスを入れられてしまい失点の一翼を担ったが、主な原因は彼ではなくシモンズのアリバイ守備。シモンズが下がるまでは彼を苦しめていたのはフランスよりシモンズでした。
シモンズが下がってからは連動した守備で大きく崩されたりはせず、ベルフワインとの連動から初ゴールに加え惜しいチャンスも作っていたので、人材に悩んでいた左サイドに少し光明が差した気がします。

アケ
1失点目は彼もシモンズのアリバイ守備の被害者。それ以外は普段通り安定したパフォーマンスを見せていた。
2点差とされた後、素晴らしい抜け出しから1点を返すアシストをしたかと思ったが、残念ながらオフサイド。

ファンダイク
ボロボロだった前回と違い、4バックではなく5バックとなり1人余る形になった彼の安定感はさすが。
早々の失点とエムバペのスーパーなシュート以外はそれほど危険なシーンも作らせず、守備陣を上手く統率していた。

ヘールトルイダ
試合序盤、エムバペの巧みな動きを捕まえきれずに失点してしまったが、その後のパフォーマンスは良かった。
純粋な対面ならしっかり止めていたし、良いインターセプトも時折見せていたので、今後もスタメン起用されていくと思う。

ダンフリース
悪くはないが良くもない。期待値からすればどちらかと言えば悪いパフォーマンスだったが、時折チャンスも作っていた。
個人的に今日もっとも印象に残ったのは前半終了間際に地面を蹴って転んだにもかかわらずエムバペのファールになったところ。思わず笑ってしまった。
ハーフタイムに引き上げる際にエムバペと笑いあっており、本人たちも面白かったようだ。

MF
フェールマン
前半、ダンフリースの折り返しに合わせたシュートが枠を外れてしまったのはとてももったいなかった。フリーの状況だったので、せめて枠には飛ばして欲しいところ。
前半は相方のデローンの酷すぎるパフォーマンスの被害者。後半相方がウィーファーに変わってからは落ち着いたパフォーマンスを見せていた。

デローン
あまりにも酷い。技術のなさから彼にボールが入ると全てが終わり、守備でも捕まえきれず何もできない。
前半で交代したのは必然。こんなパフォーマンスならスタメンどころか、代表の枠を彼に使うことすらもったいない。

ラインダース
良いパフォーマンスから、チームに何かをもたらそうと努力していた。
所々で1枚かわしてチャンスメイクしようとするも、その後の味方の連動がなく手詰まりになるシーンが散見されたため、もう少し周りと彼とのコンビネーションが高まればもっと素晴らしいプレイができると思う。

FW
ヴェウホルスト
早い段階で負傷してしまい、前半30分で交代。
終盤にパワープレイするにも彼の高さがなく、ファンダイクも上げないので怖さがまるでなかったので、ガクポもおらずルークデヨングがいなくなった今、彼の高さが貴重なのを再認識した。ザークツィーが伸びてくれればいいのですが。

シモンズ
ボールを持った時のプレイは悪くはなかったが、今日の彼はあまりにも守備をしなすぎ。特に前半はアリバイ守備でハートマンの負担になり続け、早々の失点の原因に。その後も彼を苦しめ続けた。
後半は持ち直して時折良いプレイも見せていたが、総合的に見てマイナス。

交代出場選手
マレン
ヴェウホルストのケガにより緊急出場。
オフサイドではあったがアケのクロスに飛び込んだり、所々で良いプレイは見せていた。

ウィーファー
足を引っ張り続けたデローンに前半で見切りを付け、後半開始から彼に交代。
今日に関しては比べるのも失礼なレベルなデローンに比べれば当然良かったが、ネイションズリーグのクロアチア戦前半の彼のパフォーマンスと比較したらまだまだ。

フリンポン
散々期待された彼がやっとこの試合でデビュー。
スピード勝負は何度か仕掛けていたものの対面する相手がテオと言うこともあり、勝ったり負けたりで互角と言ったところ。相手が違えばもっと武器になるとは思う。
0-2となってからの出場だったためフランスが無理に出てくる必要がなくなり、彼のスピードを活かせるスペースもあまりなかったため、次回は違った状況で見てみたい。

ファンデフェン
アケに代わり出場。彼も今夜が代表デビュー。
フリンポンと同じく0-2となっていたため、フランスも無理には出てこずそれほどの脅威には晒されず。
少しぎこちなさが見えたが、そこは今後解消されていくはず。今後に期待。

ベルフワイン
ハートマンとのコンビネーションから追撃の1点をチームにもたらし、その後も彼のクロスに飛び込み惜しいシーンを作るなど短い時間ながら奮闘していた。
メンフィス、ガクポのいない今、彼にもう少し時間を与えてあげてみてほしい。

ギリシャがアイルランドに勝利したため、次戦のギリシャ戦が大きな山場となります。勝てなければEUROへのストレートインはかなり厳しくなります。今日のポジティブな要素をそのまま良い形で活かせれば勝利は掴めると思いますが、油断できる相手では決してありません。
負傷で交代したヴェウホルストの状態がどうかわかりませんが、スタメンは大きくは変えてこないと思います。デローンくらいでしょうか。
最初に言った通り、今回の敗戦は前回の対戦のようなネガティブ要素しかない敗戦ではなく良いところも多く見られた試合でしたから、ここから更にクオリティを高め、かつ今回はケガでいなかった主力を上手く絡ませられれば強いオランダが見られるのではないかと思います。
とは言えまずはなによりも予選を突破すること。果たしてどうなるのか、決戦は17日です。

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