2022/6/4 uefaネーションズリーグ オランダ対ベルギー 雑感

※オランダ視点での感想です。

結果としては出来過ぎ。試合前はもう少し接戦になるかと思っていたが、ベルギーの試合運びが余りに稚拙だったおかげもありこの結果になったと思う。
バチュアイが出てくるまでは怖いシーンはほぼなく、前半に至ってはアザールにボールが入る時にティンバーがガッツリついて行って取り所にし、攻撃の起点としてさえいた。
試合を通して怖かったのはデブライネのみ。そのデブライネも2-0になったあたりから諦めた様なプレーが見え始め、怖さがなくなった。「どうすんだよこれ」とでも言わんばかりに両手を広げてたのが印象的でした。最後5分ほどはやる気を取り戻した様なプレーを見せていたが時既に遅し。
ルカクが前半で負傷退場したのはとても大きかった。あれで収まりどころがなくなり、そこからはベルギーが、ボールがUの字にしか動かない"悪い時のオランダ"になっていった。
全体的にファールの判定が甘く、球際で転べばほとんど笛を吹いていて、試合のテンポは良くなかった。

選手個々の感想

シレッセン
危険なシーンは決して多くはなかったが、その少ないシーンもキッチリ止めてくれた。
それだけに本人はクリーンシートで終えたかったと思う。失点シーンはノーチャンス。と言うか同じような感じで幻のゴールのシーンを作られていたので、ハッキリ言ってシレッセンは怒っていい。

ファンダイク
守備では常に余る形になっていたので、あまり目立った機会はなかった。チームとしては良いことだが。
4点目の起点となったフィードは見事。全体的にチームに安心感を与えていたと思う。
ただ、正直イエローは無駄。ファール判定の抗議かの様に笛が鳴った後にボールを蹴り込んで貰ったもので、気持ちはわかるが抑えて欲しかった。

ティンバー
前半、アザールを追っかけ回して奪い、攻撃の起点にしていた。あまりに上手く行きすぎて前半でアザールが下がってしまい、後半から対峙したトロサールには少し危険なシーンは作られるものの、決定機には至らず。
クリーンに奪っているのにアザールが痛がると主審が笛を吹くので、イライラしていたが見てるこっちもイライラした。
攻撃面で目立った活躍はなかったが、"オフェンシブな守備"は立派な貢献。
前半に一度、ダンフリースとの連携が上手くいかずアザールに裏を使われたが、特に危険にはならず。

アケ
無難オブ無難。だが隠れたMOTM。なぜならルカクとの接触で負傷交代させたから。
あれがなければ、ベルギーに明確な基準点を作られてかなり困ったと思う。

ダンフリース
素晴らしい走力。守備面では前述した様に、ティンバーとの連携ミスで前半に一度裏を取られたが、それ以外では無難にこなしていた。
特筆すべきは攻撃面。EUROの時もそうだったが、彼が高い位置を取ってロングボールをそこに当てるだけで一つ起点を作れる。
これは純粋な攻撃の時だけでなく、ディフェンス陣やGKが困った時に彼に蹴り込む"逃げ場"としても機能していて、しかもちゃんと競り勝ってくれる。
61分の3点目は頑張ったご褒美だろう。

ブリント
相変わらず足は遅い。だが相変わらずポジショニングとキックは上手い。
ベルギーの幻のゴールのシーンではオフサイドトラップをかけたが、正直VARがなければ取れなかったくらいギリギリで、映像見るまでは普通にブリントが上げ遅れたと思った。
攻撃面では3点目のベルハイスのミドルにしっかり詰めてダンフリースへのアシストをした場面や、4点目のファンダイクのロングボールをメンフィスに綺麗に落としたシーンはわかりやすく、それ以外でも気の利いたサポートを繰り返し、キック精度を持ってプレーを円滑にしていた。

デリフト
アケとの交代で出てきたが、既に試合が決まっていたこともあり目立った場面はなし。


DF陣は全体的に、ルカクがいなくなってからバチュアイが入ってくるまでベルギーの攻めがあまりにも拙攻で、入った後もバチュアイに連動してくる選手がおらず、大きな仕事がなかったので攻撃面の評価ばかりになってしまった。

フレンキー
いつも通り、と言えばそれまで。攻撃面でのクオリティは相変わらずハイレベルで、彼を経由しないボールはない、と言ってもいいくらいに中心として回していた。
前半開始からしばらくは無難に捌くだけで、推進力があまり見られなかったが、少ししてからいつものスルスル抜けていくドリブルが見られるようになり、そこからはオランダペースで試合が進んでいった。
守備面は及第点。主審の判定に一番文句言ってたのは彼でした。前から主審への文句は多かったですが、バルサでさらに磨かれた気がします。監督に似てきたのかな。
ただ割とよく寄せが甘いのは相変わらず。相手次第じゃ致命傷になりかねないので修正してほしい。

ベルハイス
このポジションで見るのは初めてなので、試合前はやれるのか心配だったが、始まってみたらかなり良かった。
ベルギーレベルの相手に守備面どうなの?と思っていたんですが、何度も言うようにベルギーの攻めが以下略だったので、特に穴にもならず。
オフェンスは全体的に良し。左の潤滑油がブリントなら、右の潤滑油が彼だったと思う。
フレンキーが割と短めなパスでテンポ作りをしていたのに対して、ベルハイスは裏のスペースを狙うパスが気持ち多く良いリズムチェンジができていたと思う。
ダンフリースが上がっていくことが多いこともあり、元々右サイドでのプレーが多いベルハイスと被らないか心配していたが、前述した様に右の潤滑油として、気の利いた位置取りだった。
最初のチャンスを決め切れていれば更に高評価だったが、右足だしGKも近かったので厳しかったか。尚更左で蹴った3点目の起点のシュートは決めてほしかったが。

クラーセン
ハッキリ言ってほとんど目立たず。デパイとの絡みが一番合うのは彼だと思うが、今日はそこもイマイチ。唯一、2点目のシーンでボールを奪ったのは彼だが、それくらい。

コープマイネルス
ベルハイスと交代で入ったが、試合に乗れる前に終了。
評価できず。

ベルフワイン
彼の1点目がその後の流れを作ったのは間違いない。全体的にボールが足に付いており、彼に入ると簡単には失わない安心感があった。

メンフィス
相変わらずスロースターターな上に調子極端。
2点取ったシーンはどちらもベルギーの守備のミスをついて少ないタッチで奪ったもので、普通にボールを持った際はどうにも足に付かない。
ただ、キッチリ決め切ったのは素直に素晴らしい。前半、惜しいシーンでデパイも含めみんな枠に飛ばせなかったのを見せられていたので尚更。

ファン・ハール
ベルハイスの起用法とかどうなることかと思ったけど、まあ戦術オタクのこの人のことだから考えはあるんだろうと思ってたら、見事にハマりましたね。
でも私はあなたが嫌いです。そこはかわりません。

個人的MOTM
ベルフワイン
ダンフリースとフレンキーも悩んだけれど、前線で上手く収めながら、値千金の先制点を奪った彼に。


最初にも書きましたがこの上ない結果。
目立ったものを残せなかったのはクラーセンくらいで、他は皆怪我でもない限りW杯選ばれるんじゃないでしょうか。特にベルハイスはこのポジションでもある程度のクオリティを出せることがわかったので、グループリーグの弱い相手とかなら何も気にせず行けるのでは。強い相手だと誰を使うかまた話が変わると思いますが。
割って入るとしたらアケのところ。今日は変わってデリフトでしたが、デフライもいます。まあティンバーも含め、相手に合わせて変えていくのがいいかと。ここは贅沢な悩み。

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