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MBTIとユング心理学タイプ論の決定的な違い 主機能と補助機能の上下関係

MBTIは以下の二択から四つ選んで組み合わせるもので、SNとFPの関係に上下はなく並列的に扱われます。

Eが外向的 or Iが内向的
Sが感覚  or Nが直観
Fが感情  or Tが思考
Jが判断  or Pが受動

ユング心理学タイプ論の場合、主機能があり補助機能を隣接するどちらかから決まる方式で、思考感情と感覚直観の間には主と補助の関係があり明確に上下が存在します。

これの何が問題かというと同じINFJでも直観型補助感情と感情型補助直観だとまるで違うのです。例えば、未来を見るという在り方そのものも

直観「未来はこうなるなー。ちょっと不利だから、有利に誘導するか」
感情「私たちは幸せである未来が欲しい。そうならないのは嫌だ」

この両者って同じに見えますか?

同じINFJでもレーダーチャートにすると違いが鮮明に。

内向的直観型補助感情のJタイプといえば、三国志の郭嘉でしょう。彼は情勢の見通しと敵味方の心理読みが的確で深く、常に先手後手を的確に指示していました。そこに「そうありたいそれは嫌だ」などといった予断はなく、あくまで「できるかできないか」だけが判断基準で、その後に自陣に有利になるように策を弄するだけです。

内向的感情型補助直観のJタイプといえば、ジャンヌ・ダルクでしょう。彼女の発言からは「〜で悲しい」「フランスのために〜」「神のために〜」「勇敢に〜」のような情緒的な言葉ばかりが並び、先の郭嘉のような冷徹さや的確さではなく情熱が先走るというか暴走しています。

ジャンヌの「神の声を聞いた」で国中を動かしたことからも、それに共感した人たちがいることからも、彼女の基本的な属性は大多数派の感情型にあると言えるからじゃないでしょうか。

反面、郭嘉は同じ直観型の主君や一部文官武官から以外は特に支持されておらず、むしろ疎まれていた。この理由は彼の判断基準が少数派の直観型だったから理解されなかった証左ではないでしょうか。

このことから主機能をはっきりとしないMBTIは、同じINFJの郭嘉とジャンヌ・ダルクを同じに扱ってしまうため、いささかユング心理学タイプ論の方が優勢に見えます。

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