ワンマン物語 〜新しい生き方、働き方
リクナビNEXTジャーナルにて、2017年9月より約2年にわたり月1〜2回連載してきた『ワンマン物語』が、あと2回の掲載をもって終了することになりました。
同時期にはじまったマイナビニュースの『にぎりこぷしのデタラメ育児哲学』が日頃かいている絵日記の延長線上にある気軽なノンフィクションであるのに対し、『ワンマン物語』はぼくにとっては初めてのフィクションでの連載でした。
「働く」ことがテーマならなんでもいいということで、当初は単純なドタバタコメディを描くつもりでしたが、「働き方改革」など時代の要請や、ぼく自身が仕事の中身を大きく転換することになったこともあって、新しい働き方や生き方といったテーマを意識しつつ、担当編集者の鈴木さんの指導のもと思考錯誤しながら描いてきた作品です。
残り2回をより楽しんでいただくため、これまでのあらすじと登場人物をまとめてみたいと思います。
舞台は大阪の町工場
物語の舞台となるのは大阪のプラスチック成形工場、ウシヤマ工業株式会社。この会社を一代で築いたのが、ワンマン社長として名高い牛山薫です。
社長の暴走をいつもたしなめているのが牛山の元妻で、専務の蝶野花代。
創業当時から牛山の右腕として働いてきた製造部長の亀井渉。
牛山のデタラメな商売を献身的に支えるのは、営業部長の八木洋。
社内の事情にくわしいベテラン事務員、黒田舟子。モデルは黒船来航のペリーで、英語も堪能です。
経理担当の熊田アンナは、のちに営業部長の八木と社内結婚します。
現場を束ねる主任、屋森。
新人デザイナーの犬飼は縁故入社。のち父の経営する会社に入り若くして常務となります。
ほかにもたくさんの個性的な社員が登場します。
ウシヤマ工業に出入りする人々も個性的です。ときどきお小遣い稼ぎにやってくる牛山と蝶野の娘、マイ。
黒田の夫はアメリカ在住という以外、詳細は不明。
上司にたてついて大阪支社に飛ばされてきた大手商社マンの吉根紺子。エリートゆえに、でたらめなウシヤマ工業のやり方を勘違いして、高く評価してしまします。
マイの同僚のヤマネは資格マニア。元キツネの部下でもあります。
転職、副業、家事、子育て……40代の新たな挑戦
そんなウシヤマ工業に40代で入社するのが、フリーランスでイラストを描いていた蟻塚拓。
慣れない仕事と個性的な同僚たちにとまどう蟻塚ですが、こつこつと仕事をこなしながら信頼を得ていきます。
小学生の息子と二人暮らしの蟻塚は、会社での仕事と子育てとの両立に苦労します。
また蟻塚は、会社の仕事と並行してフリーランスの仕事も続けており、
蟻塚のそんな姿を目の当たりにして、会社も徐々にリモートワークや時短勤務、副業などのしくみをととのえていきます。
ちなみに当初、蟻塚はシングルファーザーの設定でしたが、実は奥さんは生きていたことになりました……
理論より愛!? ウシヤマ流働き方改革
仕事と子育てを両立する蟻塚の存在や
八木とアンナの社内結婚、
就活していた娘のマイに入社を断られたことなどをきっかけに
ウシヤマ工業では働き方改革に本格的に取り組むようになります。
牛山社長ならではの大胆な発想で強引に進められる改革。
それは、意外に時代の感覚に合致していて、エリート商社員の吉根も……
忍び寄るプラスチックによる海洋汚染の問題
そんなウシヤマ工業に忍び寄るのが近年大きな問題となっている、使い捨てプラスチック製品による海洋汚染の問題。
工場見学にやってきた小学生にも指摘され、
いよいよ廃業を決意する牛山に八木は……
働き方のみならず、事業内容自体も時代に合わせで改革が必要なウシヤマ工業。果たしてこの難局をどう乗り越えるのでしょうか。
『ワンマン物語』はあと2回
無計画な性格ゆえに、無駄に多い登場人物により無駄に張り巡らせてしまった伏線。きれいに回収して大団円を迎えることができるのかとても不安ですが、ぼく自身もどんなエンディングになるのか、楽しみにしています。
ぜひとも過去の掲載分をご確認いただき、『ワンマン物語』残り2回を楽しんでいただけたらと思ってます!
次回、第58話は8月23日、最終回の第59話は9月20日公開予定です!
お気持ちだけで十分だと思っていますが、サポートされたくないわけではありません。むしろされたいです。