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「好き」を伝えたいから

最近、人を撮る機会が増えた。

元々人を撮りたくて、撮りたい相手はいっぱいいるのだけど、皆が皆撮られるのが好きかというとそうじゃないかもしれない。
相手のことをおもんばかりすぎて、「撮らせてください」の一言が未だになかなか言えずにいる。

そんな中でも撮らせてくれた友達、知人、お世話になっている人。
撮れるだけでも嬉しいのだけど、折角撮らせてくれるのだから、わたしが思う“その人の好きなところ”を写真に写して伝えたい。


けれども、ここ最近特に痛感している。
好きなところを伝えるための言葉が、知識が、技術が足りない。


こんなに好きで、どんなところがどんな風に好きなのか伝えたい。
なのに、それにぴったりな語彙が、表現が、手法が自分の中に見当たらない。
持っているけど、まだ自分の手に馴染んでいなくてどこかぎこちない。
近しいものがあったとしても、それだけじゃあなんだかぎこちない。


馴染んでいれば、もっと上手くスムーズにいくのに。
もうひとつ、ふたつあれば、もっとしっくりくるはずなのに。


その時、勉強や練習の意味と大切さに今更ようやく気づいた。


“その人の好きなところ”を表現するには、きっとそれにふさわしい手段の組み合わせがあるし、しかもそれは千差万別で人の数ほど存在する。
正解はいくつもあるのかもしれない。
同じものを見ていたとしても、捉え方や感じ方は人それぞれだから尚更。

使える言葉が技術が増えれば、表す術がなくて画素数が少なく粗かった景色が鮮明になっていく。
それらを組み合わせる種類が増えれば、絵の具を混ぜ合わせるように自分なりの色ができていく。
あれとこれを選んで組み合わせて…と考えることは時に大変で、上手くいかずにもどかしくなったりもするけれど、上手くいった時は楽しいし「やった!」とも思うのだ。

でも、やっぱり人に届いた瞬間が一番嬉しい。
照れ臭いけど、喜んでくれたら今にも飛び上がってしまいそう。

文章も、音楽も、写真もみんなそう。

「好き」を伝えたいから、それを伝えるための言葉を、音を、景色を、もっと知りたい。
「好き」が、わたしの世界を広げてくれる。
もっと知りたい。もっと伝えたい。

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