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年初め、催事イベントで学んだこと

こんにちは。
伝統工芸・奈良一刀彫ブランド「NARADOLL HIGASHIDA」の職人見習い、阪本小雪です。
作家 東田茂一先生のもとで、日々勉強させていただいています。

昨年はなかなかnoteの投稿ができていませんでしたが、、今年はもっとまめに書いていくことも目標にしたいと思います。
あまりカタく考えすぎると更新頻度がガタ落ちするので、今年はほんのちょっと肩の力を抜いて、、いや、そんなことを言える立場ではないはずなのですが、、でも少しだけ、、う〜ん。。

…と、いろいろ逡巡しながらではありますが、試行錯誤しつつ記していこうと思います。

日々の奈良一刀彫修行のこと、そのなかで感じたことなどをご紹介していこうと思いますので、またお付き合いいただければ幸いです。

今年も年が明けるとともに、NARADOLL HIGASHIDAの展示販売イベントラッシュとなりました。
1月8日、9日には東京・青山のクレヨンハウスさんにて。

その後、名古屋に移動して1月11日〜16日は名古屋タカシマヤさんにて「日本の伝統展」に出展。

さらに、1月19日〜25日は大阪タカシマヤさんにて催事と、3箇所をめぐって節句人形の実演展示販売をさせていただきました。

昨年、一昨年と諸事情で不参加だった私も今年は全ての日程で売り場に立たせていただき、たくさんの経験と勉強をさせていただきました。

日頃から、手に取ってくださるお客さま一人ひとりのことをとことん思って作ること、お客さまの喜んでくださる顔が一番の原動力だということを東田先生から教わってはいるものの、、
やはり、現場で直接接するお客さまとの光景には、日頃考えたり肝に銘じていることを優に上回るような大きな衝撃と感慨がありました。
生で目にしたお客さまの表情や、節句人形を選ぶ真剣な眼差し、聞かせていただくさまざまな思いなど、全てがとても貴重で大切なものになりました。

初節句のお祝いにと、生後数ヶ月の小さな小さな赤ちゃんを連れてお越しくださる方もたくさんおられました。寒いなか、また、時節柄いろいろな不便があるなかでの赤ちゃん連れの外出には、葛藤や負担も伴うことと思います。
そんななか、催事の媒体広告やSNSなどをご覧になって「絶対にこのおひなさまがいい」と、ご家族を説得して来てくださったり…

海外で生まれたお孫さんに、今は会えないけれど日本のおひなさまを贈ってあげたいと選んでくださる方も。
もう大人になっている孫娘さんに、おひなさまを贈っていないことをずっと気にかけておられて、大人にも喜んでもらえるような気に入ったおひなさまをずっと探しておられたという優しいおじいさまも。

通りがかりに、小さなおひなさまを見てキラキラと目を輝かせて喜んでくださった女性。ご自身の米寿のお祝いも兼ねて、思いきっていただくわと雛人形を選んでくださり、少し気恥ずかしそうに、でもとてもうれしそうになさっていた華やいだ表情が忘れられません。

小学生の娘さんに今までおひなさまを買っていなかったから、と一緒にいらして、ひとつひとつのおひなさまの表情をじーっと真剣に見比べてお気に入りの人形を選んでくださった光景も。

私たちはできうる限り同じに人形を作ろうと努めていますが、手作りであるがゆえに、一つとして完全に同じものには仕上がりません。
そのわずかな違いを見極めて楽しんでくださるところに、豊かさと凄みをいつも感じます。

こうして手仕事にこだわる道を歩んでいますが、私自身は、テクノロジーや機械技術の発展に対して否定的な考えはもっていません。
ふつうに現代的で便利な生活を享受していますし、それも大切なことだと思っています。
ただ、人間の身体や精神はランダムで、人それぞれバラつきがあるので、規格通りのものだけに囲まれているとどうしても窮屈になってくることがあるのだと思います。

そんなときに、気持ちを楽にしたり心地よさを感じられるのが、わずかな揺らぎのある手作りのものなのではないかな、と思います。
ランダムである自分自身にぴったりと合うランダムなものを(無意識的に)見出せる感覚をもっているところが、「人間すごい…!」と感激する部分でもあります。

世界中のどこにも「今のあなただけにぴったり合うコカ・コーラ」は無いけれど、手料理ではそれが作れる。みたいな感じ。。
でも、先ほども書いたように、規格品か手作りかの二元論で優劣をつける類の話ではないはずです。(だってコカ・コーラもおいしくて好きです)。

話が逸れましたが、催事イベントにお越しくださるお客さまとの触れ合いを通して、改めて「手で作ることの意味」や、節句人形を通して生まれる幸せな場面について多くのことを学びました。

先に書いたお客さまとの光景以外にも、素敵なエピソードや場面が挙げきれないほどたくさんありました。
イベントが終わってからも、一つ一つを思い出し、これからまた節句人形を作っていく心構えの礎にしていこうと噛み締めています。

おひなさまって、本当に、いいものですね。

文末になりましたが、催事に足を運んでくださったお客さまをはじめ、いろいろなかたちで関わってくださった方々に、心より御礼を申し上げます。
またお目にかかれる日を楽しみに、日々の修行に励んでいきます。

NARADOLL HIGASHIDA や私個人のInstagramなどでも、今回の催事の様子を画像や動画でご紹介しています。ご興味があればぜひご覧ください。

それでは、また。(あまり日を空けずに更新するぞ…!)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


NARADOLL HIGASHIDA Instagram
https://www.instagram.com/naradollhigashida/

阪本小雪 Instagram
https://www.instagram.com/ittobori_sakamoto/

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