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ギャンブル依存症で隔離病棟に突っ込まれた話③

【借金デビュー編】



〜簡単な前回までのあらすじ〜
スクラッチで1万円を手にした体験から、同じギャンブルであるパチンコにのめり込んだ私。
家の物を売り捌いてまでやるようになり、遂には売れないように買取店への出禁対応と身分証を親に取り上げられる。
ギャン狂だった私は、ここで諦めるわけはなく、次なる手を考えていた。

物を売れないならどこからか借りればいい・・・!
単純な思考だが、高校生にしては危険極まりない物だったろう。
何しろ、当時は成人年齢が20歳だったため、借りれるところなどなかった。
じゃあ一体どうするのか。私は悪知恵を振り絞り、一筋の光、いや闇を見出した。
そう、闇金である。
もちろん、バイトもしていない高校生が街中の闇金に行ったところで突っ返されるのは分かっていた。
そこで私は、ネットで融資を受けられる闇金を利用した。
闇金業者は結局のところ、暴利で債務者から金をむしり取れれば満足するものだ。
審査なんてしていないも同然で、3万円の融資が通った。
(これで4パチで勝負できるな・・・)
入金までタイムラグがあり、まるで遊園地に行く前の子供のように、ソワソワしながら待っていると、
"残高 18,000"
と更新されたのである。
「・・・え?」
おかしい、借りたのは確かに3万円である。
興奮のあまり、どこか読み違えていたのだろうか。
もう一度じっくり確認してみると、謎が解けた。

3万円の場合、18,000円を融資し、一週間後に3万円を返済していただきます
・・・なんていう暴利だ。ウシジマくんは現実に存在したのである。
思い返すと、なんともアホみたいな契約ではあるが、当時の私にとっては借りれただけでも御の字ではあった。
(しょうがない、これで勝負しよう)
当初の予定通り、それを持って4パチを打ちに行った。
今までとは違って、心臓を握りつぶされるかのような緊張感で台へと向き合った。
当たらなければ、終わり。
なんせ闇金である。返せないと分かったら埋められたりするのではなかろうか。
頭の中で、考えたくもないのに、これから起こるであろう最悪の事態が鮮明に思い浮かんでくる。
当たれ、当たれ、当たれ・・・!
カイジさながらの命を張ったようなギャンブル。
滴る嫌な汗を左手で拭いながら、ハンドルを握る右手に人生を賭けていた。

そして、死闘の末に私は天下分け目の大勝負に勝ったのだ。
暴利により予定よりも少なかった軍資金は、倍以上の45,000円へと化けたのである。
「やった・・・」
当たり演出が終わった後、すぐさま換金へと向かい、帰路につく自転車の上で勝利の味を噛み締めていた。
帰宅後、闇金業者へすぐさま返済の目処がたった連絡をし、その日はぐっすりと寝た。
この時の私は、これが地獄への始まりだとは気づいてはいなかった。

次回 闇金返済不能編



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