やりたいこと・得意なこと

 ここ数年の間に、成功したければやりたいことを見つけようって言われてきましたが、最近はそういう論調が下火になり始めている気がしています。逆に勢いを持ち始めたのが、自分の得意なことを仕事にするという意見の方です。僕も確かに、そっちの方がいいような気がしています。

 一言でやりたいこととか得意なこととか言っても、そこにはグラデーションがあります。やりたいことにも「好きレベル」があるだろうし、得意なことにも「才能レベル」があります。
 例えば、僕は子どもの頃にイラストレーターになりたいと思ったことがあるんですが、単純に絵を描くのが好きだったからなんですよね。その場合の「好きレベル」は10段階で7くらい。暇な時は絵を描いていたし楽しかったけど、好きすぎてずっと続けられる程ではない。一方で「才能レベル」は、まぁ高く見積もっても5〜6の間くらいでしょうか。普通の人よりは絵を描くのは上手かったけど、特段高い能力があるわけでもなく、一般的な範囲に収まるくらいでした。
 で、このグラデーションが存在する前提がないと、「自分はこれが好きだ・得意だ」と決めつけてしまって、選択を誤る可能性があるなと感じています。今の例で言うと、僕みたいに中途半端な「好きレベル」「才能レベル」で進路を決め打ちしてしまうと、後々「なんか違う」となる可能性が大いにあります。

 しかし、自分のやりたいことや得意なことを自然に見つけるのはそう簡単なことではありません。それを自分一人で判断しようとしても、自己認知が邪魔をするし、客観的な判断はほとんど不可能ではないかと思います。だから大切なのは、いろいろな人に会って、いろいろな経験を積むことです。若いうちはリカバリーがしやすいので様々な挑戦をし、いくつもの失敗を経て、周囲の意見にも耳を傾けながら、自分のやりたいこと・得意なことへのレベル感を把握しておくことが重要なんですね。

 結論としてはよく言われている言説に着地をしていくわけですが、「若いうちにいろいろやっておけ」という意見は、それくらい汎用的で普遍的なんだと思います。一方でこの場合の「若い」は、何も年齢に限りません。人生で最も若い瞬間というのが、今この時なわけです。自分にとってやりたいことも得意なこともよくわからないままだという人は、ぜひいろいろなことに挑戦してみてください。きっと、今からでも遅くはないはずです。

 それではまた!

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