駐輪場につく前に、というのは最寄り駅で電車から降りて駅に併設された駐輪場につく前に、である。

※そもそも、自転車に乗りながらイヤホンで音楽を聞いてはいけない。

イヤホンで音楽を聞くことで、無意識に人に冷たくなってしまった

聞こえないようにしてしまっていた

かれこれ10年間、最寄り駅に併設された駐輪場を利用している。
シルバー人材センターで雇用されたおっちゃん（元気なじいちゃん）達が、朝はあいさつしつつ、自転車の整理整頓をしてくれる。定期代を3か月に1回払うとき、お釣りなしにピッタリ持っていくとめちゃくちゃ喜ばれる。

そんなおっちゃん達は20時で勤務は終了で(朝は6時から居るらしい…！)、夜頃もかなり減った自転車を最後にもう一度整理整頓してってくれる。
退勤後はその夜の整理整頓に出会うことがたまにあって、そんなときは「おかえりなさい」と声をかけてくれる。

私は毎日必ず音楽を聞くタイプではないが、今日はイヤホンで音楽を聞きながら駐輪場に向かって自転車のカギを鞄から取り出そうとしていた。

少し向こうにはあの緑のキャップに緑のポロシャツのおっちゃんが見えていたはずだった。声をかけられた気がした。
だけど、耳からはj-popが流れていて分からなかった。声をかけられたのかどうか逡巡しているうちにおっちゃんは階段を降りていった。

ものすごく後悔する、自分

もし、いつものように「おかえりなさい」を言ってくれていたとしたら、私は無視をしてしまったことになる。駐輪場でのあの暖かい雰囲気が気に入っていたのに。おっちゃんショックだろうな。若い学生もたくさん利用しているし、疲れたサラリーマンも多い。きっと挨拶を返す人のほうが少ない。それでも声をかけてくれる。声をかけ続けてくれるのだ。　　

まだ、チャンスがある！

さっきのおっちゃんは1階の事務所の窓口に戻ったはずだ。そこを通るときにいつもより大きい声で挨拶して帰ろう！と心に決めて自転車を押しながら、私も1階への階段を降りた。しかし、こういう時ってよくできているもので、めったに見たことのない電話対応中でおっちゃんは窓口の奥に入ってしまっており、挨拶はおろか姿を見せるとこすらできなかった。

やっぱりこんな冷たい対応をしたくない。だから、私は駐輪場に着く前にはイヤホンを外そうと思う。

無意識に他人に冷たい態度をとらないように。

#通勤 #日記
#おっちゃん #駐輪場 #自転車