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中学受験で、毎日長時間、勉強させる親の気がしれない

「二月の勝者」という漫画が話題になっている。
中学受験をさせるいくつかの家庭の様子が描かれた漫画だ。
現実の、中学受験に取り組む家庭のさまがよく描かれている、と評判なようだ。

勧められて私も読んでみたが、いろいろとしっくり来ない。
共感よりも反発ばかり感じた。

作中では、子供たちの成績は、頑張ったときには上がり、集中できなかった時は下がる、とやけに単調な描写だ。
実際の勉強って、よく分からないけど成績が上がったり、頑張ったのに下がったりすることがよくあるものではないのか?
それよりか、出来ていないのに通り過ぎてしまったところをフォローしたり、というのが大変なのになあ。
この漫画はその辺の生々しさを欠いている。

また、
「中学受験は課金ゲームです」
と言い放つ有名塾講師が出てくる。
つまり、塾にたくさんお金を払い込めば払い込むほど、合格の確率が高まりますよ、とこの講師は言う。
そして、漫画はその言葉を基本的に否定することなく進んでいく。

そんなわけあるかーっ!!

と思いませんか?
小学生が、学校の授業が済んだ後に、3時間とか4時間とかあるいはもっと長時間授業を受けて、集中できていると本気で思っているのだろうか?
こんな「中学受験は課金ゲームです」などという言説に、みんな共鳴するのだろうか?
共鳴するとしたらどんな人なんだろう?

私の持っている疑いは
「そういう親たちは、自分で入試問題を解いてみて、その上で進路指導しているのか?」
ということだ。

…まさか、解いていない??
いやいや、あかんでしょう。
実際、解いてみるとそう簡単ではないことが分かるはずです。

もし、自分が解けないくらいだったら、子供にそんな無理させたらダメなんじゃないか?
子供に辛い思いをさせて、たぶん内容が頭に入ってこない授業を長時間受けさせるって、何の罰ゲームなんだろう?

私としては、ぜひ入試問題を解いてみることを強くお勧めします。
問題を解いてみると、いろいろ見えてくるものがありますから。
学校のカラーというか。

毎年、律儀に同じような問題を出してくる学校。
むやみに学習範囲を広げたりしないで、要求されていることをちゃんとマスターしてきてくださいね、というわけだ。
誠実さを感じる。

やたらと目新しい問題を出してくる学校。
思考力を試すとか言っているけど、無理のある設問で、子供というものをわかっていないんじゃないか?
そもそも真っ当な採点基準など作れているのか?とか。

ある学校は、よくある問題を大量に出してくる。
ひとつひとつの問題は解けるけど、大人が必死で解いても制限時間内にはとうてい終えられないだけの量の多さ。

各学校がどういう生徒を採りたがっているのか見えてきて、自然に自分の子供にはどこが良さそうか見えてこようというものだ。

「中学受験は課金ゲーム」
という言葉を聞いて、「うわー、目からウロコ!」なんて言っていてはいけない。
ドラマ版ではさすがにまずいと思っているのか、
「親子関係が結局大事だよね」
という無難な落とし所にしたらしいけど。

絶対にいけないのは、親の不満を子どもを使って晴らそうとしてしまうこと。
「うちは、うち。
よそは、よそ。」
ですよ。

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