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「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 revival」を観て思ったライブの価値

オタクなことはここには書かない、とか言っていた気がしますが、オタクな趣味で観に行った「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 revival」があまりにも素晴らしかったので、オタクテンションを抑えてまとめていきます。テーマは、「ライブの価値」です。

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」とは

まず、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 revival」って、そもそもなんなの、ということを説明しておきます。今回参加したこのイベントは、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」というマルチメディアコンテンツの展開の一つとして行われているミュージカルとライブイベントです。「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の面白いところは、アニメ、ゲームというよくある展開に加えて、ミュージカルの展開が最初から設計されている点です。アニメやマンガで人気が出ると舞台化されるということは最近良くありますが、この作品はアニメより先にミュージカルを展開するという面白い設計になっています。また、あとから舞台化で起こる、キャストが異なる違和感をなくすため、最初から舞台をこなせる声優を起用し、舞台もアニメも同じ声優がこなすという設計になっています。つまり、2次元から3次元化される2.5次元企画の逆方向の企画と言えます。

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」のストーリー

ここでは、詳しくは書きません。興味を持ってくれた方は、ぜひアニメBDを買って見てみてください。ざっくりと言うと、舞台女優(舞台少女)に憧れる少女たちが、謎のキリンが主催するレヴューと呼ばれる決闘ゲームで火花を散らす、というお話です。意味わかりませんね。はい、アニメ観てください。物語の中心として、華恋とひかりという二人の少女の存在があります。お互い一緒にトップスターになりたいという夢を持ちながらも、トップは一人であるというジレンマの中で葛藤し、乗り越えていくというのが、ストーリーの根幹です。

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 revival」

アニメはすごく好きで、前々から舞台も気にはなっていたものの、ミュージカルと言われると、ちょっと小恥ずかしくなってしまい行っていませんでした。アニメも最終回を迎え、ちょっと行ってみるかと思い参加してみました。この舞台公演自体は、7月の3連休と直前の夜、合計7公演実施されます。なかなか本格的、アグレッシブな計画です。開催されたのは、舞浜アンフィシアター。小さめながらも、すべての席から舞台がよく見えるとてもいい会場です。わたしは、土曜の昼公演に参加しました。

会場すべてを使ったアクションに感動

内容についてはオタクテンションが炸裂してしまいますので、テーマであるライブの価値という観点で振り返ります。今回のライブで、一番すごかったのは、なんといっても観客席まで会場をフルに使った演出です。ゴンドラで会場を回るという演出は、アーチストライブでもよく見かけるようになりましたが、この舞台では役者が舞台と観客席を直接走って行き来しながら演じるという、すごい躍動感のある演出として使われていました。しかも、この作品の設定上、決闘シーンがあるのですが、その決闘シーンのタテを観客席の通路でやるのです。これは、相当練習しないとできない演出です。剣などの長い武器を使いますので、観客との距離感をしっかりもって正確に演じる必要があります。この演出は、本当にすごかった。主要なキャラクタは9人なのですが、それに数人のキャラクタ、敵役の役者が入ってすごい規模のタテが演じられました。どこを観たらいいか分からなくなりそうでしたが、そこはしっかり舞台演出として注目点が設定されていいて、ぐちゃぐちゃにはならない工夫がされていました。また、アクションも声優が中心の舞台とは思えないクオリティでした。舞台経験がある声優が選ばれているとしても、あれだけ長時間のアクションをこなすのは大変です。このへんは、声優決定の段階で、相当調査して、動ける声優さんを選んだんだと思います。また、敵役の俳優さんは、完全にプロの方のようで、バク転などめちゃくちゃキレキレのアクションでした。声優チームも、側転などは結構こなしていて、すごかった。なにせ、クッションもない舞台でやっていますから。

演者の表情が、気持ちが見えるライブ

この舞台は、舞台パートと歌ライブパートの2部で構成されています。ライブパートも舞台と同様、観客席までキャストが出てきて歓声に答えてくれました。本当に、すぐ側まで来てくれて、彼女達の表情、気持ちの高ぶりや緊張が感じられるんです。ひかり役の三森すずこさんは、ラブライブなど大きい会場もたくさんこなしてきただけあり余裕を感じる表情。天堂真矢役の富田麻帆さんは、なんだかすごい楽しいテンション。大場なな役の小泉萌香さんは、少し緊張しているような表情。みんなそれぞれの気持ちが感じられて、この会場にいることを強く感じました。私達が、一段と大きい声援を上げれば彼女達もレスポンスしてくれるし、彼女達が煽れば、私達もそれに答えて叫ぶ。そういう気持ちのやりとりを色濃く感じるライブでした。

VRが発展して、ますます上がるライブの価値

今回のライブに参加して感じたことが、ライブの価値ってどんどん上がってきているな、ということでした。これには、もしかしたらVRなどのバーチャルコンテンツ、それを実現する技術の発展が背景にあるかもしれません。VRは、まだ解像度が低かったり、ぎこちない部分がたくさんありますが、間違いなく数年すればかなりのクオリティが出るようになります。VRであれば、会場のどんな場所にも技術的には移動できるし、一見現実を超える臨場感が得られそうです。ただ、今回のライブに見えたのは、演者と観劇する人のコミュニケーションの存在です。演者の演技に対して、観劇者が答える。これはVRでもできるようになるかもしれません。ただ、演者に観劇者の表情、盛り上がり、熱気を伝えるのは、現状のVRだけではできません。演者側も、観ている我々から何かを感じて演技に反映させているはずです。だから、アドリブが入ったり、感動して泣いてしまったりするんだと思います。そういうやりとりというのはライブでしか体験できない価値だと思います。今回の舞台では、それをより感じられる演出がされていたので、こういったまとめを書いてみたくなりました。VRという現場に行かなくても体験できる技術が出てきたことで、現場の価値って何なのか、演出家さんたちが考えるきっかけになったのではないでしょうか。そういう意味で、これからもいろんな工夫がされて、ライブの価値というのは、さらに上がっていくのではないかと思います。

まとめ

今回、冒頭で書いたように、ちょっと小恥ずかしいし、あまり盛り上がれないかもな、と思って参加したのですが、初めてライブに行ったころの感動を感じて、本当に参加してよかったです。人間の感じ方というのは、視覚だけじゃなくって、仮想現実の技術はまだまだ視覚と聴覚の一部しか再現できていないし、双方向の情報流通ってのはまだまだできていないんだな、と改めて感じました。技術的に、まだまだやることがあるというのはいいことです。今回は、ライブの価値を再発見するとともに、仮想現実の技術の発展もまだまだ伸びしろがあることにも気づけて楽しみになりました。

最近、年10本ほどは声優さんライブに行っていますが、舞台もちょっと興味が出てきました。大好きな声優さんの一人である阿澄佳奈さんがよく舞台に参加されているので、ちょっと行ってみようかな。

Photo by Peter Miller

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