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ロゴデザインをしたときのお話をしてみようと思う

1年ほど前に、自社サービスにて知り合った方の団体ロゴの制作を請け負った。僕にとって、『ロゴ』を制作するのは初めての経験で、これまでのサービス開発などから考え方やスキルを転用しつつ、1ヶ月ほどかけて制作した。その時の資料が手元に残っていたので、制作手順や注意点などをメモ代わりに残しておこうと思う。

1.相手の思いの丈を聴く

依頼主が立ち上げた団体は、『結婚相手を見つける』ことを主眼においたものだ。巷にマッチングサービスが乱立するなかで、『なぜ似たような団体を立ち上げたのか?』を相手が出し切るまで聴いた。

2.課題/解決方法/メインターゲット/大事にしたいことを整理する

悪い意味ではなく、新しいことを始める人は『情熱的』で、話される言葉は抽象的なことから具体的なことまで含まれている。それらをまずは整理し、全体像を明らかにしていくことが求められる。整理した結果が以下。

3.キーワードや大事にしたいことに合わせて、デザインモチーフを洗い出す

上記で整理したキーワードから、特に重要なキーワードを主軸に、モチーフをいくつかピックアップする作業を実施した。5個〜10個ピックアップした後に、相手の方に共有し、頭の中のイメージとのすり合わせを行った。最終的に残ったモチーフは以下。

ハチドリ:別名ハミングバード。ハミングバードするような羽音がすることが由来。花の蜜を主食とすることから他の動物と食料争いになりやすい。パートナー選びも争いではないことからチョイスした。

鳥の巣:鳥の種類にもよるが、鳥の巣は雄雌が小枝などを協力して集めて形作っていくもの。互いが協力しあって安心できる場所を作り上げていく行程が団体の掲げる大事にしたいことに合致することからチョイスした。

4.デザインソフトでカタチにする

上記2つのモチーフのうち、鳥の巣モチーフが良いとの結論に至ったため、実際にIllustratorでデザインを具体化していった。その歳、シンボルマークにあわせてロゴタイプのデザインも並行して実施した。以下が初稿。

5.感覚的なフィードバックを反映させ、最終稿へ

上記初稿を共有した結果、以下のようなフィードバックを頂いた。

カラーと文字はとても好きです。
ロゴマークの巣がちょっと無機質な印象というか、なんでか分からないのですが病院とかサニタリーのイメージもあるような気がして、もう少しナチュラルな巣のイメージだと嬉しいです。

以上を踏まえて、以下が最終稿となった。

そして、ロゴデザインのコンセプトなどを整理した資料を一緒に添付させて頂いた。

大事なのは相手の心に入り込むこと

ベルトコンベア的に作業工程をこなしていくことは楽だ。しかし、相手の思いの丈を知って、それを自分の身に置き換えたり、相手の心理状態に立って考えたアウトプットは、しっかりと相手に届くものだ。強烈な課題意識、解決したいという情熱、愛情、など、まだ『具体化できていない抽象的なもの』を受け取り、共に考える姿勢はとても重要である。

まとめ

今振り返ると、あれもこれも改善できるなあ(このnoteでは記述しない)と思う事ばかりだが、今回の『ロゴをデザインする』ことに関わらず営業でもなんでも『相手がいて成立する仕事』に共通することとして『答えは自分の中ではなく相手の中にある』ということを改めて痛感した案件であった。時に、自分の中で答えを出そう出そうとするあまり、目の前にいる人のことを忘れて突飛なアイデアや解決方法に走りがちだが、それは本末転倒である。

丁寧に相手の言葉や仕草に心を傾け、抽象的なことを具体化していく。それが大事だと思うのである。

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