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男図鑑

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necocoと愉快な男たち!
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case ママと王子とピザ屋

case ママと王子とピザ屋

既出のマザーと久しぶりにお散歩をする約束がある。
今でも仲良しで、誰より一緒にいて気楽で楽しい人だ。
私の好きな雰囲気の喫茶店を調べておいてくれる。
私の好きそうな公園に連れていってくれる。

しかし、そんな日に既出の王子様がご飯に行こうと連絡してきた。

ピンチである。

だいたい当日か前日にアポを取ってくる王子に、たまには「お断り」と言うスパイスを与えても良いかなと思っていた私だが、いざとなる

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case 私の先生

case 私の先生

その人は塾の先生(某国立大学生)だった。

その人は所謂初めての人ってやつで、いろんな人に「勉強以外も教えてもらってたんだね。」なんてよくいじられた。←下品
そして、例によってその人には彼女がいた。←恒例
まぁ、私と付き合うにあたって別れたようだったけど、タイミング的には二股だった。

当時からひどい家庭環境で、家でも学校でも爪弾き者だった私は、毎朝制服に着替え学校へ行く振りをして彼の家に向かい、

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case ドラマチックマフィア 2 ー彼氏らしき人が再婚した話ー

case ドラマチックマフィア 2 ー彼氏らしき人が再婚した話ー

これだけ聞くと切ない恋の話か彼女持ちへの淡い片思いの話かと思われるかもしれない。しかし私がそんな可愛らしい恋愛をするわけがない。

既出の嘘つきドラマチックマフィアは出逢った頃は確かに未婚だったのだ。

出会いはキャバクラ、初めましての瞬間に「あ、そうなるやつですね。」って感覚に陥った私たちはすぐに精神的な恋人になった。

なぜ肉体的ではないのかと言えば、彼がロマンチックだから。たぶん。
告白する

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case ドラマチックマフィア

case ドラマチックマフィア

その人はとても嘘つきな人で、初めて会った頃から何かと辻褄の合わない嘘を付いていた。調べたらわかることも、調べなくてもわかることも。

当時の私はなんでもいいからつかまるところが欲しくて、ちょっとした風よけになってもらったり、レッドブル代わりになってもらったり、精神的な自慰行為もどきになってもらったり勝手に好きに使っていた。

東京に住んでいると言っていたが実は日本の果ての方に住んでいる。

結婚は

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case 暗闇の王子様 2

case 暗闇の王子様 2

週末は既出の王子様と映画デートであった。

「THE GREATEST SHOWMAN」

感想は…是非観てください。としか言えない。

さて

王子様はいつも至れり尽くせりなデートプランで私をもてなしてくれる。
前にも言ったが嫌なところが一つもなく、素敵なところばかり。

しかし、彼の人間の部分が見えない。
目下観察中の最中のデートである。

会った時の対応が100点以上の彼だが、実は会っていな

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case ミスターマザー

case ミスターマザー

その人は世の中が言うお母さん(普通のお母さんを私は知らないが)みたいな人で、いつも優しく穏やかで、趣味は可愛いエプロンをして料理をすること、こだわりの豆でコーヒーを淹れること、本を読むこと。お酒はあまり飲めなくて、日付が変わる前には眠くなる。

その人と出逢ったのは某出逢い婚活アプリ。

某有名コンサル会社に勤め、服はストリート系、若干人見知りで関西弁、そんな初対面の印象であった。

その頃の私は

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case 暗闇の王子様

case 暗闇の王子様

私には今好きな人がいる。いや、彼氏がいる。
でも例によってその人には嫁がいる。←恒例
もうそれに関しては議論する気は無い。

その人はいつも私のことを「necoちん、necoちん♪」と呼ぶ。
もうそんな歳では無いけど猫可愛がりは好物だ。

初めてお互いを認識した時、「あぁ、もう。」と思った。
一目惚れは特技だが私の一目惚れは顔がタイプとかそんな類だけではなくてもっと直感的で崇高なのだ。←自負

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case 某国民的ミュージシャン

case 某国民的ミュージシャン

その人はとにかく口が悪く、気が強く、過剰に繊細な男だった。
簡単に言うならTHE メンヘラ。

そのメンヘラミュージシャンは私のことをよく「おばさん」と呼んだ。
お前の方が10歳上だけどな。と思いながら「はいはい」と返事をしていた。

今となってはなぜこんな傲慢で甘えん坊なおじさんにときめいたのかわからないが、その時は確かにキュンキュンしていたことをここに認めよう。

ここまで悪口しか書いていない

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case ネグレクトメンヘラカップル

case ネグレクトメンヘラカップル

今でも忘れない。
その人は私の人生で一番私の人生に関わろうとしてくれた男だ。

私はまだピッチピチの二十歳だった。
私はフリーターで、彼は一つ年下の大学生だった。
そして例によって彼には彼女がいた。←病?

その頃の私は絵に描いたようなメンヘラで、それを自覚していないタイプのそれだった。
ちょっと気が強くてちょっと落ち込みやすくてちょっと気性が荒くてちょっと貞操観念が低めなだけでそこまで異常だとは

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