既出のマザーと久しぶりにお散歩をする約束がある。
今でも仲良しで、誰より一緒にいて気楽で楽しい人だ。
私の好きな雰囲気の喫茶店を調べておいてくれる。
私の好きそうな公園に連れていってくれる。

しかし、そんな日に既出の王子様がご飯に行こうと連絡してきた。

ピンチである。

だいたい当日か前日にアポを取ってくる王子に、たまには「お断り」と言うスパイスを与えても良いかなと思っていた私だが、いざとなるとできない。

やっぱり、王子様のお誘いは無条件にドキドキしてしまう残念な愛人だ。

むむむーと悩んでいたところに既出のマフィアから電話が。
数秒無言の後に、

「元気？」

「元気？」

と、お互い同時に聞いていた。

昨日も話したのに、滅多に元気？なんて聞かないのに同じタイミングでこんなことになったりするところがほんとドラマチックだ。

「飛行機代くらい出すから遊びにおいで」と

例の日本の果てにお誘いがあった。
すごく嬉しかった、弱っている私に気付いているのはこの人だけである。

ま、行かないけど。

「最近ストレス溜まりすぎて、ピザ屋でも始めようかなーと思ってるよ。」と彼が言う。「あったかいうちに食えば大抵うまいからね。」だそうだ。

そう言う発想とセンスが大好きだ。現実に文句を言うよりピザ屋さんになろうとか言ってしまう柔軟さと強さを分けて欲しい。

…と、数分の間に３人と連絡を同時進行し、萌えたり迷ったり萎えたりしたわけだけど、つまり一つ言えるのはさ、で、これはなんですか？ってこと。
私に聞いているんだけどね、楽しいですか？満たされていますか？って。

それぞれの人たちはそれなりに片手間でもそこそこ私を愛してくれているわけだけど、それに合わせて私だってそこそこしか愛しませんからね！と言う態度を取っている。つもり。
でも本当はみんなクズ風なのにすごい良い奴でなんなら空っぽの対応なのは私だと気付いてしまって心底萎えている。

誰も幸せに出来ない私は恋愛風を嗜みながら、実は誰より私の幸せを蔑ろにしているようだ。

necoco

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追伸　この３人を足して３で割って未婚にしてお誕生日にください、神様。