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AURORA写真塾 ダイジェスト 2023.08 カフェ写真を作ってみよう

こちらの記事でお知らせした通り、2023年4月からNHK文化センター AURORA写真塾は東京・青山教室でオフラインの写真教室を開催しています。4月期最終回である8月の内容を少しだけ紹介したいと思います。8月のテーマは「カフェ写真を作ってみよう」です。5年ほど前にAdobeさんのBlog記事「トータル 10 分で完結! ゼロから作るおしゃれなカフェ写真」にて、カフェ写真を作るポイントを紹介していますが、今回は久しぶりに同じようなテーマで講座を開催しました。

カフェ写真はゼロから作れる

皆さんは、自宅がおしゃれじゃないから…広くないから…などとテーブルフォトを諦めた経験はありませんか。でもテーブルフォトというのは、全てを自分でコントロールして作り上げることができるジャンルです。広告撮影で行われているような物撮りでも、スタジオ内の何もない空間にセットを作って撮影するものなのです。というわけで今回は、NHK文化センターの教室に、当日持ち込める程度の簡単なプロップで、カフェのようなフォトスポットを作るという実演を行いました。実際の写真がこちら。(※写真は講座で使用したものと同じプロップを使い、予め自宅で自然光で撮影したものです。)

ISO100 F2.8 SS1/13秒 焦点距離 100mm WBマニュアル5500K 撮影距離1.5m程度

個人的には、サイド光の場合、光は左から入り、影は右側に落ちるのが好きなのですが、自宅の間取り的に難しいため、この写真は右からのサイド光で撮影しています。

講座当日のセッティングの様子がこちら。こんな風に1m四方程度のスペースがあればセットを作ることができます。

リアリティを生むプロップの選び方

今回背景に使用したのはタイル柄のリメイクシートと、赤い布。勿論背景ボードなどを使っても良いですが、今回は誰でも気軽にチャレンジできるようなものを選んでみました。その他プロップについては、アイスをメインアイテムにしたので、それ以外のアイテムは、アイスに関連するもの、カフェに関連するものなどを選んでいます。「アメリカンレトロなカフェ」をテーマにしたので、プロップはそのテーマに沿って忠実に選びます。実際にカフェで使われているようなアイテムを選ぶことでより再現度が高くなります。

見せたいものを引き立てる方法

普段私はプロップをあまり入れすぎないようにしています。というのは、前述のブログでも紹介している通り、プロップが多すぎると雑然とした印象に見えることがあるから。でも今回はいつもよりは多め。カフェらしさを伝えるためにはある程度プロップがあった方がそれらしく見えるからです。そこで雑然とした印象に見えないように気をつけたことが3つほどあります。

被写界深度

まずは被写界深度です。特に水平アングルの場合、アイテム同士が重なりあって見えるケースが多くなります。被写界深度が深いと、重なり具合が気になったり、奥に置いたものがはっきりと写りすぎて雑然とした印象になったりすることがあります。見せたいものを決め、それが引き立つようにプロップを配置して被写界深度を決めます。また背景をボカすことで奥行きを表現しています。

同じ構図のままF4に設定して撮影したもの。見え方の違いを比較してみてください。

色使い

2つ目は色使い。背景を含め、プロップ類は全て赤系で統一することで、アイテム数が多くても雑然とした印象にならないように意識しています。

一部をフレームアウトさせる

3つ目は、ポスターの一部をフレームアウトさせたこと。このポスターのように、写真の中で面積が大きいものは、メインよりも目立つ可能性があります。ポスターはサブアイテムであるという役割を明確にし、主張しすぎないようにしています。

構図

構図で意識したのは、何となく全体が三角形になるようにしたこと。またグラスと奥のポットのように、アイテム同士が前後で重なりすぎないようにしています。アングルを水平にしたのは、奥のタイルの模様が歪みなく自然に見えるから。
正面から撮ると、タイルやテーブルのラインが完全に真っ直ぐでないと気になることがありませんか。もし縦横のラインの微妙な傾きが気になる時にはこのように大きくラインを外してみると、気になりにくくなります。
ちなみにこの写真の左手前に写っているメニューは手作りしています。

ISO100 F3.3 SS1/20秒 焦点距離 100mm WBマニュアル5500K 撮影距離1.3m程度

レタッチでレトロさをプラス

少し褪色したような色合いにしてみました。こんな色合いにすると、よりレトロさが表現でき、50年代のアメリカのカフェのような雰囲気に見えませんか。

AURORA写真塾 オフライン教室ではこのような実践を行なっています。またここでは触れなかったような内容も講座内で解説しています。9月に改めて10月期の新規受講者様を募集予定です。(※申し込みページが出来上がり次第改めてお知らせします。)ご興味のある方は、お気軽にご参加ください。

※ NHK文化センターAURORA写真塾 一般募集開始しました。
詳しくはこちらをご覧ください。

2023.09.01 追記


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