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AURORA写真塾 ダイジェスト 2022.08 湯気をとらえる光とは?

毎月1回、NHK文化センターにて開催しているオンライン講座『AURORA写真塾』について、どんな内容なのか時々問い合わせをいただくことがあるので、ダイジェストとして少しご紹介しています。

8月は「ライブ感が伝わる写真」をテーマにお話ししました。内容を一部だけ公開します。

一部のみ公開しています

その中から、今回はご要望いただくことが多い、湯気の撮り方について少しご紹介します。湯気を撮るための条件は以下の通りです。

今回は4つの条件のうち、光の向きについて解説します。それ以外の条件については書籍『the moment of SLOW LIVING 写真で紡ぐ、暮らしの時間』でも紹介しているので、気になる方はぜひ読んでみてください。

光の向きは逆光が良いですが、逆光の場合、背景(窓)が白く写って湯気が同化する可能性があるので、半逆光くらいの方がとらえやすいかもしれません。逆光(半逆光)は被写体の後方から当たる光です。
次の写真は、本にも載せていますが、下図のような光の向きで撮影しています。

被写体の右後方からの半逆光で撮影

この写真を撮影したのは2月末の晴れた日の朝8:30で、東向きの窓からの光を利用しました。太陽の高度が低い時間帯です。同じようにセッティングして撮影する場合、窓の向きや天候、インテリアなどの条件により、湯気は写ったり写らなかったりすると思います。特に南向きの部屋では、低い位置からの光を利用するのが難しく、被写体の後方ではなく上方から光が降り注ぎます。さらにインテリアによっては光が回りやすく、より難易度が上がります。どういうこと?と思ったら、のChapter2を読んでみてください。室内の自然光で撮る場合の注意点が書いてあります。
南向きの部屋で燦々と光が降り注ぐような条件で撮影する場合は、窓の上半分くらいを布で覆ったり(ブラインドであれば下半分だけ開けて撮影したり)、窓から少し離れて、なるべく上からの光を遮るように撮影してみてください。光が回りやすい場合には、被写体の横に黒レフなどを置くと良いと思います。後方からの光を忠実に再現すると、とらえやすくなります。

試しに簡易的にライティングで同じような光の条件を作り、撮り比べてみました。
どちらも被写体の右後方に光源がありますが、左は窓全面から(上の方からも)光が入るような状況、右は窓の上の方を遮光しているような状況を作っています。さらに左は左側にシルバーのレフ板を、右は黒のレフ板を置いています。半逆光で撮影した左の方が湯気をしっかりととらえていることがわかります。

左:斜光の半逆光+シルバーレフ 右:半逆光+黒レフ

湯気の撮影には、光の他に、温度、湿度、背景なども関係しています。もっと学びたい方はぜひ書籍のChapter3の「コーヒーの香りをとらえる」を読んでみてください。

シロップをかけるシーン

8月のAURORA写真塾では、この他、シロップをかけるシーンなど、シーンごとの撮影方法を紹介しました。

ご興味がありましたら、お気軽にご受講ください。現在NHK文化センターでは10月より新たに始まる講座へのお申し込みを受け付けております。zoomを利用したリアルタイムのオンライン教室で、全国どこからでもご参加可能です。お申し込みはこちらから。ご参加お待ちしております。




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