見出し画像

私はNana、あなたの家族

私はNana、あなたの妹

やはり外国に来ると、自分の名前の簡単さに感謝させられる。
なな、ナナ、Nana。
たった2文字。誰でも、どこの人でも、赤ちゃんでも発音ができる言葉。

そんな名前だからか、時たま面白いことを聞くことがある。

「Nanaって、私の言葉では"妹(姉)"って意味なのよ」
「Nanaっておばあちゃんを呼ぶ時に使うんだ」

こう言われると何だか嬉しくなる。
私にとってただの名前であるNanaは、ある人にとっては家族の一員の呼び名であって、その人は私のことを家族を呼ぶ時と同じ名前で呼んでいるのである。
なんだか、本当の家族になれた気がする。

私は日本で生まれたから、もちろん日本に家族がいる。

一年前にアメリカに来て、ホストファミリーという新しい家族を持った。
私はホストファミリーのことを"mom"、"dad"と呼ぶ。ハウスメイトのことは"my sis"だ。
私は元々血の繋がった父親がいないし、妹はいるがお姉ちゃんはいない。
新しく出来た家族は、私に新しい気持ちを与えてくれる。

そしてつい先日、私はネパールに来て人生で3つ目となる家族と出会った。
実際にそこにいた期間は2日ほどだけれど、何者にも変えがたい、濃密な2日間だった。

たくさん話し、たくさん遊び、たくさん笑った。
荷物が空港に届かずに、そしてまた環境も一気に変わってオタオタする私を優しく助けてくれた。
そこには小さな家族もいて、妹がそれくらい小さかったことを思い出した。

そして最後、別れる時に「いつでも連絡して。来るときは迎えに行くから」と言ってくれ、額に幸運を祈る朱い印を付けてくれた。
もうとても大切な家族である。

私はその家族のために、これから働き始める。
必要なシステムを作り、必要なものを届け、必要な教育を施す。
現地の男の子が、「そんなことをして利益があるの?」と聞いてくれたが、もちろん金銭的な利益は取り敢えず暫くはない。
でも言って仕舞えばこれは投資で、お金を持たない私は自分の時間と頭と労力を使って今のネパールに投資する。
そうしたらもしかしたら未来のネパールからお返しが返ってくるかもしれない。そうなったらなんだかとてもスイートだ。

もちろん、もう何度も笑って、何度も癒されて、色々なものを学ばせてもらった。
ずっと笑える時間を与えてくれただけで、投資をする理由はある。

そんな聖人君子のようなことを考えながら、4時間程タクシーに揺られ、日本とアメリカと、そしてネパールに住む私の家族のことを考えていた。

さて、次はどこに家族をつくろうか。

主に書籍代にさせてもらいます。 サポートの際、コメントにおすすめの書籍名をいただければ、優先して読みます。レビューが欲しければ、その旨も。 質問こちら↓ https://peing.net/ja/nedamoto?event=0