序文

　まず最初にちょっとした自分語りをしよう。僕はウマ娘で競馬を知った。実際ウマ娘を始める前に知っていた競走馬といえば、ディープインパクトとダイワメジャー、それから昔某動画サイトの大百科で読んだだけのツインターボ。この三頭の名前だけが僕の競馬知識で、ディープインパクトの無敗三冠がどうとかツインターボの大逃げがどうとかは後から知った。本当に名前だけの知識しかなかった。そんな僕が競馬を意識し始めたのがウマ娘のアプリだった。アプリゲームにあまりハマったこともなく、課金すらしたことのない僕が初めて課金して、初めて寝る間も惜しんでイベントを走った。ウマ娘はスポ根だなんだと言う気はない。別に競走馬に強くリスペクトするわけでもない。ウマ娘というキャラクターとそのシナリオに惹かれていった。簡単に言えばギャルゲーとしてのウマ娘にハマったのだ。

ファインモーション育成シナリオの不満

　とは言ったものの別に運営に悪感情があるわけでも文句があるわけでもない。本当にちょっとしたあくまで個人的な不満なのだ。
　というのもファインモーションの育成シナリオが、ファインモーションの育成シナリオとは思い難いものと感じてしまったからである。先に書いた通りに、僕は競馬になんの興味も持っていなかった人間である。当然ファインモーションという馬に何か特別な思いがあるわけでもない。ただウマ娘のキャラクターとしてのファインモーションは実装以前から好きだったし、どんなシナリオになるのかと言う興味があった。
　実際に実装されて、いつものようにガチャを回した。無償石はすぐに底をつき、コンビニに走ってiTunesカードを買った。そのまま回してなんとか天井前にファインを手に入れた。

シャカール出過ぎ

　やっと実装されたと、すぐさま育成に向かった。だけれども育成シナリオが進めば進むほど何か違和感がある。一旦違和感を無視して、そのままシナリオを進める。結局違和感が解消されることがなく育成が終わる。エンディング。
　そこへ来てやっと何に違和感を覚えたのか理解した。ファインモーションが薄い、のだ。全体的に、ファインモーションが薄い。つまり、他のウマ娘の出番が多すぎるのが僕を違和感として襲っていたのだ。何よりトレーナーよりもエアシャカールの方が見せ場が多い。件のエンディングさえも、トレーナーとファインが喋り、そしてファインのもやもやに対してシャカールが締めて終わり。序盤中盤終盤と起承転結、喜怒哀楽全てシャカールが関わるのだ。実際トレーナーの要素といえばいるだけ、喋るだけ、観葉植物のようにシャカールとファインのイチャイチャを見守るだけ。バレンタインや温泉のようにトレーナーが関係してくる部分もあるが、レースや練習、合宿に切れ者イベント、これら全てにシャカールが出てくるのだ。
　何もシャカールが出てくることや百合、所謂シャカファイが嫌いだとか悪いとか言いたいのではない。出過ぎなのだ。ファインモーションのシナリオなのではなく、ファインモーションとエアシャカールのシナリオになっているのだ。例えるならアニメで推しメインの回がやってきたのに、何故か他のキャラが出しゃばる、そんな感じで。自分はファインモーションとイチャイチャしたくて金を払ってまでファインモーションを獲得したのに、そこから出てきたのはファインモーションとエアシャカールのイチャイチャ。なんなんだよそれ。

運営のエゴの犠牲者？

　そしてそこに気がついてから思ってしまったことが一つある。このシナリオが全体的に百合やウマ娘同士のカップリングを推している、ということである。さっきも書いた通り別に百合が嫌いなわけではない、これを念頭において、この先の部分を読んで欲しい。
　まず一つが、育成の中に起きるイベントにて、ファインモーションとエアシャカール、そしてアグネスタキオンとマンハッタンカフェの4人でお茶会をするのだ。そう、この二組のカップリングは人気が高いのだ。どちらもpixivやTwitterでたくさんイラストが出てくるような人気カップリング。そしてこのイベントのお茶会の最中はトレーナーは空気と化している。お茶会が終わったらノルマのようにファインが話しかけて、答えてステータスアップ、イベント終了。
　もう一つが、エアグルーヴにファインの姉が連絡してくる、というイベントだ。こっちは全体的にファインの姉がレズというか百合っ気全開でエアグルーヴに迫る。二人の会話が終わったら適当にトレーナーに話しかけて、答えてステータスアップ、イベント終了。
　この二つに共通しているのは、両方とも全体的に百合を意識した部分であるということ。さらにこの二つに加えて、シナリオ全体に出てくるシャカール。今までの育成シナリオでここまで全面的に百合を推しているシナリオはないと言えるほどに。
　そうしてバカな僕はバカなりにこのシナリオの意図を考えてしまったのだ。【ウマ娘の運営は、百合もできます！カップリングも応援します！とこのシナリオで伝えたいのでは？】と。ファインモーションの育成シナリオのファイン部分を削って、それをウマ娘における百合のプロモーションに使っているのだと。
　何度も書いているように僕は別に百合が嫌いなわけではない。ただ、この導き出してしまった短絡的な脚そ考にナイーブになってしまっているだけなのだ。だからこそ、noteという「嫌なら見るな」が通じる場所に吐き出しているのだ。
　

最後に

　ここまで散々と、ファインモーションのシナリオへの不満を書き連ねたわけだが、ファインモーションのシナリオ自体はとても面白く、楽しめたこともここに書いておく。
　ただ単に別の、不満とも言い難いようなひたすらな妄想を、心だけに留めておくことのできなかった弱い僕をどうか許してほしい。
　それだけ。