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天井になりたい

昨日は「男の娘」好きの男性および腐女子の方と、ツイキャスでテスト放送をしてみたのだが、そこで腐女子の彼女が発した「天井になりたい」という言葉が面白かった。

「天井になりたい」というのは、腐女子の「萌え」のあり方として、BLカップルを「見ていたい・愛でていたい」という気持ちはあるのだけれども、その場に自らがプレイヤーとして主体的に参加したいという欲望はないので、事の起こっている現場の無機的な第三者、即ち「天井」として、事態の推移を見守っていたいということである。

こういう「参加するよりも傍観者でありたい」という「萌え」のあり方は、必ずしも女性だけではなくて、最近は男性のオタクのあいだにも、例えば「百合」とか「日常系」に対する嗜好という形で表面化してきているように思うから、こういう「天井系」の趣味というのは、男女を問わず存在するものなのかもしれない。

ただ、いわゆる「腐女子」と男性のオタクのあいだで、「文化が違うな」と個人的に感じられるのは、前者においては自分の好むカップリングに対するこだわりが、後者よりもかなり強いように見えることである。即ち、例の「掛け算の順序問題(BL的な意味で)」というやつだ。

男性のオタクのあいだでも、もちろん好きなキャラクターや、理想のカップリングに関しては、人それぞれで様々な嗜好がある。そして、それについて2ちゃんねるなどで論争をしたりすることも当然あるのだが、それは基本的には「きのこたけのこ戦争」とさして変わらないレベルのもので、言葉の上では激しくやりあうことがあっても、気持ちの上で本気の戦いになることはほとんどない。

だが、いわゆる「腐女子」のコミュニティでは、このカップリングに関する好みの差異は、わりと現実的にシビアな問題で、ひとたび衝突して「開戦」してしまうと結果が洒落にならなくなることも多いから、いまは最初に自分の好みを明示して公開しておくことで、異なる嗜好の人々とぶつかり合うことを回避するという、棲み分けが進んでいるようだ。

このことが、「天井になりたい(プレイヤーにはならなくていい)」という「萌え」のあり方とどう関わっているかはわからない。ひょっとしたら、プレイヤーにはならないからこそ、自分が「天井」になる部屋の状態には徹底的にこだわりたい、ということなのかもしれないが、そうでもないのかもしれない。そのあたりは、また色々な腐女子の方々の、ご意見を伺ってみたいと思う。


※今日のおまけ写真は、寺にお布施をする尼僧の様子。白い衣を着ている小僧さんは、お金を受け取ることのできる特殊な身分(ポートゥドー)です。

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