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Don't think, feel thoroughly

 私は昔から、自己認識としては直観優位の人間で、少なくとも人生の実践的な側面に関しては、形式的な意味での論理や知識のことをあまり当てにしないタイプだと思っているのだけれども、なぜか世の中の人は、そんな私のことをしばしば「論理中心」の人間だと思うらしい。

 この不思議な事態について考えてみた時に、いつも思い出すのは夏目漱石の『道草』の一節だ。主人公の健三が、細君(妻)と交わす会話である。

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