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妻に怒られずに済む方法

自分なりにそれなりのお手伝いはしているつもりだが、何故か妻はいつも忙しそうに動きまわっている。自分なりのお手伝いを済ませて、テレビを見始めても妻はバタバタしていてゆっくりできそうになく、それどころか不機嫌そうだ。
どうすれば妻の機嫌を損なわずに済むのかと考えていたら、結婚生活で問題なのは、ジェンダーの問題ではなく、単純に私の生活習慣の問題じゃないのか?とピンときた。この二冊の本のタイトルを見ただけで。

一冊目は『妻と正しくケンカする方法』
妻が夫に対して苛立ちを覚える様々なケースにおいて、妻と夫の心のうちを詳細に解説する。
例えば、スマホを触ってばかりいる夫に対する夫婦の会話例をあげ、その会話に対する夫の気持ちの流れを解説したあと、次に妻の気持ちの流れを解説する。

「また、スマホいじってる」(超がっかり)

「スマホのこと、言ったら、またケンカになっちゃうかな?」(でも、この前もスマホいじってて、子供がケガしそうになったし、やっぱり言わなくちゃ)

「ちゃんと見てるから大丈夫って」(この前も子供がケガしそうになったこと忘れちゃったのかな?)

「せっかくの休みなのに」(なんでスマホなの?)

「休みの日くらいって、休みの日くらいしか子供と遊べないのに」(なんか切ない)

「好きにさせてって、自分勝手過ぎるでしょ!」(小怒り)

「一通りのこと済ませたからいいだろうって、なにそれ!」(中怒り)

「結局、子供よりスマホなのね!」(怒りMAX)

「家でもスマホ、外に出かけてもスマホ、夫にとっては、スマホが一番ってことなんだわ!」(夫にとって家族って、私って、いったいなんなんだろう?一緒にいる意味ってあるのかな?)

夫の会話は抜き出していないが、妻に詰め寄られた夫がどんな言い訳をしたかは、想像がつくだろう。
そして、こんなにも妻が怒りに至るまでの心の動きを懇切丁寧に説明してもらはなければ妻の気持ちがわからないところへ、われわれ夫たちは迷いこんでしまっているのかと、愕然とした。私もスマホを頻繁に見て、妻に苦言を呈されることが多々あるのだ。
そんなときのために、作者は、スマホの事例については夫が素直に自らの過ちを認める方向で、夫がすべき正しい会話のサンプルまで用意してくれている。
夫たちが妻の心に寄りそう際の手助けになるだろう。

そもそも、なぜ妻が不機嫌になるかと言えば、やはり妻は家での仕事、家事で常に忙しく心の余裕がないのである。

共働き夫婦が増えてきても、やはり女性の側の負担がまだまだ大きく、女性は次から次へと時間に追われて、座っている時間も休憩する時間もないのが現実です。
そのため、「自分のタイミング」「自分のペース」などと言えるような状況じゃないのです。


私の家でも妻は絶えず家のなかをあちこち動いている。「少し家事の手を抜いてもいいんじゃない?」と言っても、そう言うことではないみたいだ。
そこで二冊目『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか 妻と夫の溝を埋める54のヒント』は夫にとっては辛辣な言葉が並ぶ。

例えば妻がフルタイムで働いていて家事の7割を妻、3割を夫が負担している家庭があったとして、

それは、言ってみれば、夫婦で山登りをするときに、全体で五◯kgの荷物を、夫が一五kg、妻が三五kg担いで上っていくようなものだ。

夫は目一杯手伝っているつもりでも、まだまだ妻の負担は大きい。まずは、夫の側がそのことをしっかり認識する必要がある。共働き夫婦も増え、夫が家事を免れるという、旧来の夫業は、もはや衰退産業だ。
その上で、妻に家事のことでダメ出しされないようにするには、どうすればいいのか?それには、長年妻が培ってきた家事のやり方をしっかりマスターする必要がある。

では、ダメ出しされず家事のもめ事を少しでも減らすにはどうすればいいのだろう。夫側の「協力したい」「家族に喜んでもらいたい」という思いは、どうしたら、妻にしっかり伝わるのだろう。
基本は、ダメ出しされないように手伝うことだ。手伝いの中身をダメ出しされないレベルにもっていけば、合格点。大喜びしてもらえないまでも、感謝はしてもらえるはずだ。
妻からダメ出しされない手伝いというのは、言い換えれば、日頃妻がやっているレベルで家事をすることを意味する。それができれば、ダメ出しももめ事も格段に減る。

ただ家事を手伝うだけでなく、家事技術の向上を目指す。そして妻の指示がなくても動ける夫を目指す。例えば妻を家事の先輩、夫を家事新人の後輩と見立てた場合、「一番使えない新人は、と言われたら、指示待ち系ではなかろうか」忙しい妻に負けないぐらい自発的に動けるようになる必要があるのだ。
普段から妻がやっている家事の種類(名もなき家事と呼ばれる家事も数多存在する)やその技を目で見ておく。わからないことは素直にお伺いを立てる。早く仕事を覚えて一人前になろうとする気のない後輩に仕事を教えることほど苦痛なことはない。

「君を幸せにするよ」とプロポーズの際に言った夫は、妻の家事負担を減らせられないあいだは、男闘呼のプライドを一旦ドブに捨てざるを得ない。
妻に怒られずに済むには、家事を極め、その家事を継続するしか道はない。家事から逃げずに、真正面から立ち向かう。手伝うだけじゃ物足りないのだ。うわわ。


今月の本
『妻と正しくケンカする方法』小林美智子(大和書房)
『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか 妻と夫の溝をうめる54のヒント』佐光紀子(平凡社新書)

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