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しゅわっとする日々 お悩み相談するわよ

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。

こんにちは、松竹梅です。よろしくおねがいします。

昨晩もなかなか寝付けなかったので、ふとんの中で空想しました。

空想の中で私は、テレビにもよく出てる人気占い師になりました。

この日もテレビ収録。撮影は段取りよく進んでいき、次はお悩み相談のコーナーです。
セットチェンジも完了し、スタンバイOK。カメラが回りはじめ、磨りガラスのむこうの女性相談者が話しだしました。

「先生、よろしくおねがいします。
ご相談したいのは、息子のことです。
息子は小学6年の12歳です。その息子が最近夜遅くまでパソコンのゲームをしてて、注意しても聞かないんです。
気分もなんか荒れてるみたいで、壁を叩いたり、床を踏み鳴らしたり…。
それで、図書館で本を探して読んだんですけど、『ゲーム脳』っていうのがあるらしいんです。主人もそれにまちがいないなんて言うんですけど、私たちは一体どうすればいいでしょうか。」

「そうですか、では、いくつか質問します。息子さんは毎朝何時ごろ起きてますか?」

「大体7時ごろ起きてます。」

「どのような起こされ方をしてますか?」

「ええと、目覚ましで起きてると思いますけど…。」

「息子さんの部屋はトイレの隣ですか?」

「え、そうです、おわかりになるんですか?」

「旦那さんは、毎朝、何時ごろトイレに行かれますか?」

「大体、6時45分ぐらい、だと思います。」

「旦那さんはトイレのドアを静かに閉める人ですか?」

「あ、いえ、私も注意はしてるんですけど、いつもばたんと閉めます。」

「旦那さんはトイレの中で声を出す癖はないですか?」

「声…というのは…?」

「トイレしてる時に、うなり声というか、あえぎ声というか、そんな声を出す癖の人がいるのです。旦那さんはそういう癖はないですか?」

「あ!あります!それがよくなかったんでしょうか?」

「もうひとつ質問ですが、旦那さんは溜め息をつく人ですか?」

「あ、はい!たしかに、主人はよく溜め息をつきます。なぜわかったんですか?」

「まず、あなたのすることは、旦那さんに、トイレのドアを静かに閉めるように、あと、トイレの中であえぎ声出さないように、それと、溜め息つかないように言うことです。」

「わかりました。そのようにいたします。」

「それから、あなたも素人判断せずに、息子さんをクリニックに連れていって眠剤でも出してもらいなさい。」

「わかりました。そうします。ところで先生、なぜ、トイレの中であえぎ声を出したり、溜め息ついたりしてはいけないんですか?」

「性的に気色悪いからです。」

こうして今日の収録も無事終わり、猫のカステラの待つ家に帰りました。
「カステラー、ただいまー。」

「もう、松竹梅、遅いよー。お腹ぺこぺこだよー。」

「ごめんごめん。はい、カリカリだよー。」

カステラにごはんをあげて、私もチューハイを呑みつつもらってきたロケ弁の残りを食べてカステラを撫でて風呂に入って寝ました。

みたいな空想をしました。
おやすみなさい。

【今回の執筆担当者】
松竹梅/好きな食べ物は麺類と鍋もの、好きなチューハイはキリン本搾りレモン。幸せになりたいです。


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