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多重人格商店 「純情」

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。

ズボンのポケット手を突っ込んで
壁を背に立つあんたが眩しいな
今はパンツって言うんだっけ
変わっていく言葉はわからねぇよ
 
俺より背の高いあんた
見下ろされて一言くれやがった
「『不適切な台詞を検知』」
俺はあんたに奪われたんだよ
[不適切な感情を検知]ってやつを
 
そしたらその日の夜から眠れやしないな
呆れながら布団から這い出て
*不適切な行為を検知*
こんなこと初めてさ
ぜんぶぜんぶあんたに奪われていくんだ
 
あんたより背の低い俺に
感謝したのは初めてだったな
自分の【不適切な名詞を検知】が変えられちまったみたいで
敗北感がたまらないね
顔面に#不適切な液体を検知#かけてくれないかね
 
まとめて風呂に入ってさ
まじまじとあんたの<不適切な物体を検知>見つめて
しゃぶり尽くすように見つめて
バレて盛大に嘲笑ってほしいね
そのまま※不適切な運動を検知※と洒落こもうや
 
ところでお前
後ろを向けよ
 
 
 
不適切な機能を検知。


【今回の執筆担当者】
青嵐柘榴(あおあらし・ざくろ)/20代。人生の3分の2ほど思い出しだくないけれど、今は人との縁に恵まれました。偏りがすごい。柘榴は誕生石の柘榴石から。尖ったものからネチネチ系、ほのぼの、祈りまで色々書きたいです。本作りたい!

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