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しゅわっとする日々 眠れない夜に

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。


こんにちは、松竹梅です。よろしくおねがいします。

なかなか寝つけない夜には、ふとんの中でいろいろ空想します。

たとえば空想の中で、私は野球選手になります。

メジャーリーグの球団に入団するのですが、私は合気道と気功の超達人なのでバントで外野まで飛ばすことができます。
足も超速いので、毎打席ランニングホームランします。
守備も鉄壁で、イチロー選手と同じ辺りを守っているのですが、私は空中浮遊できるので、相手選手の場外ホームラン性の当たりをアウトにできます。
それで入団1年目は、史上初の10割バッターになります。

2年目はピッチャーに転向。
私は本気を出せば時速300kmで投げれるのですが、キャッチャーが死ぬので180kmにセーブ。初の登板では27球で完全試合を達成します。
私はあまりにも凄いので友達がおらず、試合のないオフの日はひとりでバーベキューします。
結局その年は防御率0.00でシーズンを終えます。

その次の年は、スガキヤのラーメンが恋しくなって、年俸300億を蹴って日本に帰国。このエピソードが世間に広まり、スガキヤに感謝されて金のスガキヤスプーンとラーメン永久無料券をプレゼントされます。

それでしばらくのあいだ毎日スガキヤに通ってラーメンをすするのですが、そのうち自分でもラーメン屋をしたくなって店を開店します。
その名も、♂餓鬼家(オスガキヤ)。コンセプトは、敢えて女性の入りづらい店、です。
これがスガキヤの癇に触ったらしく、また、いろんなところから叩かれたりして、めんどくさくなって店をたたみます。

私は天津飯も好きなので、次は天津飯屋さんを開きます。名前は、太陽軒。
メニューは天津飯と餃子(チャオズ)のみ。
そこそこ繁盛するのですが、王将から料理人を引き抜きまくったせいかレストラン業界から総すかんを食らいます。

それで太陽軒もたたみ、次はもつ鍋屋、その名も怒髪天を開くのですが、そのころには業界からもマスコミからも嫌われてて3ヶ月で閉店。

ここらへんでやるせなくなって起き上がり枕元の焼酎を3口ほど呑みます。

そして、才能があっても幸せになれるとは限らない浮世の世知辛さを噛み締めつついつの間にか浅い眠りに就くのです。

【今回の執筆担当者】
松竹梅/好きな食べ物は麺類と鍋もの、好きなチューハイはキリン本搾りレモン。幸せになりたいです。

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