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2018年読んだ本ベストイレブン【読書記録】

2018年も終わりに近づいてきました。一年間どんな本を読んできたか自分で振り返りの意味もこめておすすめの11冊を紹介します。題して、2018年読んだ本ベストイレブン!

2018年読んだ冊数:152冊
(2018/12/31現在)
※補足
・マンガ:9冊、雑誌:4冊含む
・マンガは1作品=1冊でカウント
・複数冊に分かれる本(上下巻など)は合わせて1冊
・過去に読んだ本の再読は数えない

152冊の中から11冊を選ぶのでハズレはないでしょう。2019年の素敵な読書ライフの参考にしてください。それでは発表スタート!

シベリア出兵(麻田雅文)

1917年11月に勃発したロシア革命。共産主義勢力の拡大に対して翌年8月、反革命軍救出を名目に、日本は極東ロシアへ派兵、シベリア中部のバイカル湖畔まで占領する。だがロシア人の傀儡政権は機能せず、パルチザンや赤軍に敗退を重ねる。日本人虐殺事件の代償を求め、北サハリンを占領するなど、単独で出兵を続行するが…。本書は、増派と撤兵に揺れる内政、酷寒の地での7年間にわたる戦争の全貌を描く。

今年イチオシの一冊です。シベリア出兵は近代日本の知られざる大しくじりと言っていいでしょう。なぜ打つ手打つ手がことごとくうまくいかないのか、うまくいかないと分かったのにどうしてすぐ撤兵できなかったのか。日中戦争や太平洋戦争の失敗との共通点を探すもよし、現在に通じる教訓を学ぶもよしです。

【ちょっとひとこと】
推しメンならぬ推し学者ができました。麻田さんの他の著書もおすすめです。

うつ病九段(先崎学)

『ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いしやがって』空前の藤井フィーバーに沸く将棋界、突然の休場を余儀なくされた羽生世代の棋士。うつ病回復末期の“患者”がリハビリを兼ねて綴った世にも珍しい手記。

うつ病になるとはどういうことか。当事者によってその症状と心情がわかりやすく書かれています。この本一冊でうつ病に対する正しい理解が進むでしょう。リハビリ期につづられる先崎さんの将棋に対する強い思いには目が潤みます。

【ちょっとひとこと】
先崎さんが監修する3月のライオン(羽海野チカ)も今年新刊が出ています。こちらもおすすめです。

capeta(曽田正人)

母を亡くし、父と二人暮らしの平勝平太。父の仕事の忙しさを知るカペタは、多くのことをずっとガマンしてきた。 そんなカペタの唯一の憧れはかっこいい車だった。ある日、父が持ち帰ってきた廃材で作ったカートとの出会いが退屈な日々を、彼の人生をも大きく変えていく... そして少年は、レースという名の戦場に降り立った!若きレーサー達のエゴと生き様がぶつかり合う。曽田正人の超本格レーシング漫画!!

とにかく熱い。絵からびんびん伝わってきます。若きレーサーが火花をちらすレースシーンはもちろん見ごたえがあります。ただ、その熱量に巻き込まれるように自分の情熱をレースに傾けていく年上の大人たちがとにかくかっこいい。F3編は何度も読み返したくなる名シーンの宝庫です。

【ちょっとひとこと】
Twitterで名言を紹介したところちょっとバズりました(こちら)。ありがとうございます。

どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた(吉田尚記、石川善樹)

「朝ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りて眠る」そんな毎日を送るために、僕たちはどう生きればいいんだろう?科学的視点で人生を俯瞰したら「やるべきこと」がクリアに見えてきた!ニッポン放送大人気アナと気鋭の科学者が人生のあらゆる問題をめぐって徹底対話!

幸せに生きるためになにが必要か。科学的視点で解き明かしていきます。今自分に起きている現象とどう向き合っていけばいいのかわかります。読んだ後『朝ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りた気持ちで眠る』ために自分はどうしたらいいか考えたくなるでしょう。

【ちょっとひとこと】
吉田さんの『没頭力』やダニエルカーネマンの『ファスト&スロー』も合わせて読んでみてください。

逆境を乗り越える技術(佐藤優、石川知裕)

苦境脱出のために必要なのは精神論ではなく、リアルな“技術”である。まさにその真っただ中にいる石川氏が、逆境を乗り越えてきた佐藤氏に生き残るために何が必要なのかを問いかける。今、苦境に陥っている人へのリアルなアドバイスが満載。

政治や外交、逮捕などあらゆる修羅場をくぐってきた著者2人の経験に基づく話はどれも説得力があります。そんな人間の裏表を知り尽くした2人が口を揃えて「最後に大切なのは友達」と言い切っているところは面白いですね。友達は大事にしましょう。

【ちょっとひとこと】
佐藤さんは数えきれないくらい著書を出されていますがこの本と『国家の罠』がダントツで面白いです。

監督の異常な愛情(ひぐらしひなつ)

限られた環境、予算、戦力で、戦術・分析・采配を駆使し、ポジティブに、たくましく、しぶとく戦い抜く監督たち。
逆境に立ち向かい、鉄火場に立ち続ける、敗れざる者たちへの賛歌!!

サッカーをみるとき僕は頭脳を使い指揮をとる監督につい感情移入してしまいます。なぜこれほどの情熱を傾けられるのか。監督5人それぞれの生き様と言葉に胸が熱くなる一冊です。著者の取材力が光ります。

【ちょっとひとこと】
現役監督に濃密にせまった本はどんどん出てほしいですね。来年以降も期待したいです。

世界史の10人(出口治明)

未来を見据えるビジネスパーソンこそ歴史に学べ。優れた人物を選ぶ基準は「何を成し遂げたか、何を残したか」という結果責任である。保険業界に「革命」を起こした著者が、世界史の真のリーダー10人を厳選する。従来注目されなかった女性の指導者、ユーラシア大陸を駆け巡った英雄、東西の多彩な人物を語る。

出口さんは歴史を解説するときのストーリーテリングが非常に上手いです。しかも当然、史実を正しくなぞった上での解説なので驚かされます。出口さんのその強みが最も活かされているのがこの本です。

【ちょっとひとこと】
通史の執筆だと強みが少し薄れているように感じます。誰が書いても通史を面白くするのは難しいですね。

日本史の論点(中公新書編集部・編)

古代から現代まで、知っておきたい29の論点。歴史の謎解きをこの1冊で!「日本史をつかむための百冊」収録!

「日本史を学び直したい」という需要に間違いなく応えられる入門書が出てきました。一流の学者による各時代の解説は必ず新しい発見がどこかにあります。日本史知識のアップデートに是非。

【ちょっとひとこと】
倉本一宏さん解説の古代が面白かったです。読むと古代史にも興味がわきます。

ナナメの夕暮れ(若林正恭)

オードリー若林、待望の新エッセイ集!
『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。
雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!

日々感じるちょっとした違和感を言葉にできるのがこの人の強みであり、出す本が共感される理由でしょう。世間の当たり前や常識にもやもやを抱えながら生きる人々の背中をそっと押してくれる本です。

【ちょっとひとこと】
オードリーがMCのバラエティ番組『ひらがな推し』は頭をからっぽにして楽しめる良番組!毎週みよう!

ディス・イズ・ザ・デイ(津村記久子)

「こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」
22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて2部リーグ最後の試合の「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、十数年ぶりに再会した祖母と孫など、ごく普通の人たちのかけがえのない喜びを、サッカーを通してエモーショナルに描き出す連作短編集。

「明日もまたがんばろう」読んだ後、そう思える本は決して多くありません。主人公たちは多かれ少なかれ悩みをかかえながら、愛するサッカークラブの応援を通して日常に光を見つけていきます。なにか好きなものがある人は誰もが共感できる作品です。

【ちょっとひとこと】
登場するサッカークラブのホームタウンがみんな絶妙な設定です!

明治史講義 【人物篇】(筒井清忠・編)

明治史上の重要人物に対するかつての見方は、昨今の研究によって大きく覆されつつある。二二の明治史のキーパーソン―木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通、福澤諭吉、板垣退助、伊藤博文、井上毅、大隈重信、金玉均、陸奥宗光、李鴻章、山県有朋、谷干城、榎本武揚、小村寿太郎、桂太郎、明治天皇、岩崎弥太郎、松浦武四郎、福田英子、嘉納治五郎、乃木希典―を最新の実証研究に基づき、気鋭の先端研究者たちが捉え直す。最新研究で描きなおす重要人物の実像決定版最新評伝。

今年は明治維新から150年でした。この時代は教科書にのるくらい知名度のある人物が多いです。専門家によって彼らの新たな一面を知ることができます。大河ドラマ『西郷どん』では見えてこない明治時代がそこにあります。

【ちょっとひとこと】
ちくま新書の『○○史講義』シリーズはどの本もおすすめです。来月には新たに『中世史講義』が出版されます。

おしまい

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