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城めぐりとは想像することである~小田原城で考えたこと【伊東潤の城めぐり】

12/8(土)に行われた伊東潤の城めぐり@小田原城に行ってきました。

伊東潤さんは時代を問わずあらゆる題材の歴史作品を書かれている小説家です。

このイベントはオフ会と称して、伊東さんと小田原城やその周辺のゆかりの地を歩き回り、その足で懇親会を行い、方向が同じなら一緒に電車に乗って帰るという贅沢な一日でした。

歴史ライターの板嶋恒明さんもゲストとして参加され、伊東さんと一緒に小田原城の解説をして頂きました。

ちょっと期間が空いてしまいましたが小田原城をめぐって思ったことを書いていきます。

・城めぐりとは想像することである
・帰りに読みたくなった三冊
・むすび~伊東潤さんについて
・書くときに敬称ってどうしますか?(有料部分)

城めぐりとは想像することである

懇親会を終えた帰りの電車、今日の参加者とこんな話になりました。

「今日は楽しかった。でも(伊東先生や板嶋先生の)解説がなかったら城の面白さが何もわからないまま終わっていたね」

確かにそうだなあと。

どんな城にも作った方(築城者)の意図がその設計(縄張り)にあります。
その意図を読み解いていくことが城めぐりの面白さです。

なぜこの場所に堀があるのか。その堀はどうしてこのように細長いのか。

どうしてこの場所は土が盛り上がり、土塁があるのか。

伊東さんと板嶋さんは一緒に歩きながら時代背景や当時の武将の意図を丁寧に解説してくれました。

それによってただの城が数百年前の人間の意図を今に伝えるものとして自分たちの前にせり上がってきます。

何も知らずに歩いていたらただ土が盛られているな、谷みたいになっているなで終わっていたかもしれません。

攻め手あるいは守り手の立場で、縄張りの意図を想像して歩く面白さを知ることができました。

想像することはこれで終わりではありません。

今、目の前にある城は完全な形で残っているわけではありません。

例えば、堀の深さ。土や枯れ葉が積もり、実際の深さより浅い姿でたちに現代の自分たちに顔を出しているかもしれません。

この場所、かつて堀だったかすぐにわかりますか?堀になるには何が足りないでしょうか。

本来は左側にも土が盛られていたはずです。両側に土が盛られていて初めてこの場所は双方向から相手を仕留める「キルゾーン」になるのです。

繰り返しますが完全な状態で城が残っていることはまずありません。
どこまで完全か分からない遺構を歩き、想像することで自分の頭の中に城を再現していきます。

歩きながら想像する。想像する。想像する。この繰り返し。

奥が深いですね。城めぐりにどっぷりハマる人がいるのも納得です。

帰りに読みたくなった三冊

日本史の新常識(文藝春秋・編)

懇親会の席で伊東さんが「これ一冊読めば日本史がよくわかる」といった話をされていました。もちろん伊東さんは執筆陣に加わっています。
中公新書の『日本史の論点』とあわせて読むとより深く日本史が理解できます。

北条氏康(伊東潤・板嶋恒明)

今回ご一緒したお二人の共著です。
二人から小田原城の解説を聞いた後にこの本を読むともう氏康の虜です。
手のひらを返すように武田氏や上杉氏のファンが北条氏に鞍替えすること間違いなしです(言い過ぎ)。

砕かれたハリルホジッチ・プラン(五百蔵容)

やっとサッカーにこじつけられたぞ!!!!
サッカーは「時間と空間を奪い合うスポーツ」と定義し、戦術を読み解いた名著です。具体的な言葉にできなかったので詳しく書きませんでしたが、合戦とサッカーってちょっと通じるところがありそうだなと思いこの本が浮かびました。

むすびに~伊東潤さんについて

「これからの作家はたこつぼから狙撃するだけではだめだ」

そのように言うくらい伊東さんは、ファンとの双方向でのコミュニケーションを大事にされています。

今回の城めぐりオフ会でも非常に近い距離感でお話ができたり、一緒に楽しい時間を過ごせました。
どうやら次回は一泊二日で行く『武田家滅亡ツアー』を計画されているそうです。

また『伊東潤の読書会』という集まりも定期的に開催しています。ここでは出版前の著書の原稿を参加者に読んできてもらいフィードバックをもらうという試みをしています。

各所から高い評価を受けた、いわゆる売れっ子の作家がここまでファンと積極的にコミュニケーションをとって、ご自身の執筆に生かされることは本当に珍しいことだと思います。

興味を持たれた方はぜひ参加してみてください。

おすすめの作品ですが、以前自分のnote記事では大鳥圭介を主人公にした『維新と戦った男』を紹介しました。

サッカー好きであれば蹴鞠を通して物語が進む傑作『国を蹴った男』をおすすめします。短編なので読みやすいです。30分ぐらいあればすぐ読めます。

国を蹴った男 (講談社文庫)amzn.to 788円(2019月02月07日 15:56時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

『城めぐりとは想像すること』だなんて小難しいことを書きましたが、こうやって城からきれいな景色を眺めることだって城めぐりの素敵な醍醐味ですよね。

おしまい

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今回の懇親会の会場:ryo(HPはこちら
伊東潤さんのHP:https://itojun.corkagency.com/
伊東潤さんのTwitter:@jun_ito_info
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内容は『書くときに敬称ってどうしますか?』です。
取るに足らないおまけです。

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