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【今さらサッカー】祝!2019-2020シーズン開幕!あえてこのタイミングで昨シーズンのアーセナルを振り返る。

どーも。

始まりましたね、イングランド・プレミアリーグ!

今シーズンから試合の放送が「DAZN」の独占配信に切り替わるようなので、悩み悩んでやっとこさ加入を決めました。スマホで見ると小さいけど、PS4から繋げばTVで視聴可能。持っててよかったぜ、PS4。

中学生の頃から毎年動向を追い続けているプレミアリーグですが、個人的に長く贔屓にしているのがアーセナル(Arsenal FC)。詳しい説明はWikipediaにお任せしましょう。

今から16年前のリーグ無敗優勝により世界にその名を轟かせた名門チームですが、それ以降はFAカップ以外の主要タイトルに恵まれず、優勝はできないけれどCL出場権だけは手放さない「永遠の4位」チームとして広く知られています。

そんなアーセナルが持つ133年の歴史の中で、間違いなく一つのターニングポイントとして記憶されるのが2018-2019シーズン。

クラブの栄光時代を築き上げるのみならず、現代のフットボールマネージメントの礎を作ったとも言われる名将アーセン・ヴェンゲルの22年に渡る監督時代が終焉し、47歳のスペイン人監督ウナイ・エメリが後任として迎え入れられたシーズンでした。

戦前の期待値は半々、いや、むしろ失敗を予想する声の方が多かったでしょうか。

長期政権後のかじ取りの難しさや、プレミア未経験の指揮官の手腕を不安視する見方が大半を占め、マンチェスターユナイテッドのような大失敗はなくとも、少なくとも成功で終わることはない、というのが大方の予想でした。

実際のところ、結果だけ見ればその通りだったと言えます。目標としていたCL出場権獲得(=リーグ戦4位以内)と久しぶりの欧州タイトルであるEL優勝はいずれも叶わず、リーグ戦の順位も前シーズンから1つ上がっただけという結果に終わりました。

しかし、結果以外の部分では新しいアーセナルのフレッシュな変化が感じられたのも確かなこと。個人的にいくつか抜粋してみようかと思います。


①監督とスタジアムの熱気

ムスっとした表情でベンチから試合を眺めることが多かったヴェンゲルとは異なり、ピッチサイドからエネルギッシュに檄を飛ばしまくるエメリの立ち振る舞いは、図書館と揶揄されてきた本拠地エミレーツスタジアムにある種の「熱」をもたらしました。

選手の一挙手一投足に喜び嘆き怒り沸き立つスタジアム。そんなプレミアリーグでは当たり前の光景が、ヴェンゲル時代はシーズンを経るごとに減っていきましたが、昨シーズンはチームとスタジアムが一体となって戦う場面が増えたように思います。

CL出場権をかけてライバルクラブと熾烈な戦いを繰り広げていた中でFWアレクサンドル・ラカゼットが「以前とは雰囲気が違う」とコメントするなど、チームの「熱」が徐々に高まっていったシーズンでした。


②若手の台頭

元々、若手の起用に積極的だったヴェンゲルですが、キャリア終盤には中堅~ベテラン選手や地元英国勢で固めた代わり映えのしないメンツにこだわることが多くなっていました。いわゆる「マンネリ」ですね。ポリシーを貫くあまり柔軟性に欠けた戦術や不可解な交代策なども相まって、チームを崩壊に招いた要因とも言われています。

後を継いだエメリは、そんな淀んだ空気感を敏感に感じ取り、これまで重用されてきたスター選手からデビューしたての若手まで、全ての選手を一直線のスタートラインに並べました。優れたモチベーターでありながら高度な戦術センスも併せ持つエメリは、対戦相手やコンディションに応じたチーム在りきの戦い方を採り入れます。

この中で頭角を表したのが、MFマッテオ・ゲンドゥージ(20歳)やSBエインズリー・メイントランド=ナイルズ(22歳)、MFエミール・スミス=ロウ(19歳)といった若手選手たち。無名の有望株やユース上がりの才能をチームの主軸となるまで育て上げる、かつてヴェンゲルが得意としていたスタイルを、図らずもエメリが再び実践することとなりました。ちょっとした皮肉でしょうかね。

↓マッテオ・ゲンドゥージ


③BIG6同士の戦績改善

いままで苦手意識が強かったいわゆるBIG6同士の対戦でも改善が見られました。

ここ数年、下位チームからは確実に勝ち点を獲るものの、マンチェスターシティ・リヴァプール・チェルシー・トッテナム・マンチェスターユナイテッドの強豪5チームとの対戦を苦手としてきたアーセナル。毎年負け越しが当たり前で、「例え勝てなくても大敗しなければよし」とする雰囲気が漂っていたのは否定できません。

その根底には、「美しく勝つ」ことを求めたヴェンゲル自身に泥臭く戦うことへの忌避感(?)があったように思います。失点した途端になんとなくあきらめモードに入ってしまい、最後まで戦い抜く意識が薄れていく。踏ん張りが効かないので土壇場の逆転も望めないような展開が、特にキャリア後期は目立ちました。(同様のことを元チェコ代表GKペトル・チェフもコメントしてますね。)

ところが、昨シーズンは3勝3分4敗と久しぶりに五分以上の戦績を納められました。盲目的に自らのスタイルを貫くのではなく、相手に合わせて複数のフォーメーションやプランを用意し、それが展開に応じた柔軟な戦い方を可能にしました。

実は、ヴェンゲル時代にこの戦い方に繋がるきっかけがありました。

確か、チェルシーが優勝した2014-2015シーズンだったかと思いますが、この時アーセナルはマンチェスターシティ相手にAWAYでの完封勝利を達成しています。それはまさにエポックメイキングな戦いでした。

従来のポゼッションスタイルではなく相手にボールをもたせ、陣形をコンパクトにし、前線からの連動したプレッシングからショートカウンターを仕掛けるという「アーセナルらしくない」戦い方にスタジアムはどよめきました。見た目の美しさよりも、目の前の勝利。あのヴェンゲルが自らの哲学を捨てて挑んだ「超現実的」な戦いに、僕はアーセナルの新時代を予感したことを今も覚えています。(結局この時だけでしたが・・・)

この一戦でわかったのが、アーセナルは「きれいにしか戦えない」のではなく、「きれいにも泥臭くも戦える」ということ。元々選手のクオリティはリーグでも屈指のレベルにあるので、戦術家エメリの下でよりバラエティに富んだ戦い方を身につけていけば、さらなる高みも望めることでしょう。


と、あくまで個人の感想をつらつらと。笑

昨シーズンのアーセナルは、あらかじめ失敗が予想されていたものの、その想定を超える戦いぶりに期待値が徐々に増していき、「いよいよ復活なるか?」と思われた終盤戦に大失速、結果として失敗のイメージがより強烈に残ってしまうという一年でした。

しかし逆に言えば、ここまで早い立て直しは誰も想像していなかったということ、そしてそれを実現したウナイ・エメリの手腕は確かだったことが証明された一年でもありました。

「一年でここまで出来たのだから、来シーズンはきっと・・・」というのが世の人の思うところでしょう。その意味では、よりプレッシャーは強まったと言えるかもしれません。今シーズンは開幕から3試合を経て2勝1敗。昨シーズン2位のリバプールとの一戦は落としたものの、まずまず想定内でしょう。

次節にはHOMEでのノースロンドン・ダービーを控えるアーセナル。

これからも目が離せません。


では!

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