チーム・ビルディングは難しい(小並感)

2020年9月14日に問題文発表がされる前から、今年の自分が感じる手応えは既に決まっていた気がする。
ここでいう手応えとは、チーム・ビルディングがうまくいったかどうかの手応えだ。

チーム・ビルディングとは、①各自がチームの目的・目標に共感し、②互いの性格や得意・不得意を理解し合い、③チームの目標のために自分が何をしたらいいのかを把握し、行動しているチームを構築することを指すと仮定する。
そうすると、チームをまとめる者として、①②ができるような機会を作り、③で迷子になる人がいないように個別に手当てすることが求められると考える。①と②をクリアしないと、③に続かないイメージ。
①②は、問題文発表前の準備期間中にできるだけ詰めておきたい。

①はチームの目的・目標の共有をやるかやらないかの話であり、やりさえすれば後は各自の問題に移行すると思う。
もちろん、目的・目標を浸透させるために対話は必要だと思うが、対話量で解決するのではと想像している。恥ずかしながら、文章化できるほどこれまでの経験の中で学びを蓄積できていないため、一度置いておく。
この文章では、②に焦点をあてて進めてみたい。

②のキーワードは、「相互理解」である。
相手のことを知るにはどうしたらよいか。
相手に尋ねる前にまずは自分の名を名乗れとはよくいったもので、相手のことを知りたいならば自己開示を始めることが有効であろう。どんな性格で、どんなことをよく考えているか。何が好きで、何が嫌いなのか。
自分に興味を持ってもらえないと、相手は自分のことを話す価値がある人間と認めてくれない。
手のひらを見せて自分に相手を傷つける武器がないことを示さないと、相手は自分のことを安心して話してくれない。
これをすることが、チーム・ビルディングのはじめの一歩であり、最重要課題だとも考えている。

それでいうと、自分は手をぎゅっと握りしめ、周りになかなか見せていなかった。
自分が手のひらを見せた瞬間に相手が攻撃してくるかもしれないと、傷つくことを嫌っていたことも多分にある。
しかしながら、それ以上に、先のことが見えない近眼であったことが一番大きい。
遠くにある目標と目の前の出来事の間を結ぶ細い線が見えていなかったのだ。

新歓をはじめとする、下級生と関わる場に意欲的に参加していただろうか。
企画班が用意してくれた交流の場に熱心に参加していただろうか。

大勢がいる場が苦手、下級生と接することが苦手と感じていた自分は、そういった場を避けていた。
「全体最適」を考えて、得意な人がやればいいとさえ思っていた。自分は、大会結果に「直接」関係する場で頑張ることが重要なんだと。

しかし、その見込みは甘かった。短期的にしか物事を考えきれていなかった。
自分の能力を上げれば勝てるなんて、そんな甘いものではない。チームで闘う以上、チーム・ビルディングが必須なのだ。

冒頭でも言ったように、チーム・ビルディングの第一歩は相互理解である。
2020年度の大会が終わった後、

「大会期間の後半でやっと先輩に本心が出せるようになりました」
「それまでは、先輩のことをあまり理解しきれていませんでした」

と後輩から言われた。
その瞬間、数カ月くらいの仕込みでは、チーム・ビルディングは全くもって不十分であることを痛感した。

2018年、2年生の自分が取っていたスタンスが、最後の大会の手応え・結果にも影響を与えたといって過言ではない。
チーム・ビルディングがうまくいくかどうかは、2年生の自分の行動から決まっているのだと思う。
自分に興味を持ってもらえ。いろんな表情を見せた方が皆の興味を引くはずだ。
会議などの真面目な雰囲気の場だけ参加しても、眉間に皺を寄せた表情しか見てもらえない。誰がそんな金太郎飴みたいな、同じ表情しか見せない人間に興味を持つだろうか。

どんな時に笑い、どんな時に悲しみ、どんな時に怒るのか。
いろいろな場の、いろいろな表情を掛け合わせ、自分をいろんな角度から切り取って見せること。

交渉・仲裁の能力とは別でチーム・ビルディング能力は存在すると思うので、真の手応えをもって本当に勝ちたいのであれば、ただ交渉・仲裁の能力向上に関わるトレーニングをするだけでは足りない。

優勝に向けた交渉・仲裁の能力向上とは関係がないと思っていたことが実は大事で、それら一つひとつに丁寧に向き合うことで自ずと結果が出てくると思った。

以上、まとめたことは至極当たり前なことを言及したに過ぎず、いまさらまとめるまでもない話だ。しかし、それを4年間を通して実感した証として、ここに記録しておく。

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