見出し画像

音楽の都オーストリアを発ち、一番初めに聴いたのはKing Gnuだった話。

ヨーロッパ旅7日目。オーストリアのザルツブルグに来ました。ここはドイツ・スイスとの国境近くに位置し、国内では4番目に大きな都市。しかし「都市」といっても人口は15万人と日本基準だと多くなく、川や山に囲まれた小さな街です。

これは中心街から少し離れたhellbrunnerという地域にある公園丘から見える景色。人と自然が無理なく共生しているような街並みでうっとりしました。

歴史ある音楽の都

おそらく聞き馴染みの薄い都市ですが、ここはあの有名なモーツァルトの生まれ育った街。そう聞くと、少しだけ親近感が湧いてきます。特に僕は最近平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』に影響を受けてバッハ(ギターver.)を少しだけかじっていた自分にとってはより魅力的に聞こえ、音楽の都ザルツブルグでモーツァルトやクラシックの世界に浸ってみることに。

気合の入った観光ルート

色々と下調べをし、一日使って、モーツァルトが演奏したというパイプオルガンの置いてあるザルツブルグ大聖堂や

モーツァルトが生まれて子供時代までを過ごしたという生家、

おそらく直接所縁は無いのだけど、モーツァルトの人形等が置いてあり雰囲気は抜群なモーツァルトカフェ

そして締めは、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台にもなったミラベル宮殿で行われたバイオリンコンサートに参加してまいりました。勿論楽曲はモーツァルト。(他の人の曲もあったけど)

なのになぜ。

色んな側面から音楽都市としてのザルツブルグやモーツァルトの歴史や存在に触れ、準備万端!と意気揚々に臨んだコンサートだったのですが、見事なまでに撃沈。2時間あるコンサートで、4分の3くらいの時間は爆睡してしまいました。勿論寝てる人なんてまるでいない(強いて言うなら後ろの席の男の子(永田推定5歳くらい)のに、なんでこんなに眠いんだろう?と思いながらも気づけばウトウトし、拍手のたびにハッ!と起きる、みたいな動きを延々と繰り返してしまいました。(パフォーマーの方に対しては失礼な態度だったかもしれません。まだ後ろの席で良かった。)

クラシック音楽は誰のもの?

結局僕は、豪華絢爛で優美なクラシック音楽をある意味楽しむことは出来たものの、好き!という感覚はほぼ湧いてきませんでした。終わった後も他の参加者がすっきりと満面の笑みで帰っていく中、一人モヤモヤと考えていたのですが、一つの結論に到りました。おそらくこれは、自分の好きの尺度と世間での有名の尺度を過度に重ね合わせていたからだと思うのです。

そんなの当たり前だろう」と思う方も少なくないとは思いますが、小学校から音楽や歴史の授業でその名前や曲を習い、クイズ番組では一般教養として出題される。その名前を知らない人はいない人だけれども、有名であり歴史的な功績があることとその音楽が自分にとって魅力的であるがどうかは全く別の話なのだと気付きました。というか、その事実には当に気付いていたけど、ようやく腑に落ちた。という言い方が適切かもしれません。

クラシック音楽に縁の無い人生

事実、僕は小さい頃から音楽の授業以外でクラシックに触れる機会は皆無で、今までどハマりしてきたのは、リップスライム、TOKIO、KARAやshineeなどのKPOP、テイラースイフトやedsheeranなどの洋楽、そして今はKing Gnu一択です。Spotifyでフォローしているアーティストもこんな感じ。

誰がどう見ても、POP音楽の申し子です。

なぜ逆にクラシックを楽しめると思ったのでしょう?不思議でなりません(笑)。今思えば、コンサートで聞いた曲はどれも、普段から聞き慣れていないせいか、部分的にこのフレーズ好き!という箇所はあれど、全体として見るとどの曲も同じに聴こえてしまうのです。

自分に素直に、そして冷静に。

今回の惨事?は、自分が好きであることと世間での知名度をいっしょくたに捉えてしまった結果の出来事だったんだなと今では解釈しています。とてーもスッキリ。僕の場合そうなると混乱してしまってその場を純粋に楽しめなくなるので、あんまり良くないですね。これからはもっと素直に、自分が惹かれる曲や音楽に身を委ねていこうと思いました。(もちろん、これがきっかけで将来クラシック音楽にハマることがあるかもしれないけど。)

…ということで、僕はKing Gnuの新アルバム『CEREMONY』を聴きながら次の都市プラハに向かうのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?