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接客と日々コミュニケーション

お久しぶりの方はお久しぶりです!ひたすらに暑い日が続いてますが大丈夫ですか。耳たぶとか二の腕とか溶けてませんか。僕はというとはじめての社会人生活で身体も心もひーひー言っています(ようやく慣れてきましたが)。気付けば4ヶ月が光のように過ぎていました。この調子で行けば、「あれ、もう今年30ヤン…」と時に置いて行かれそうな気がして、今という時間を生きた痕跡を残したくて、久しぶりのnoteを更新しています。

バッグ売りの少年、始めました。

僕はこの4月からマザーハウスというものづくりの会社で働き始めました。今は大阪梅田の店舗で販売員(ストーリーテラーと呼んでいます)として商品をお客様にお届けしたり、途上国の可能性についてお伝えしたりしています。

学生時代に塾講やイベント運営など対ヒトの仕事は経験あれど、僕にとって接客業という職種は全くもって未知の領域でした。

むじい苦しい恥ずかしい

お店に立ちはじめて3ヶ月弱経った感想を一言で言うなら、「むじーーーー!」です(笑)。

うちのお店は全てのお客様に対して100%のおもてなしをしたいという意思があるので、入ってきて下さったお客様"全員"にお声がけをします。一般的に店員さんとの会話は注文や会計時しかないというお店の方が多うので、うちの接客はだいぶ変わってると思います。そしてそういう接客が苦手、という方も少なくないのではないでしょうか?(かくいう僕もそのうちの一人です)

それでも僕たちは一人一人にお声がけをします。 日々いらして頂いた方に対して「こんにちは〜」とか「こちら全て牛革でおつくりしております」など様々なお声かけをしながら、お客様が今なぜここにいるのか?何を求めているのか?を瞬時に観察し、考え、それとなく聞いたりお伝えしたりします。お客様のテンションやニーズに合っていなかったり、こちらのオーラが強すぎると、すぐに出て行かれる方もいらっしゃいますし、逆にお客様から「ちょっと話しかけないでほしい」オーラを出されることもあります。そんな時は穴があれば入りたいんですが、探しても穴は無いし穴を掘るだけの暇もありません。すぐさま次のお客様へと接客について、また凹んだりご機嫌になったりする。そんな毎日を過ごしています。

それなりに自信はあった

こんな僕にも実は働き始める前、接客業に自信はあったんです(過去形)。

理由は大きく二つ。
一つは、昔から家族や友人に「お前は人当たりがいいから接客業向いてそう」と言われていたし、自分でもそう思っていたからです。今でも、自分の強みは「ぱっと見悪いヤツじゃなさそう感」だと信じていますし、それが生きているなぁと感じることもあります。

そして二つ目は、インターン時代にイベントやワークショップなど対人での活動経験があったこと。集まってきた人達と一緒に情報共有や対話をしたり、何かのテーマについて議論することは好きでした。お仕事としてやっていた部分もあり勿論常に課題や改善点はあれど、苦手意識を持ったことはありませんでした。

似ている様で全く異なるコミュニケーション

お店に立つ直前までは、「接客業なんてやったことないけど、イベントとかワークショップの運営と一緒っしょ~~」と考えていました(軽率)。

しかし、約3ヶ月働いてみて、前者の仕事と今の接客は、同じ対人のコミュニケーションでもまるで質の違うものだと肌で感じています。つまり、両者においてそこにいる人もそこでの会話の質や種類も、またそれぞれをする側に求められるスキルやマインドも全く異なるということです。

そこに集まる人の種類という所では、前者のイベントにおいては、ニーズが明確かつ趣味や関心分野が比較的近い人達が自ら集まっており、共通言語も多く、対話的コミュニケーションが中心になります。

一方現職においては、「こんなバッグやアイテムが欲しい」とニーズが明確な方もいらっしゃれば、「雰囲気良さげなお店」とか「なんかいいものがあれば買いたい」などふわっとした方もいらっしゃる。特に後者の方へのコミュニケーションがむ・じ・い。難易度SSランク。

ほんの10秒前には入る予定の無かった人が来店されることもあるし、うちのブランドや商品のことを全く知らない状態で来ることが当たり前。イベントやワークショップでは事前にどんな人が来るのかある程度想像がつくし時によっては調べることも可能ですが、お店の場合は事前にどんなお客様がいらっしゃるのか知ることは不可能です。

僕たちはそんな方々とお互いを知り、信頼関係を築き、暮らしのニーズを満たしてもらうことを目指している。それもわずか30分とか1時間という短い時間の間に。そう考えると僕らの接客は、水面に見えた魚に対して、その魚に合う釣り竿と餌を何十何百とある用意の中から一瞬で選んで投げて釣る、みたいにスーパーハードモードな釣りの様なことをしてるのかも?と思ったりします(比喩が雑魚)。

接客はその場限りのコーチング?

先日、友人にコーチングをしてもらう機会がありました。彼の質問に答えただけだったのですが、働き方や暮らし方に関して抱えているモヤモヤを話しているうちに、いつの間にか眼前の曇り空は晴れ渡り、終わる頃にはとってもスッキリした気分になっていたのです。次に自分がとるべき(とりたい)行動が見え、それをすることで満たされている自分が想像できました。

ふと、接客も実はコーチングに近い形のコミュニケーションなのかもな、と思います。コーチングの場合は自分のメンタルモデルとか深く潜っていくこともあるけど、接客の場合は、もっと短時間の間に、端的に、お客様の潜在ニーズまで汲み取ってそれに合ったアイテムをオススメするというもの。その場限りのコーチング的な。ただし、重要なのは、それを求めている人もいればそうでない人もいて、それはファーストコンタクトでは分からないということ。

そう考えると、接客という職種は極めようと思えばめちゃめちゃ高度な観察力や言語化能力、共感力、提案力の求められる仕事なんじゃないかなと思います。人間相手ですから、どれだけ自分に自信があっても状況によってはフィットしないなんてこともありますしね。

普段の生活に活かせる仕事

進撃の巨人バリの壁の高さ厚さに、隙あらば「皆さんようそんなやってはるわぁ・・・」と遠い目をしたくなる僕ですが、だからこそのやりがいは感じています。

家族にしろ友人にしろそこらへんの人にしろ、僕たちは日々誰かとコミュニケーションを取りながら生きています。ご飯やショッピングに行くにも、zoomでお喋りするにも、何か頼み事をするにも、相手のニーズを満たすことが出来たら喜んでくれるかもしれないし、それは自分にとっても嬉しいことです。アドラーの嫌われる勇気的に言えば"悩みの全ては人間関係からくる"らしいので、もしかしたら人付き合いのスキルが爆発的に向上すると人間関係におけるストレスも減って生きやすくなる、なんてこともあるかもしれません。

あとは単純に、毎日店前にいる層や来店下さる方々は違うので、飽きることは無くて楽しいですね。飽き性の僕にはピッタリかもしれません。(笑)

お店で待ってます

…さて、ここまで書いてきて、「接客むずい」以上のことは何も言っていない気がして今更不安な気持ちに駆られていますが(笑)、自分のモヤモヤを少しでも形に出来たこと、今僕が何をしていて何を考えているのかをお伝えできてスッキリしています。

これから接客業に関するコラムをマイペースに更新していく予定なので機会があれば読んで頂けたら幸いですし、引き続きお店にはいる予定なので、大阪にいらっしゃることがあれば、ぜひ遊びにいらして下さいね。、その際はこんな理屈っぽいことは端に置いて、色んなお話しましょう。待ってます🐢


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