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「広報KPI問題」に一つの解が見えた気がする。

おはようございます。
Acompany広報のはまだ🐧(@nehiru00991)です。

この記事は#アカンクリスマスアドベントカレンダー2023 4日目の記事となります。

この記事は、もと記者が広報になって2年。広報は何をするべきか、どう事業に貢献していくべきか、そもそも広報KPIをどこに置くべきか迷走しまくった結果、WHYを問い続けること・目的を明確にすべきことという一つの解にたどり着いたというお話です。

中でも広報の目標(広報KPI)に着目し、なぜ広報の目標を立てることが難しいのか、どのような評価軸の置き方があるのかなどを言語化しました。広報のKPI問題や評価指標、に絶賛お悩みの方の参考になればうれしいです。

ちなみにこのnoteでは本当に広報の話しかしません。対戦よろしくお願いします(押忍🥋)。

💡この記事の目的
- 広報を言語化する
- 広報が忘れてはいけないことを言語化する
- 広報による、広報のための、広報による記事

WHYを問い続け、目標を明確にすることが重要

最初に「広報KPI問題」の解を書きます。

  • WHYを問い続ける

  • 目的を明確にする

本当にこれだけです。

ここからはなぜ「広報KPI問題」が難しいのか、その理由をつらつら書いています。
このまとめを踏まえた上で、広報の評価をどこに置くべきかの参考にしてみてください。

「広報のKPI問題」が発生する4つの理由

皆さんはどのように広報のゴールを立てていますか?そもそも広報計画、つくれてますか?

恥ずかしながら、私自身が広報計画をずっと作れていませんでした。目先のリリースに追い回され、とりあえず露出数、PV数となっていました。その結果、施策は点々としており、面を広げることができない…といった負のループに陥っていました。

まずは「広報」を一歩引いて見てみる。ここから4つの原因が浮上しました。

  1. 「広報」の役割が曖昧

  2. 目的を見失いがち

  3. 定量的な評価指標が本質的でない

  4. スタートアップのスピードに「広報」のスピードが追いつかない

詳しく見ていきます。

1. 「広報」の役割が曖昧

そもそも、「広報」の役割って一体何なんでしょうか?

GPT君に聞いてみると「企業や組織が公衆やステークホルダーに向けて自らの活動や意図、価値観などを伝え、理解や信頼を得るための活動を指します。英語では「Public Relations」(PR)と呼ばれます。広報活動は、メディアリレーションズ、イベントの企画・実施、パブリシティ活動、コミュニケーション戦略の策定など、多岐にわたります」との回答。

ん、いやわかったようでわからないような解説だな。
ということでまず、定義を確認してみました。

日本広報学会が6月に公開した広報の定義によれば、「広報」とは

「組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である」

日本広報学会 『「広報」の最新定義を年次総会で発表』

とされています。

あくまでも「広報」は機能。企業として理想とするAに対して少しでも近づくために、ステークホルダーとのコミュニケーション・社会との関係構築を手法として貢献していくと理解しました。

定義が曖昧であるように、会社ごとに「広報」の役割は異なります。
例えば、LayerXのPRチームのミッションは「事業に資するPR」となっており、メルカリは「メルカリの”ファン”を創る」だそうです。

2. 目的を見失いがち

目的を見失いがち。結構これはあるのではと思います(じぶんがまさにそう)。
理由は様々ですが、やるべきことが多い、メディア取材の対応など相対する案件が多いなどが考えられます。

では目的を見失わないためにどうすればよいのか。
元メルカリの矢島さん(@yajiemon)がひとつ解を出していました。それは、「2つのWHY?(なぜやるのか・達成したい目的とは何か)」を考えることといいます。

2つのWHYとは何か。心に響いた文章をそのまま引用します。

1つめは、様々な事業・コーポレートアクションに対して、ただ発信するだけではなく、「なぜやるのか?(Why?)」を言語化して、対外的に継続的かつ一貫性を持って発信していくということが非常に重要かなと思っています。
自社の取り組みやサービスが社会的にどのような意義や価値があるのか? なぜこの会社がやるのか? 社会課題の解決にどうリンクしているのか? を会社のミッションやパーパス、社会の関心や文脈を踏まえて発信していくことで、企業価値の向上に繋がると考えています。情報収集、プランニング、効果測定にしても、この点を意識して、そこがちゃんと伝わっているのかを意識して取り組むことが大事です。
2つめは、「達成したい目的とは何か?(Why?)」をしっかりと考えること。広報ってプレスリリースや記者会見、メディアリレーションなど型が決まっています。それゆえに、プランニングにしても情報収集にしても、何を目的にやるのか? 何のためにやるのか? を掘り下げないまま達成したい目的を見失いがち。定期的に振り返って検証していくことで、事業成長に寄与した広報ができるようになるんじゃないかなと感じます。

これがメルカリPRのすべて!情報収集、プランニング、効果測定にまつわる“How”を大解剖 #メルカリPRセッション

特に「何を目的にやるのか? 何のためにやるのか? を掘り下げないまま達成したい目的を見失いがち」は本当にそう。目的が宙に浮いてしまうことは多々あり、結局何がしたいんだっけとなる。

似たようなことはLayerXの石黒さん(@takaya_i)もお話ししています。

社会の信頼がないとスタートアップは知られることもなく、相手にされない。そうならないためにも、Howに寄らないよう、「なぜこのプレスリリースを配信するのか」「なぜこの施策を行うのか」というWhyの部分を考え抜いてアクションを決めていました。
社会の信頼を積み上げるということに向けたWhyを徹底的に考え抜き、細かなKPIは設定しない。そこを設定してしまうと、「今月あと何本プレスリリースやらなきゃ」ってなってしまいます。
数字「だけ」に意味はないと思っているんですよね。
昨日100万PVいった投稿や、SNS上でバズった投稿も多くの方が翌日には覚えていません。そのような手法を否定するつもりはありませんが、自分たちの感性を大切にしていきたいと考えています。

「全員広報」は個々の「誰かのため」から成る。|株式会社LayerX石黒卓弥

3. 定量的な評価指標が本質的でない

圧倒的に「広報」が価値を最大化しやすい目標設定とKPIの相性が本当に悪い。や、いうのは簡単ですが、「広報KPI問題」を一番難解にしている要因なのではとすら思っています。

KPIなどは数値的な、定量的な目標設定です。マーケティングであれば新規リード獲得数や、BizDevであれば新規商談数、案件獲得数など。

では「広報」は?となると、メディア掲載数や、お問合せ獲得数、広告換算値など…?

一般論を見てみましょう。PRAnalyzerのブログによると、「広報」の成果は3つの指標×2つの指標に分けることができます。

  • アクション指標(短期的)

    • 自社の露出の増加のために行った活動量を示す

  • アウトプット指標(短期〜中期的)

    • 発生した露出の波及量を示す

  • アウトカム指標(中期〜長期的)

    • 広報活動の結果が及ぼす経営への影響を示す

各々想定されるKPI指標は下記です。

PRAnalyzer「経営に貢献できる広報、できない広報の違い – 事業への貢献を可視化する効果測定とレポーティング手法」

ちなみに、フリーランス広報さんやPR会社などでは、アクション指標や取材獲得数、掲載数を追っていることが多いようです。(2023年11月開催LT会より)

4. スタートアップのスピードに「広報」のスピードが追いつかない

3つ目の理由に続くお話になりますが、定量的な目標のみに軸を定めてしまうと「広報」の相性は悪いなと思います。

スタートアップは本当にスピードが求められます。永遠に急な坂道を全速力でダッシュしなければいけません。つまり、短期的な成果求められます。(Acompanyもたった1年間で22→40人…倍じゃん👀)。

一方、「広報」は中長期的な視点でのインパクトが最も大きいと言われています。
「広報は漢方薬」と表現されるように、じわじわと効果をもたらすと言われているのです(マーケティングは「西洋医学」らしい)。

しかし、スタートアップ広報はそんなこと言っていられません。短期的な成果も出しつつ、長期的にどうあるべきかもグリップする必要があります。

「広報KPI」はどのようなものがある?

では他社はどのようなKPI・目標を掲げているのでしょうか?

「広報KPI」問題に直面したとき、周囲の広報さんにいろいろヒアリング、リサーチをしました。これを踏まえて、「広報KPI」や目標を型でまとめてみました。

  • アクション指標型

  • 広告換算型

  • プロジェクト型

アクション指標型(定量的)

メディアリストをつくる。記者アポを獲得する。取材をセッティングする。

コントロールできるアクションを目標指数として置くパターンです。特に初期の立ち上げや、計画の初期でに設定すると効果を発揮する指標です。

ちなみに、メディアリストの作成方法は下記を参考にするといいかなと思います。

広告換算型(定量的)

アクションをした結果、獲得したメディア掲載・機構の掲載数を計測するのも良いですが、金額で示したほうが社内での理解を得やすいでしょう。
ここで一つ有効的な指標が広告換算です。

PRTIMESユーザーであれば、無料である程度の広告換算費を閲覧することができます。(日本経済新聞であれば1段80,000円)

PRTIMESの受け売りみたいですが、この記事おすすめです。


プロジェクト型(定性的)

関係する役員・関係者間で、なぜ記者発表やプレスリリースなどのHOWを行うのか、合意をとる型です。リサーチする限り、LayerXさんなどはここなのかなと思います。

- 記者発表、プレスリリース、オウンドメディアなど、各取組みについてなぜそれをやるのかを、プロダクト部門、事業部門、あるいは経営陣とアラインをとる
- PRチーム独自に、露出数のような目標を立てない追わない(数を目標にしない)
- その上で、各取組みについて予想される反応について精度を高めていき、社内の期待値を調整する

「事業に資するPR」とは|LayerX第3の事業リリースを振り返って

もちろん、企業によってどの型にするのか、また型自体も複数組み合わせても良いのではと思っています。いろいろな型を試しつつ、最適な方法を見つけるのがよいのではないでしょうか。

番外編:記者はどんな目標を掲げている?

最後に蛇足ですが、記者はどこで評価されるのでしょうか。

前職は一面の記事を何回書いたのか、面のアタマ記事(紙面の中で一番大きい記事です)を何回書いたか、署名記事(記者の署名が入った記事)を何本書いたのか、その月に書いた行数と、定量的な目標数値があり、これをいかに超えるかを常に念頭に動いていました。

同業他社の事例だと、担当ポジションによるものの、何本署名記事や一面・アタマ記事を書いたのかが、重視される指標として見られているようです。

「広報」をすることにより、何を実現したいのかを問い続ける

なぜ広報を強化するのか。インパクトのあるリリースをどう調理したいのか。広報の期待値は…?

企業といういち組織の中で、広報へ求めるバリューとは何かを問い続け、解がなければつくる。

  • WHYを問い続ける

  • 目的を明確にする

これに尽きるなと。
広報の役割について悩んだときに、立ち返りたい解として、ここに残します。

まとめ

  • 「広報KPI問題」がなぜ発生するのかその理由は、「広報」の定義が曖昧、目的を見失いがち、定量的な評価指標が本質的でない、 スタートアップのスピードに「広報」のスピードが追いつかないの4点が考えられる。

  • 「広報」の成果はアクション・アウトプット・アウトカムでまとめることができる。

  • 「広報のKPI」は広告換算、アクション指標、プロジェクトの3つに大きく分けることができる

  • 広報が迷走したとき、「WHYを問い続ける」「目的を明確にする」へ立ち返る

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参考文献


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