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Privacy Washing(口実だけのプライバシー)とは何かについて考える。

こんばんは。
Acompanyの広報、#アカン社の翻訳者のはまだ🐧です。
宣言通り、今週内に記事を投稿します(代表との約束は守る広報)。

さて今回は、Acompanyの事業にも関わるお話である「プライバシー」についてのお話です。

さて皆さんは「Privacy Washing(プライバシーウォッシング;口実だけのプライバシー)」という単語をご存知でしょうか?

さっと検索をかけたところ、日本語の記事は存在していませんでした。そこで今回は、Privacy Washingについて、海外の記事・文献を参考に用語定義を行っていきたいと思います。

💡この記事の目的
- 「Privacy Washing(口実だけのプライバシー)」の単語の定義・使われ方を理解し、テキストで利用できる状態にする

Privacy Washing(プライバシーウォッシング;口実だけのプライバシー)とは何か?

「Privacy Washing(プライバシーウォッシング;口実だけのプライバシー)」とはなんでしょうか。

Privacy-washing occurs when a company advertises that it prioritizes data protection with its customer-facing products and services but neglects to actually implement best privacy practices to secure and minimize the processing of customers’ personal information.

CALIFORNIA LAWYERS ASSOCIATION "PRIVACY-WASHING: WHAT IS IT AND HOW TO STOP IT FROM HAPPENING TO YOUR COMPANY"(2023.10.22閲覧)

日本語訳をすると、「企業が顧客と接する製品やサービスにおいてデータ保護を優先していると宣伝しているにもかかわらず、顧客の個人情報の取り扱いを安全かつ最小限にするための最善のプライバシー保護の実施を怠っている」こと。

つまりPrivacy Washing(プライバシーウォッシング;口実だけのプライバシー)とは、顧客・ユーザーに対してプライバシー保護を重視したサービスの提供をPRしているにも関わらず、実態が伴っていない口実だけのプライバシー保護といえます。

Privacy Washingはどのような文脈で使われている?

ここからはどのような文脈で「Privacy Washing」が使われているのかみていきましょう。

ハイテク企業がデータの管理と透明性を売り物にしながら、データを貪り続けること

2020年CESにてワシントンポストの記者が書いた記事で「Privacy Washing」が登場していました。

Call it privacy-washing: when tech companies market control and transparency over data but continue gobbling it up.

the Washington Post "At CES, Apple, Facebook and Amazon are preaching privacy. Don’t believe the hype."(2023.10.22閲覧)

日本語訳をすると「ハイテク企業がデータの管理と透明性を売り物にしながら、データを貪り続けること」。GAFAMのプライバシーブランディングに対する違和感を、この記事ではPrivacy Washingと表現していました。

WhitewashingとGreenwashingの次に来る言葉

人種問題を指摘したWhitewashing(ホワイトウォッシング)と見せかけの環境対策Greenwashing(グリーンウォッシング)の次の言葉として使われるのでは、と書いている記事もありました。

With more and more worry over lack of data control from individuals, we are seeing privacy washing all over – with Facebook leading the way.

DATA ETHICS "There’s Whitewashing, Greenwashing & now also Privacywashing"(2023.10.22閲覧)

ここでのPrivacy Washingの日本語訳は、「個人によるデータ管理の欠如がますます懸念される中、Facebook(Meta)を筆頭に、Privacy Washingが行われている」。

人権問題や環境問題は、企業ブランディングをプラスに働かせる要素として、SDGsで取り組むべき指標などに含まれています。これらは世界が抱える大きな問題であり、日本でもプライム市場上場企業であれば「ガバナンス・コード」として取り組むべき指標で記載されています。(参考)

一方で、Whitewashing、Greenwashingという単語ができているように、見せかけの数値開示・課題解決のPRは問題となってきています。Privacy Washingで揶揄されるプライバシー問題もまた、同様にみられているということができます。

Privacy Washingの事例とは

Privacy Washingという単語の意味はわかりました。しかし、どのような事例がこのPrivacy Washingに該当するのでしょうか。

まず、GPTくんに聞いてみました。

利用規約や、複雑なプライバシー設定、誤解を招くマーケティング、Cookieのポップアップ、そしてオプトアウトの困難。。。

なるほど🧐。心当たり大ありですね。

例えば不透明な利用規約であれば、長すぎて全文読めないというイシューがあります。このイシューを揶揄したコンテンツとして有名なのが、インスタグラムの利用規約を読み聞かせしてくれるサイト。

不透明というか、まあ全文読めないですよねというお話。全文読んで理解して、同意を押すことは現実的ではありません。

過去にAcompanyでアンケート調査を実施したところ、実際に93.7%は利用規約を毎回全て読まずに同意を押しているというアンケート結果も出ています。

複雑なプライバシー設定ではGoogleのアカウント設定が有名です。デフォルトで「ウェブとアプリのアクティビティ」がオンになっていたり、「ロケーション履歴」がオンになっていたり…。

そのほかについては今回書くことを割愛しますが、よくよく考えてみるとPrivacy Washingに当てはまる事例は多かったりします。

まとめ

  • Privacy Washing(プライバシーウォッシング;口実だけのプライバシー)とは、顧客・ユーザーに対してプライバシー保護を重視したサービスの提供をPRしているにも関わらず、実態が伴っていない口実だけのプライバシー保護。

    • 一部記事ではPrivacy Washingのことを「ハイテク企業がデータの管理と透明性を売り物にしながら、データを貪り続けること」とも書いている。

  • Privacy Washingは、WhitewashingとGreenwashingの次に来る言葉。

  • Privacy Washingの事例は、利用規約・複雑なプライバシー設定・誤解を招くマーケティング・Cookieのポップアップ・オプトアウトの困難がある。

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