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全10作品!アヌシー国際アニメーション映画祭2022の長編コントルシャン部門ノミネート作品一覧!

この記事は、以下の記事の続きとなっております。

というわけで、フランスで開催されるアニメーション映画のでっかい祭典『アヌシー国際アニメーション映画祭2020』の長編コントルシャン部門の作品を紹介していきます。

そもそもコントルシャン部門ってなんだよ、って人もいると思いますので簡単に説明しておくと、この部門は2019年より設立された、個性的な長編作品で、観客に課題を生み出してくれる挑戦的な作品が対象となる部門だそうです。

ここまでテンプレ。

今年も、通常の長編コンペに比べると、奇抜な作品が出揃っていまして、そんなラインナップをざざっと10作品紹介して参ります。

とはいえ、例年よりは、意外と観やすそうな作品が多そう……?

まずはアジア圏の作品から紹介していきますね。


幾多の北

幾多の北
製作年:2021年 / 製作国:日本、フランス
64分
監督:山村浩二

https://eiga.com/movie/95827/

『頭山』『カフカ田舎医者』を始め、世界的に高い評価を獲得している山村浩二監督が満を持して初となる長編作品を制作。2012年4月〜2014年12月まで山村浩二監督自身が手がけた雑誌「文學界」の表紙イラストを担当しており、そのイラストをベースとしたオリジナル作品です。音楽には『サティの「パラード」』でも、クレジットされていた故人のウィレム・ブロイカー氏の名前が今回も登場しています。


Chun Tae-il : A Flame That Lives On

Chun Tae-il: A Flame That Lives On(原題:태일이)
製作年:2021年 / 製作国:韓国
99分
監督: ジュンピョホン

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20222856

こちらは韓国の作品。家族を養うために一人前の仕立て屋になることを夢見ているテイルが、劣悪な労働環境を垣間見ることになり、自らが希望の炎となることを決意する、という物語。
ジュンピョホン監督にとっては自身初の長編監督作です。


続いて、中東〜ヨーロッパ作品


Aurora's Sunrise

Aurora's Sunrise
製作年:2022年 / 製作国:アルメニア、ドイツ、リトアニア
99分
監督:インナ・サハキャン

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20222958

ドキュメンタリー映画『The Last Tightrope Dancer in Armenia』を手がけたアルメニアのインナ・サハキャン監督がアニメーションでのドキュメンタリー映画に挑戦。誘拐の果てに奴隷として売られ、その後ハリウッドの無声映画で活躍することになるオーロラ・マーディガニさんを題材に、アルメニア人虐殺を描く作品となっています。


Yaya e Lennie - The Walking Liberty

Yaya e Lennie - The Walking Liberty
製作年:2021年 / 製作国:イタリア
98分
監督:Alessandro RAK

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20220290

世界が終末を迎え大地を自然が覆う世界で、気性の荒い少女ヤヤと知的障害を持つ大きい体のレニーの二人が、人々を統制し文明化を再び推し進めようとする者たちから逃れ、自由に生きようとする物語です。
監督は『Cinderella the Cat』の監督として名を連ねたAlessandro RAK氏が、脚本やグラフィックなど多くを兼任し、制作を務めます。


My Grandfather's Demons

My Grandfather's Demons
制作年:2022年 / 制作国:ポルトガル、スペイン、フランス
83分
監督:ヌノ・ベアト

トレーラーを観てもわかるように2Dアニメーションとストップモーションアニメーションを組み合わせた異色作。仕事で成功を収めた女性・ローサの祖父が突然亡くなったことをきっかけに、自身が育てられた家へと帰ってきて…….というあらすじの作品。
ポルトガルの監督、ヌノ・ベアト氏が初めて長編に挑んだ作品です。


続いて、北米〜南米作品


Home Is Somewhere Else

https://www.kickstarter.com/projects/shineglobal/home-is-somewhere-else-an-animated-documentary

Home Is Somewhere Else
制作年:2022年 / 制作国:アメリカ、メキシコ
87分
監督:カルロス・ハガーマン、ホルヘ・ビラロボス

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20222931

少女ジャスミン、姉妹のエブリンとエリザベス、青年ラロのメキシコからアメリカへと移住する若者に関する3つの物語を、それぞれ異なるタッチのアニメーションで描いたドキュメンタリー作品。
監督を、これまでもドキュメンタリー作品を手がけてきており、本作ではプロデューサーも兼任するカルロス・ハガーマン氏と、TV作品などでアニメーション制作実績のあるホルヘ・ビラロボス氏が務めます。


Quantum Cowboys

Quantum Cowboys
制作年:2022年 / 制作国:アメリカ
105分
監督:ジェフ・マースレット

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20220656

フランクとブルーノの二人が、1870年代の南アメリカへとタイプスリップするという、ロトスコープの手法を取り入れた一風変わった西部劇映画。以前までは『The Boardinghouse Reach』のタイトルで進められていた企画です。
監督は2019年のサンダンス映画祭にて短編アニメーション『The Phantom 52』を出品していたジェフ・マースレット氏。

トレーラーなど映像がまだ未解禁なので、発表され次第また紹介します。


Silver Bird and Rainbow Fish

Silver Bird and Rainbow Fish
制作年:2022年 / 制作国:アメリカ、オランダ
103分
監督:Lei Lei

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20220255

『Breathless Animals』などを手がけ、世界的にも多くの受賞経験を持つ中国出身のアニメーション作家、Lei Lei氏の監督作。自身の家族と中国という国の過去を、粘土で作ったような抽象的な人物や、古い写真をコラージュのように使いながら描いた作品です。

アメリカ・オランダ作品ということになってますがこれは実質中国作品ですかね。


La Otra Forma

https://www.facebook.com/TheOtherShape/photos/149174126474963

La Otra Forma
制作年:2022年 / 制作国:コロンビア
98分
監督:ディエゴ・グズマン

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20223007

南米からはコロンビア出身のディエゴ・グズマン監督の自身初の長編作品がノミネート。

人類が月面に「スクエア・パラダイス」を建設し、そこへ行くには“スクエア”な外見と考え方を持たなければいけないがために、人々はプレス、矯正器具、美容整形手術といった方法で自らを四角形へと成形していくという世界の物語です。


そして、唯一のアフリカ圏からのノミネートが一本。


Khamsa - The Well of Oblivion

https://www.facebook.com/khamsaproject/photos/1549798471951789

Khamsa - The Well of Oblivion
制作年:2022年 / 制作国:アルジェリア
70分
監督:Vynom

https://www.annecy.org/the-festival/official-selection/film-index:film-20222983

コントルシャン部門初のアルジェリア作品。暗い井戸の中で、アディと呼ばれる記憶喪失の小さな男の子が意識を取り戻し、2人の奇妙な生き物とともに、その記憶を取り戻そうとするという物語となるそうです。

2015年に短編としてトレーラーが発表された作品なのですが、この度長編企画として復活しました(※上のポスターはその短編企画発表時のもの)。監督を務めるのは、アルジェリアのイラストレーターでもあるVynom氏です。


以上、10作品!

今年も長編コンペティションよりも圧倒的に作品ごとの情報が見つかりにくく、思っている以上に世界には多くのアニメーションが存在するのだと思い知る部門となっておりました。

今後も続々と情報もアップデートされていくと思いますので、適宜更新して参ります。

今年も引き続きアヌシーの情報を追って参りますので、よろしくお願いします。


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去年のコントルシャン部門はこちら(↓)。

一昨年のコントルシャン部門はこちら(↓)。


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