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避難所運営訓練(HUG)のこと~答えのない問いに取り組む~

防災を伝えるコンテンツは様々ありますが、
HUGやクロスロードなど長年使われ続けているコンテンツは
やはりすごいなと思っています。
今日はHUGのこと。

様々な人たちに、様々な場所でHUGをさせていただいていますが、
参加者の方の防災へのかかわり方に応じて、
少しアレンジを加えて行っています。
中高生対象の場合や、防災にそれほどなじみのない大人向けには、
訓練というより知ってもらうこと、考えてもらうことを重視します。
具体的には、
①最初の条件付与を単純化する。
②スピードの部分の優先順位は少し下げる。
③途中でとめて解説をいれることで、考え方のポイントを明確にする。
などの方法をとっています。

中高生で行った時、大人との違いにびっくりするのが、
一つは条件への態度です。
どの程度の震度で、どの程度の被害が
出ているかといった前提条件。
大人の場合は、条件なんだったっけ?と
HUGが始まってからも何度も気にして戻るのですが、
中高生だと、この態度がほぼ見られません。
だからといって、おざなりにしているわけでもないのです。
この条件をふまえて上で進めていっています。
全員が条件を覚えているわけではないでしょうが、
そこはグループワークのいいところで、
誰かが条件を考慮せずに進めた場合は、
他の子がストップをかけてくれます。
もちろん、理解や思考が浅いといった見方もできるのですが、
見ていると、本質をとらえているようにも見えるのです。
大筋でみて、本質をとらえて考えている、
そんな印象をうけます。

そして二つ目。ぐっとゲームに入り込んでいく姿が見られます。
もちろん大人も入り込んでいくのですが、
中高生の入り込み方はまた大人と違ったものです。
例えば、「親が亡くなった小さい子」。
この子をどこにいてもらうか、
そんなことを考えるカードがあります。
「ほな、自分がみといたるわ。」
中高生からこんなセリフが出てくることがあります。
横で聞いてて、「いや、その図の上で考えるんやけど。」
なんて思ってしまいますが、驚くべきことに、
周りの子達、それに対してつっこんだりしないのです。
ごく自然に、そのまま話が進んでいきます。
その世界に入り込む力に驚かされます。
子どもってすごいなと実感するのです。

月曜日の1、2限に行った学校で、
休み時間歩いている生徒が、
「月曜の朝にする授業ちゃうわ!」と
言っているのを聞いて思わずガッツポーズ。
それだけしっかり考えてくれたんだなと。

子ども達が防災教育を通じて学ぶのは、
防災の枠にとどまりません。
答えのない問いに取り組む経験、
きっとこれからの人生に役立っていくことと思います。

#防災教育
#学校防災
#避難所運営ゲーム
#学校防災アドバイザー

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