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私生(無属性)ぬいオーダー記録②

自分でデザインした無属性ぬい(あちらでは「棉花娃娃」と呼ばれるタイプのコットンドールです)を、中国のぬいぐるみ工場さんへオーダーし、無事手元にやってくるまでの記録です。
随時更新して行きます。


※スクショの一部などを掲載することについて、事前に工場の担当者様に許可を頂いています。


2024/02/25
指示書を提出した翌日、工場の窓口担当者さんから連絡がありました。

とてもフレンドリーで親切な担当者さん。
「亲爱的」と、親愛なる〜さん的な呼称で呼びかけてくれるのがちょっと嬉しいです。

ウカの横髪を「正面は白、裏は赤の2色のボアを貼り合わせてください」と指示書に書いていたのですが、その部分の縁に刺繍は必要ですか?という確認でした。

通常、切りっぱなしで処理される部分です。
この部分の外周にぐるっと巻きロックのような刺繍を入れる処理は「立体刺繍」や「立体髪」と通称されていて、有料の別オプションとなることが多いですね。
私が事前にお問合せしたときに、各オプション料金を教えてください〜と立体前髪のオプション料金もお聞きしていたので、
「指示書に立体刺繍について書いてないけど大丈夫かな? 書き漏れじゃないよね?」
と確認してくださったようです。

細やかな気配り〜!
好きになっちゃう!

「表裏で色が違う部分だから、刺繍は不要です! 刺繍をすると、糸の色はどちらか片方になっちゃいますよね?」
とお返事。
「(表の白い布に合わせて白い糸で縁取りを入れることになるため)裏の赤い布にも白い糸で刺繍されちゃうから、見栄えは良くないと思います」
と担当者さん。

うんうん、ですよね。

「貼り合わせるだけでいいです、刺繍は不要です。確認ありがとう!」

と返信して終わりました。
送ってくれるスタンプがいつも可愛い!


2025/02/27
再度、担当者さんから連絡が。

……おっとぉ!?

前髪の赤いメッシュの部分に赤い布をアップリケ的に縫い付けて欲しかったのですが、
「職人さんが、小さくて難しいと言っているから刺繍に変更していい?」
という確認でした。

出来ないことは出来ないって、ちゃんと言ってくれるの大事!!
すごく大事!!

報告、連絡、相談、略してホウレンソウは大事にね!というのは日本でよく言われることですが、有り難いくらいしっかり確認して下さる……。

布の切り替えにしたかったので正直なところ残念だったのですが、何と言ってもサンプル作成無料の恩恵にあやからせて頂いている身です。
あまりワガママを言うのは申し訳なくて、わかりました、では刺繍に変更してくださいと返信しました。

……が!

後からどうしても
「本当?? もしかして、上手く要望が伝わっていないだけかも??」
とぐるぐると考えてしまって……。

と言うのも、私の手元で可愛がっているとある無ぬいちゃんがいまして。
15cm正常体で、今回作って頂くぬいぐるみより小さいサイズなのに、前髪を複数色の布の縫い付け+かがり刺繍で再現できていたんですね。
ウカは30cm(頭部の大きさは20cm正常体と同じくらいです)なので、それより大きいはず。
そこまで細かいかな?

HongLiさんとは別の工場で作られた子なので、工場も職人さんも違うから「うちでは無理だよ」ということなのかも知れませんが……。

悩んだ末に「しなかった後悔より、した後悔!」とこちらからも確認をお送りしました。

後悔には2種類あって、1つは「どうしてこんなことをしちまったんだ」という後悔。
もうひとつは「どうしてこうしなかったんだ」という後悔。(byシェイクスピア)
前者はまだ失敗から学べることもあるけれど、後者はもうどうにもなりません。時間は逆には流れないのだから。

……本当にごめんなさい、念のために確認させてください!
もしかしたら私の伝え方が悪くて、職人さんに意図が正しく伝わっていないのかもしれないです。
白い土台の布の上に赤い布をアップリケみたいに縫い付けたいのです。そう伝わっていますか?
今作って頂いているぬいぐるみよりも小さなサイズのぬいぐるみでも私がイメージするような作例があるので、本当に無理かを職人さんにもう一度確認して頂けませんか?
もちろん、工場ごとに可能な作例に違いがあるのは理解しています。
無理ならそれでいいので、お手数ですが聞いてみて欲しいです。

と。

「もう一度確認してみますね!」
と担当者さんから返ってきたので、心の底から感謝しつつ、お返事を待つことに。

刺繍でいいよって言ったくせに、コロコロ変えて本当に申し訳ありません……。

ちなみに、私は一度日本語から中国語へ翻訳ツールで変換した後、生成された中国語の文章を日本語へ再変換して、それでも意味が正しく伝わる文章になっているかチェックを行っています。

例えばこんな感じ!

このくらいなら、まあ伝わるはず!と判断。
時々全く意図と違うとんでもない訳になったりするので、毎回四苦八苦です。

コツは、長い文章にせずに短いセンテンスごとに区切って、短文を繋げていくこと。

「前髪のベースの白い布の上に赤い布を指定の形に切ったものを縫い付けて欲しいんですが、できるか聞いてもらえませんか?」
ではなくて
「前髪のベースの白い布の上に、赤い布を指定の形に切ったものを縫い付けて欲しい」
「それが可能か、確認して頂けますか?」
と2つの文に分けて翻訳した方が、精度がぐんと上がる気がします。

当たり前のことだけれど、相手はChatGPTではなくて感情のある人間だということも忘れずに。
何か伝えるときは要件だけではなく、相手が確認してくれたことや時間を割いてくれたことに感謝の言葉やお礼は逐一伝えています。
どんなに感謝してても、頭の中で思ってるだけじゃ伝わらないですからね。

どなたかの参考になれば幸いです!


2024/02/28
もし今のままの図案だと赤のメッシュ部分が細かすぎるのであれば、赤い部分を大きく変更します。
これだったら布を縫い付けて作って貰えるかも、併せて職人さんに聞いてみてください。

と変更案を提出。

We Chatの自動翻訳が不思議な訳をお出ししてくることも、まあ結構ある!
「押して正しい」とは!?
これでいいですか?ということなのか、タップしてDLしてもいい?とのことなのかちょっと悩んだので、コピペしてDeepL翻訳に持って行ってみます。

お、「この画像みたいに変更するってことでいい?」という確認であってました。
よかった。

はい!とお伝えして、ウカ(改)は再度職人さんの元へ。
上手く行きますように〜!!


などと。


のんびりしていた私の元へ、それは突然訪れたのです。

!?!!!???

お解り頂けただろうか。

!!!?!?!!!

当日の朝に「こうして下さい」と提出した修正案が見事に反映された電子刺繍が、なんとその数時間後のお昼に届きました。
あまりにも驚いて、WeChatの画面を開いて目玉かっ開いちゃいました……!!

う、うわぁあああああん!!!!
可愛いーーーー!!!!!
憧れの電子刺繍!!!( ;  ; )

荒ぶる私の第一声がこちら!!!

真可愛ーーーーーーーーーーー!!!!!
(なんて可愛いのーーーーーー!!!!)
まことにかわいいーーーーーーー!!
しんかわ!!!!!

いとをかしーーーーーーーー!!!!!!!

可愛い、嬉しいです、早い!!!!と片言の中国語でも大はしゃぎしてしまった私に、
「お昼食べてくるので、じっくり見ていていいですよ! 修正箇所があったら教えて下さいね」
と担当さん。
優しい……好き……。
お昼休憩に出る前に送って下さったようです。
本当にありがとうございます。

事前に「電子刺繍の修正は無料で行えます」(提出した図面を大きく逸脱しない、常識の範囲内で)とお聞きしていたのですが……

いや、ほぼ直すところないですよ!?

念のために、提出した資料と電子刺繍を重ねてみます。

シンデレラフィット。

敢えて言うなら顎の下の余白が少し気になるのくらい。
全体的に少し刺繍の位置を下げて頂こうかとも思いましたが、自分でもぬいぐるみを縫う経験上、綿を詰めてみるまで顔の印象がどうなるか解らないのも知っています。

HongLiさんでは、提出した図面の範囲内であれば

・電子刺繍は修正無料
・面皮〜縫製後までの間に1回修正無料
・その他の修正は50〜200元(修正内容による)

だと事前にお聞きしていたので、とりあえずこのまま進めて立ち上げて頂くことにしました。
もしどうしてもイメージと違っていれば、縫製後も一回無料で修正して頂けるので!
本当に有難いです。

修正費がどのタイミングから発生し、いくらになるのかは工場ごとに異なりますので、これから工場にぬいぐるみ製作を依頼される方は事前確認をお勧めします。
HongLiさんの場合も今後変わる可能性はあるので、ご自分の依頼のタイミングではどうなのかをその都度調べてくださいね。

前髪の刺繍の青い丸で囲んだ部分だけブツっと途切れているのが気になったので、ピンクの丸で囲んだ部分のようにシャープな線にしてください!と修正依頼。
(こうしたい、というラインを赤い線で描き足しています)

「他にはないですか?」
と聞かれましたが、本気で他にはなかったです。

ウカには私が性癖をぎゅうぎゅうに詰めたので、稲穂、明神型の鳥居や几帳結びモチーフの装飾、火焔宝珠など、複雑な刺繍が何ヶ所もあったのに…。
几帳結びに至っては、結び目に紐が入る位置、出る位置まで私の図案通りに一発で再現してくださいました。
細かいところまでよく見て下さってるなあと感動。

そして、修正も爆速。

こちらも、まさかの当日中に届きました。
しかも完璧に直してくれてるーーー!!!
そう! そうです、こうしたかったの!!!

HongLi Doll Factoryさんは新しく設立されたばかりの工場でまだ顧客が少ないというのが一番大きな理由だとは思うのですが、お返事もお仕事もめちゃくちゃ早いです。
「ちゃんと休憩してますか!?」
と、こちらが心配になるくらい早くて親切。

そして、「これはこういうことでいい?」「この通りに作るのは難しい、代わりにあなたはどうしたいですか?」というように、こちらとの擦り合わせを丁寧に行って下さる印象です。

今後お客さんが増えたら対応件数も増えて待ち時間は長くなるでしょうが、それでも担当者さんが本当によくしてくださるので、うまく運営が軌道に乗ってたくさんのお客さんに愛される工場になるといいなあと思います。

電子刺繍の修正が終わり、面皮の製作を始めますね!と担当さんがおっしゃられたので、刺繍糸の色は自分選ぶ必要があるかお聞きしました。

HongLiさんでは、職人さんが図案を見て糸を選んでくれるので自分で刺繍糸を選ぶ必要はないとのこと。
(自分で選びたければ「選ばせて欲しい」と伝えれば選ばせても貰えるそうですが、それはかなりの上級者向けだと思います)

諸先輩方が「画像と実物とで糸の色がかなり違った!」「糸選びに失敗した、イメージと違う!」と嘆いているのを何度も見てきた身としては、おまかせできて一安心!

でも、カラーチャートは見てみたかったので、
「初心者なので今後の参考にしたいのですが、選んでくれた糸のカラーチャートを見せて頂くことは出来ますか?」
とお伺い。

職人さんが選んでくれた糸の色番号を教えてもらえる事になりました!

……ここまでが一日に一気に進展してしまったため、今日、仕事がない日で本当に良かった……と心底思いました。

脳みそに
情報量が、わんこそば!!
(ネコマル 心の俳句)

待って待って待って、もう入らない、入らないよお!
待っ……ア゛ーーーーー!!!?!?

って勢いでした、本当に。

通常は、いつお返事が来るかな、修正後のデータはいつ来るかな、と一日千秋で工場からの連絡を待つものだと思います。

私のパターンはかなりのレアケースで、今反動で私のIQ3くらいになっていると思うのですが、怪文書にお付き合い頂きありがとうございました!


進展がありましたら、また投稿します。

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