自作ぬい型紙の製作風景①原型編

【注意】
あくまでも「私はこんな風に作業しています」という製作風景のご紹介であり、作り方の丁寧な解説ではありません。


デザインを考える


まずは、こんな感じのぬいぐるみを作りたい、というイメージを絵にしてみます。
無属性ぬいでいう「正常体」のころころしたボディバランス+ケモ下半身のぬいぐるみが作りたいなと思いデザインしました。
(横から見たときのケモ足の形状に拘りたかったので、三面図を起こしています)

命名「けもころボディ」

自分で作るならケモ足はこうありたい、というポイントはここ。

伝われ…!


原型を作る


私が知る限り、ぬいぐるみの型紙の作成方法の主流は、大きく分けて2通り。

ひとつは、blenderなどの3Dツールを使いデジタルでデザインする方法。
もうひとつはぬいの原型を手作業で作り、そこから型紙を作っていくアナログな方法です。

私は後者、アナログ手法メインで型紙を作ることが多いです。

原型を作る際に愛用しているのが、アルミホイルor丸めて荷物の緩衝材に使う薄手の紙(正式名称があったら教えてください💦)+布ガムテープです!
君たち、愛してる!!

今回は紙を芯材に利用しました。
くしゃくしゃっと丸めて大まかに形を作ったら、リボン状に細かく割いた布ガムを巻き付けて固定して行きます。
紙粘土のように乾燥待ちをしなくていいのと、とても軽く、千切ったり切ったりもすぐできるので作業がかなり楽です✨

正面
サイド

ついむちむちにしたくなってしまって、イラストより肉付きが良くなってしまいましたが(※個人的あるある)、イラストより原型の方が好みの形に近く作れたのでこのまま行きます!
大事なのは「自分が好きと感じるかどうか」の一点のみです!!
他人ウケより自分ウケ!
自分が作ったものを一番愛してあげられるのは自分なんだと信じて突き進むのだ!
(※腕と、足のつま先は指を割る前提で少し長めに作っています。糸でぎゅっと引き締めるので、指を割ると少し型紙のサイズよりぬいの仕上がり実寸の方が手足が短くなるんですよね…)

あくまでも原型の芯材なので、大まかに形や土台が作れていればOKです。
型紙は後ほど端末に取り込んで清書するので、必要であればその時に対照ツールや左右反転を使えます。
左右どちらか側の半身が作れていれば大丈夫!

むしろ、手作業で完璧に左右対称な造形物を作るのはとても高度な技術が求められる難しい作業です。
そこに限られた時間を費やすよりは、ショートカットできる部分はどんどんショートカットして時短して行きます。
一発で原型から決定稿の型紙まで辿り着けることはほぼあり得ないですし、トライ&エラーを繰り返しながら試行錯誤する時間のかかる作業はまだいくらでも残っているので…!!

ある程度形になったら、細かな部分の成型やラインのため調整に粘度を盛って行きます。

通常は最初から粘土で原型を作られる方が多いと思うので、私の作り方はかなりイレギュラーというか、邪道ではあると思うのですが、自分なりにメリットに感じる部分は
粘土の使用量が少なくていいので、乾燥待ちの時間も短くて済む
というところです。

おすすめのDAISO商品「芯材にひっつくねんど」
ついでに角の原型も作っています
ころころした体型に合わせて、むちむちほっぺの頭部
横から見たシルエット。
かなり自分好みにできました。

布ガムのツルツルした表面には普通の紙粘土や軽量粘土はくっつかず剥がれ落ちてしまうのですが、DAISOで見つけたこの「芯材にひっつくねんど」という粘土は商品名通りしっかりとツルツルの面にも食いついてくれるのでかなり重宝しています。
嫌な匂いもせず、みょ〜んと伸びるのが楽しいモチモチした手触りです。
乾くと硬くなるので、表面にシャーペン等で分割線を書き入れていくこともできる優れもの。
私は油粘土の匂いが苦手なので、匂いが手に残らない点でもとっても気に入っている粘土です!
DAISOさん、どうか廃盤にはしないでくださいね…!

先ほど「時短できるところは時短する」と言いましたが、この粘土による調整の時に絶対に妥協してはいけない点だと思っている部分もあるので、矛盾するようですがあげておきますね。

  • 頭部とボディのバランス

  • 手足の長さ

この2点は、迂闊に妥協してしまうと後々絶対に後悔しますし、修正もとても大変です。
例えば、手足の太さやお尻のボリュームなど「肉付き」に該当する部分の調整をするのは比較的簡単ですが、ぬいのボディバランスは人間で言う「骨格」のようなものなので後から変えるのは全くの別の物を作った方が早い…となるくらい手間です。
人間も、身体の肉付きは鍛えたりダイエットしたりすればある程度は変えられますが、生まれ持った骨格はそう簡単に変えられないですよね?

いくら時短しても後から倍以上の時間を費やして修正するのでは意味がないので、ショートカットすべきところと妥協してはいけない部分は混同しないようにしています。



型紙のもと作り


原型が作れたら、型紙のもとを取っていきます。
私は貼りつき防止のため、細くリボン状に割いたティッシュを原型に巻きつけ(形が変わらないように薄く)、その上からマスキングテープや布ガムをもう一度巻いていきます。

下の画像は、原型と紛らわしくならないよう黄色のマステを使っていたのに途中でマステが尽きてしまい結局布ガムと併用した図。
(私に計画性を求めてはいけません)

巻き終えたら、油性ペンでパーツの分割線を書き入れ。
目立つ部分に縫い目が出てしまうとぬいの見栄えも悪くなってしまうので、なるべく目立たない位置で分割するように意識しています。
パーツ数も多すぎても少なすぎても意図したラインが出なくなったりするので、パーツ分割はいつも頭を悩ませる作業です。

今回は、上半身と下半身で切替を入れました。
分割線を引いたら、ハサミで切り開いていきます。

ここで切り出したものが「型紙のもと」になります。(画像右側)縁のガタガタになってしまった部分を修正したり、半面だけなく逆側も必要なパーツは中央線から反対側も紙に写したりしてできたプロト型紙1号がピンク色の方です。(画像左側)

このプロト型紙1号を布に写して、プロトぬい1号を作っていくのですが……真の地獄はここからだぜ!!というくらいに思い通りにはならないものです。

ボア生地は紙と違って伸縮するので、縫って綿を詰めてみたらやたらと膨張してしまい、思い描いていた形と全く違うぬいになった……なんてことは、本当に「あるある」なんです。

でも、諦めたらそこで試合終了なので!!

次回は、プロトぬいの試作とそこからの修正方法などをまとめようと思います。

感想やご要望など頂けましたら、とっても嬉しいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?