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限りなく本当に近い車の免許を取る話~6講習目~校長の話〜

「うちの学校は他の教習所と比べて、卒業するのは厳しい方だと思います」

自動車教習所の説明会を受けていた私は思わぬ校長の言葉に動揺を隠せないでいた。逆を言えば、こんなことでうろたえてしまうのは本当に軽い気持ちで来てしまっていたからだとも言える。

校長は言葉を続けた。

「卒業は簡単ではありませんが、うちの学校を卒業した人はほぼ試験に合格して、免許をもらっています」

そう、厳しめだが本試験の合格はしやすいらしいということだった。

なるほど、あえて本試験より難しくすることにより、結果合格率を上げているようだ。

私も最初に勘違いをしていたのだが、教習所で免許をもらえるわけではなく、最終的に免許をもらうには決められた場所に試験を受けに行かなければならない。

ほとんどの人がどこかの教習所を卒業し、学科試験だけを県で決められた場所で受けるということらしい。

技能試験も県の決められたところで受ける人もまれにいるようだが、初めて乗る車や見知らぬコースを走ることになり、合格することはかなり難しいという。よって技能の試験は教習所で通って合格し、その教習所でのお墨付きをいただいたことにより、県で決められた場所での技能試験は免除。というわけで、大体の人が学科試験だけを受けにくるのである。

校長の話は更に続く。

「そして、厳しくしているのは、安全で事故を起こさないドライバーを生み出すためです。だから、他より卒業するのが厳しいのかもしれません」

教習所によって様々あると思うが、ここの教習所は安全で良識あるドライバーを輩出することに重きを置いていることがわかった。

もちろん、他の教習所でもそれは心がけているだろうが、こうやって改めて口にすることで教習生の心は一層引き締まるのかもしれない。

ふと、校長があるものに、視線を向けた。

「これは昨日の予備試験と模擬試験の結果ですね」

模擬試験と予備試験は受からないと卒業できないものなのだが、詳しくは後々説明する。とにかく、車の運転に関する基本的には一般常識レベルの○×問題だ。

正答率が90%を超えないと合格にならないけど……

私も校長の視線の先を見る。受けた人数と、合格者の数、そして合格率が書いてあった、

「昨日は難しかったみたいですね」

合格率の隣に悲しんでいる顔が貼り付けてあった。つまりは、全然合格していなかった。

うん。やっぱり厳しめ?

つづく。。。

☆今回のポイント☆

教習所によって免許の取りやすさなどは変わるが、安全で良識あるドライバーになることを忘れてはいけない。

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