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どうしよう、外で子猫を見つけちゃった (状態のチェック)

どうしよう、外で子猫を見つけちゃったシリーズです。
外で子猫の生まれるシーズンが近づいてきました。
それに伴い、無責任な人間に遺棄されたり、母猫に飼育放棄される子猫も増えてきます。
子猫を見つけた時にどのように対処するか、今から準備しておきましょう!

まず外で子猫を見つけた時にやるべき重要な3つの事があります。

  • 子猫の状態をチェックする

  • 状況の判断

  • 子猫を保護して正しく世話ができる知識と能力があるかどうか問う事

判断を間違えて、助けようと思って保護したものの、逆に子猫を苦しめ亡くしてしまうケースも多くあります。
経験がない場合は、わからない事や疑問はエキスパートに依頼をしたり、アシスタントをしてもらいましょう。

ここではまず一番最初にやるべき、子猫の状態をチェックする方法をお伝えします。

【子猫の状態のチェック】

状態の良い子猫

  • 毛並が綺麗で反応をする

  • 丸々していてお腹を空かせていない

  • 苦痛がない

血行も良くリラックスして寝ている2匹
お腹もミルクで満腹
毛も綺麗にグルーミングされています

状態の悪い子猫

  • 毛が汚れ、目ヤニなどが付着し、悪臭がある。

  • 一目見て痩せている事がわかる

  • 苦痛があったり、ぐったりしていている

母猫に飼育放棄された生まれたての2匹
毛に汚れがついたまま低体温でやってきました
左の子の耳と指先が血行不良で黒くなっていますが
マッサージと温湿布で回復しました

状態の良い子猫はきちんとケアされていて、母猫が近くにいる可能性が高いので、少し離れた場所から母親が戻ってくるかどうか様子を見ます。

くれぐれも子猫には直接手で触れないように!(子猫に人間の匂いがつくと子猫を放棄してしまう事があります)
触れなくてはならない場合はハンカチやティシューなどを使いましょう。

母親ごと保護ができない場合は、その場所に危険がないかどうかを確認してから、子猫を悪天候や寒さから庇える耐水性の小屋(ペットキャリーやプラスチックのボックスなど)に毛布などを敷いたものを用意してあげます。
保護ができる場合、ペットキャリーに子猫と母猫を入れて移動します。母親の捕獲が難しい場合は、地域で保護活動をしている団体に相談して捕獲するなど協力してもらってください。
ただし人馴れしていない母猫のお世話は困難や問題が尽きないので、それなりの覚悟とエキスパートのアドバイスが必要になります。既に家に猫がいる場合は感染症や寄生虫などの問題もあるので、完全に隔離できるかどうかも考慮する必要があります。

どんなに私達が頑張っても子猫にとっては母親のケアに勝るものはありません。母猫がいる場合は、特殊な場合(怪我をしていたり、治療が必要な場合など)を除いて子猫を母親から引き離さない様にしましょう。

母猫と一緒に子猫を保護

哺乳中の猫に保護子猫を育ててもらう代理母の存在も考えられますが、感染症などのリスクもあるので、ミルクボランティアの目線では代理母は避ける傾向にあります。これについては別に記事をアップする予定です。子猫は自分でグルーミングをする事ができないので、人間に遺棄されたり、母親に飼育放棄された場合は全体的に汚れ、毛並みも悪く、目やにや鼻くそが付いている場合が多いです。明らかに遺棄されている場合は速やかに子猫を保護します。

炎天下、靴箱に入ってゴミ捨て場に放置されていた子猫達
左の子と右の2匹は生まれた時期が違います
左の子は驚くほど痩せ細っていました


【健康状態のチェック】

まず一番はじめにするべき事は保温です。

まず初めに行う事は子猫の体温を保持する事です。触れた時に体が冷たいと感じたら直ちに保温をします。子猫は生後4週くらいまでは自分で体温調整ができず、近くに温源がないと低体温状態(体温が34度以下になる事)なり内臓の機能へ影響し危険な状態となります。
子猫の平熱は37.5度くらいなので(生まれた時は36度くらい、1ヶ月を過ぎると体温は38-39度くらいになります)息を吹きかけたり、人間の肌で温めたりしても、体温を上げるには時間がかかります。
動物病院へ直行できる場合は体をタオルなどで包んで血行を促す為に摩擦をしながら駆けつけます。
不可能な場合は、自販機などで温かい飲み物を購入してタオルなどに包み湯たんぽの様にして子猫の近くに置きます(火傷をしないように注意)。

湯たんぽと毛布をセットしたキャリーを持って
保護された子猫を引き取りに行きます
一応ミルクも持参して哺乳できる体制も整えています

赤外線ランプやヒートマットなどがない場合は、37-38度程度のぬるま湯に浸ける方法もありますが、この場合はすぐにドライヤーなどで体を乾かせて温源を確保する必要があります(体が濡れた状態では体熱がうばわれてしまうため)。30〜60分くらいかけてゆっくり体温を上げていきます。

その他、怪我をしていないか(出血や化膿した傷がないかどうか)、寄生虫(ノミ、ダニ、ハエの卵)がついていないかもチェックします。
大量のノミがついていると血液を吸われ、小さな子猫はすぐに貧血状態になります。

ノミに血を吸われて重度の貧血を起こしていた為
輸血をしました。
血管が細すぎてカヌーラ針が入れられなかったので、
骨から輸血をしました。


歯茎の色のチェック
薄いピンク、ピンクで湿っている。
色が白っぽい場合は赤血球の減少、青っぽい場合は循環器系の問題、酸欠などが考えられるのですぐに獣医師の診察を受けてください。
レンガ色の様な赤っぽい色は体内で炎症を起こしている可能性があります。

脱水状態のチェック
通常は首の上の皮を引っ張って、皮膚の収縮性と皮膚が元の位置に戻るまでの時間を見てチェックしますが、子猫はそれが難しいので、お腹の皮膚を見ます。健康な子猫のお腹の皮は皮膚が張っていますが、お腹にシワが寄っていると脱水症状の可能性があります。多くの場合、下痢や水分の不足が原因になります。
通常の尿の色は薄い黄色ですが、オレンジっぽい色だと脱水状態である可能性があります。
輸液を行なって体内の水分のバランスを取り戻します。
ヘモガステスト(血液のテスト)でも、脱水症状の状態がわかります。

次にやるべき事「年齢を特定」をするキーポイントは

  • 目、耳の状態と動き方

  • 歯が生えているか

  • 自分でフードが食べられるか

これらをチェックして大体の週齢がわかったら、それに合った適切な方法でケアをします。

年齢の特定については、次回の記事でについて詳しくお話ししますね。


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*保護子猫の育て方についての質問はコメント欄からどうぞ。

Ciao Ciao


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