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保護子猫へのミルクの飲ませ方

イタリア🇮🇹からCiao!

子猫の哺乳は、一見簡単そうに見えるのですが、実は経験のあるミルボラでも最も注意を払わなくてはならないとても危険な作業なのです。
ただ、適切な用具を使うことと、飲ませ方の基本を知っているだけでリスクはぐんと下がるのでご安心を。

昨日書いたニップル(哺乳用乳首)ですが、ペット用の哺乳瓶についているニップルとは形が大分違うと思った方がいるかもしれません。


子猫はミルクの飲むのに、乳首にピッタリ舌をストロー状に巻き付けて吸い付くのです。
そうする事で空気を飲み込むことなく(ガス、腹痛の原因)吸う速度に合わせて適量のミルクを飲むことができるのです。

母猫からの自然な哺乳


吸わなくてもポタポタミルクが出てくる哺乳瓶だと、数量が調節できずミルクが口の中に入りすぎてしまい、誤嚥に繋がります。
特に乳首に前もって穴が開いていない場合、適切な穴を開けるのは至難の業です(この方法は後日詳しく書きますね)。

シリンジで飲ませる場合も硬いシリンジの先端にうまく舌を絡み付けることができず、自ら吸うことができないのでピストンの押し加減によってはミルクが溢れ出し誤嚥に繋がる可能性が高くなります。


誤嚥が起こるとミルクが肺に入ってしまい、肺炎を起こします。子猫の肺は豆粒の様に小さいのであっという間に炎症が起こり呼吸困難になるので十分な注意が必要です。哺乳中にミルクが鼻から出てしまった場合は要注意です(後日対処方法を書きますね)。


生まれたての子猫は本能で口に入ったものに吸い付く反射反応があるので比較的ニップルに吸い付きやすいのですが、母親の乳首に慣れた子はなかなかにっぷりに吸い付いてくれないことがあります。
子猫の胃は小さいので、2-3時間おきにミルクを飲ませなくてはなりません。
長時間ミルクを飲まないと、血糖値が下がりぐったりと弱ってしまいます。

頑張って飲んでます


全くミルクを飲もうとしない、吸い付かないという場合は、とにかく忍耐が必要!
長年の経験から、こういう場合にミルクを飲ませる方法は。。。

まずは基本の基本
子猫は腹部を下にして自然にミルクを飲む状態で哺乳すること。人間に赤ちゃんの様にお腹を上にして抱き抱えた状態で飲ませるのは、誤嚥のリスクが高まり大変危険です!


子猫に柔らかい毛布などを与え、手でモミモミを始めたら(ミルクの催促です)哺乳器をすかさず口元へ持っていくと母親からミルクを飲むのとにた様な状態を作ると、騙されて吸い付いてくる場合があります。
同様に子猫を体をピッタリと人間の体につけて哺乳するのも効果が期待できます。

柔らかい毛布などを使ってみよう



それでも難しい場合は、親指、人差し指、中指の3本を使ってしっかり子猫を頭を固定し、ニップルを唇の中央(舌の上)に近づけ、ミルクを1、2滴垂らします。
ミルクを持つ手は動かさず吸い付いてくるのを待ちます。頭とミルクを持つ手をしっかり固定して動かさないのがポイント。子猫は多少嫌がって抵抗するかもしれませんが、しっかり固定します。

しっかり頭を固定


何度もやっていくうちにコツは掴めるようになってきますが、それでもミルクを飲まないという場合は、カテーテルでの哺乳になります。
一見難しそうだけれど、覚えてしまうと最も確実に安全に哺乳する方法なのです。
獣医さんにやり方を教えてもらいましょう。
カテーテルは直径が4又は5ch(fr)のものが適しています。

カテーテル哺乳はライフラインです


カテーテルなんて怖くてできない!
という人にお勧めなのはスポンジを使った哺乳です。
メイク用のラテックスの様な目の詰まったスポンジを猫の口に入る大きさに先細りの細長い3角形にカットして、それをミルクに浸します。
先端を口の中に入れると反射神経で吸い付いてくるので、シリンジでスポンジにミルクを足していきます。
ただこの方法だと空気を飲み込みやすくなるので、緊急の時にトライしてみてください。

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一度乳首に吸い付くと、子猫は無我夢中で猛烈にミルクを吸い始めることはあります。ミルクを飲む量を調節できない子はミルクを一気に吸いすぎて飲み込めず気管に入ってしまったり鼻から出てしまったりするので哺乳瓶の口をしっかり閉める、シリンジの大きさを変えたりピストンを抑えるなどして、ミルクに出る速度の調節をするのも大切です。


ミルクを飲み始めてお腹がいっぱいになると、加えていたニップルをぺっと吐き出します。
1回のミルクの量の目安は、体重の30%を1日の哺乳回数で割ったものになりますが、極端む量が少ない場合は排泄をさせた後にもう1度飲ませてみましょう。

それぞれの子猫の癖や好みを把握しよう

哺乳の前後には、コットンやティシュ、キッチンペーパーなどで肛門と性器を刺激して排泄を促します。
膀胱や腸が一杯だとミルクの吸いつきが悪くなることがあるからです。
哺乳前に排泄する子と後に排泄する子、さまざまなので哺乳前後に排泄させるのが良いです。



明日は、子猫の成長ぶりをお知らせします。









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