OOP CBに対するIP DEFENSE

【はじめに】

3bet potにおいてOOPが高頻度に小さいCBを行う戦略は有効であることが知られています。

それに対するIP defense戦略は簡単なように見えて実は奥が深く、boardによってdefenseする頻度は大きく異なります。

PioSOLVERで集合解析を行ったデータを統計的に解析して考察してみます。

【方法】

PioSOLVERの設定は以下の画像の通り。
条件:CO vs BB 3bet

以下のリンクの184フロップのサブセットで計算し、集合分析を行いました。

Choosing a subset of flops to represent the whole game

次に、集合分析で得られたcsvファイルをpythonで編集しました。
FlopのカードをA:14 K:13 Q:12 J:11に変換し、上から順にHigh/Middle/Lowとして数値のデータにしました。Sumはそれらの合計値です。

得られたcsvファイルを統計ソフトRで解析し、OOP CBに対してIPがcallまたはraiseする頻度がフロップごとにどのように変化するかグラフにしました。

【結果】

IP equityを横軸、IP defense頻度を縦軸として184フロップを青丸でプロットしたグラフは以下のようになりました。赤線は回帰分析の結果です。

IP Equityが高いほどIP defense頻度が高い、強い相関関係があることがわかりました。

次にIP Equityと上記のHigh/Middle/Lowの関係です。

High/Middle/Lowのいずれも数値が高いほどIP Equityが低くなっていることがわかりました。
Sumを横軸にするとIP Equityとの関係は以下のようになります。

Flopのカードの数値の合計であるSumが高いほどIP Equityが低い、逆にSumが低いほどIP Equityが高いことがわかりました。

最後に横軸をSumとして、縦軸をIP defense頻度にしたグラフを示します。

以上よりSum(ボードの数値の合計)が低いほどIP defense頻度が高いことがわかりました。

回帰分析によって最終的に得られた式は
IP defense率 = 100 – Sum (誤差 ± 10)
でした。

【具体例】

この結果を具体的なFlopで確認してみます。

1)Flop: 7c 3d 2s

Sum = 7 + 3 + 2 = 12点であり、上記の式から予想されるIPのdefense率は100 – 12 = 88% (誤差±10)です。
実際にPioSOLVERの出力を確認すると、94%のハンドをdefenseしています。
ほとんどfoldするハンドはないので例えば55やA5sはcallです。

2)Flop: Kc Jd 8s

Sum = 13 + 11 + 8 = 32点であり上記の式から予想されるIPのdefense率は100 – 32 = 68% (誤差±10)です。
実際にPioSOLVERの出力を確認すると、64%のハンドをdefenseしています。
1/3程度のハンドはfoldするので例えば55やA5sはfoldです。

【まとめ】

OOPのbet sizeが同じでもboardが違うとIPのdefense率は大きく異なります。

今回の検討では
CO vs BB 3betにおいて1/3 pot sized CBに対する適正なdefense率は
100からFlopのカードの数値の合計を引いた値でおおよそ予想できる
という結果になりました。

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Lillian

東京大学医学部卒、血液内科専門医。令和元年にソフトウェアエンジニアに転職します。2018年6月Python勉強開始。2019年3月AtCoder開始(青)。ポーカーのGTO戦略を解析しています。エンジニア関連はこちら⇒https://note.mu/neko_chan0214

りりあん

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コメント4件

初めまして!ボスマンと申します。
いつもわかりやすいまとめ考察ありがとうございます、励み勉強になっております・。・b
はじめまして!ありがとうございます。
シンガポールでポーカーで生活されているんですね。
Bossmanさんの記事も楽しみにしていますね♪
ありがとうございます^^
初めまして!ポーカーネームはBasemanと申します。

この記事、わかりやすくて興味深いですね。Sumが小さいというのは、エドミラーにある、いわゆるダイナミックなボードのほうが、ストリートが進むにつれてIPの取れる戦略幅が広がるからなんですかね。

この観点から、Sum ではなくMax でみても同様の結果になるか、気になりますね!(^。^)
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