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戯言


気まぐれに掬われたある夏の日
花火の光に包まれながら
いつしかわたしはまあるい金魚鉢の中

部屋の片隅には大きな水槽
色とりどりの熱帯魚か泳ぐ

日当たりのいい場所に置かれ
生温い水の中
隠れる場所も水草もない
まあるい金魚鉢
時折覗き込む猫の視線に怯えながら
わたしはいつまで
ここにいるのだろう

生まれ変わったら今度こそ
大きな水槽でゆらゆら泳ぐ
熱帯魚になれるといいな…

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