産後のマタニティブルーとフラワーエッセンス

産後の睡眠不足とホルモンバランスの変化から、多くの人がマタニティブルーになるとは聞いていた。身近に産後うつになった人もいたことだしと、出産前にあらかじめ、フィンドホーンのベイビーブルーという産後用のエッセンスを購入していた。産院へも持って行き、出産翌日から摂取し始めた。

フィンドホーンのエッセンスはどれもかなり良い体感があり、その上好転反応のような症状が出ないのが気に入っているのだけど、このエッセンスも非常に良いものだと感じた。

私の場合、産後二日目くらいから、夜やシャンプーのあとに妙な切ない気持ちになり、自然に涙が出てくることが何度かあった。でも、それはどちらかというと浄化の感覚に近くて、精神が悪い方向に行っている感じはなかった。

しかし、産後のズタボロの体のままで育児が本格化すると、疲労からくるイライラや絶望感が出てき始めた。特に、疲労が限界になってくる深夜の時間帯なんかは、それなりに思考がやばかった。

子供を産まなきゃよかったとまでは思わなかったものの、「もう、二人目はないな」とは何回も思った。出産すると世の中のお母さん達を尊敬するようになるとよく言われるけど、このやばい思考モードの時は真逆で、「こんな苦痛な無賃労働を何回もやろうと思うなんて頭がおかしいんじゃないの、もしくはみんな性欲ありすぎじゃない?」などと考えていた。

虐待するとか、そこまでの危ない領域には入っていなかったけど、子供が可愛いと思えないこともよくあった。可愛いとも憎いとも思えないというか、ただ「無」な感じになるのだ。そんな時でもとにかく責任感と義務感によってお世話を遂行していたのだけど、その姿を見て母性がナチュラルに存在すると勘違いしている夫にも無性に腹が立った。

夫はあらゆる側面で私を全力でサポートしてくれていたので、ほとんどの場合は夫にイラつくことも、ましてや離婚を考えるなんてこともなかったけど、これが亭主関白とか、家事・育児をやらない人(そのぶんをベビーシッター代などお金で解決できる人なら別)なら結婚生活は本当に無理だと何度も思った。

妊娠と出産はとにかく肉体的な不快感と苦痛がありすぎで、子供を産むという時点までで既に女性ばかりが割りを食っているというのに、産後まで女性だけに育児をさせて良しと思っているような男性の遺伝子なんて残すべきではないと強く思った。

おそらく、私は日本の子育て環境の中では、比較的恵まれたところにいると思う。夫はわざわざ「教育」しなくても、しっかり子育てにコミットしてくれているし、身内で助けてくれる人も複数いて、今のところ経済的な不安もない。そんな私でもこれだけ思考がダークネスになるのだから、産後は本当に侮れない。

ベイビーブルーのエッセンスはとにかく頻繁に摂取しまくり、水分補給のたびにコップに数滴ずつとっていた。思考がやばくなり始めたら、さらに追加で舌下に垂らすなどしていたため、きっかり1ヶ月でなくなった。

このエッセンスをとると、とにかく目の前のことだけに集中できるし、ネガティブな思考スパイラルに入るのをグッと食い止めてくれる。肉体的に辛くても、とにかく目先の行動を起こすためだけの最低限の生命力が復活する感じがあり、瞬間瞬間にグラウンディングする感じがあって、産後じゃなくても使いたいくらい良いエッセンスだと思った。

それに、本当に疲れていると、効率よく休憩や睡眠をとることもできなくなって、ダラダラと無駄な時間を過ごしてしまいがちだけど、このエッセンスをとっている時は、休むべき時はしっかり意識的に休むこともしやすかった。

エッセンスに入っている花の種類と効能を調べて、特に良い影響を及ぼしている花はどれなのか考えて、その花のエッセンスの入っている他のコンビネーションボトルをグラウンディング用として買おうかとも思ったけど、おそらくこの配合を超えるものはないとの結論に至り、結局今もベイビーブルーをリピートして使っている。

それに加え、フローラディクスの錠剤を飲んでもいる。貧血とうつっぽい感じと脳が働かなくなる感じはすごく関係していると思っていて、産後に処方された鉄剤が切れてからはずっと飲んでいるのだが、日に日に頭がすっきりしてポジティブな気持ちになっていく実感があった。

産後ちょうど2ヶ月たったところで、自分の体のうち、気分とか頭の回転についてはかなり妊娠前に戻ったという感覚があった。むしろ、意識が一段刷新された上で回復したという感じだ。なんというか、妊娠前より少し高い視点から物事が観れるようになったような気がしている。ちなみに、筋肉とか骨盤とか、より肉体的な部分については、実際的にトレーニングも必要だし、完全な回復まではまだまだ時間を要すると感じている。

しかし、これだけ気分が回復しても、やはり、妊娠と出産と育児はすごく大変な作業だと思うことには変わりはない。子供を可愛いとはもちろん思っているけど、その「可愛い」をモチベーションにしてなんでも頑張れるということは、私の場合は全然ない。

そして、精神が回復した今でもやはり、育児に関して労働力やお金を十分に提供しない相手や、妻を大事に扱わない相手の遺伝子を、こんなに体を張ってまで後世に残す気は、私はないなとしみじみ思っている。そこはホルモンバランスに関係なく、私の一貫した立場なんだろうと思う。



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