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2024/03/01


暖かくなった
良いことです 春の気が浮いた
私は捉える手を去年失った

枝にポップコーンが付いてるなーと思ったらお花の蕾だった、もういなくなった


好きだった人が、幻になるタイミングがある
今好きな人もいつか幻になってしまう
幻になってしまった人への気持ちと有名な画家が描いた絵を見た時に馳せる思いは似てるなと思った
ゴッホのひまわりを実際にこの目で見てそう思った
上手とは言えないのに絵を介してでも突き抜ける人間らしさが私を捉えていた


どうでもいいけど、閏日に産まれた同級生を思い出した
彼はあまり特徴がない人だったけれど誕生日の話をした時の気まずそうな顔は覚えている

私は仕事が忙しくなってから自分自身を見ることがなくなった
自分がどんな見た目をしているかもわからなくて、何を考えて何が好きなのかわからない、時間はある、余裕もある、体調も悪くない
明らかに以前の自分とは変わっていて、白紙の味さえもしない、無香料の価値があった方がまだマシと思うほど 取るに足らない、選ばれない人間になった

私が好きだったものを君が好きになり、私を追い越して行く
私を見ていながら先へ行く人へ

どうしても貴方と行きたい遊園地がある
でももう 行かなくてもいいかもしれない



▱▱▱

呪いはかけられないし、解けないし、
私は毎回ポケットに入れた目薬を出さずに洗濯機を回す カラカラと洗濯機の中で回る目薬
乾燥までしてくれるから熱で膨れて丸くなった目薬を1週間ごとに捨てる
今日は会社の備品まで洗った
こんなで人間が務まるのだろうか


私がこの町の嫌いなところは
街灯の灯りが、炎を燃やしたような色をしているところだ
唾棄と浮腫んだ足と卵と牛乳と一緒に家に帰る

私が今日したことといえば、自分の若さを感じるためにドブに顔を埋めただけだった
嫌悪感も恥ずかしさも異常性も感じずに


この間ペットショップを覗いたらゴールデンレトリーバーの赤ちゃんがいて、出来立てのプリンみたいだった

なんてゆーか、私にとっての銀杏BOYZのジャケットの女の子なんだよ
それは一瞬だけ


もうあの頃に戻れない


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