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具体的なZ軸、ありがと〜〜〜

2023.8.25
長瀬有花さんのライブ『Eureka』を観てきた。


何かに強く感動したとき、それをだれかに共有したいというきもちが沸き起こる一方で、その魅力の大半を取りこぼしたガリガリの雑感をだれかに押し付けてしまう忍びなさからいつも言語化が億劫になる。

結果、すべてをあきらめて「良(よ)〜」とか「好(す)〜」とか「おい〜〜〜〜〜」といった虚無コーティングの賛辞を置き逃げするのが常であり、しかしそれらは自分の中では嘘偽りのない最小限の誠実な出力のつもりである。



『Eureka』は長瀬さん初の有観客ワンマンライブだったわけだけれど、待ちに待ち侘びたぜという感覚を抱く暇がないほどに上半期の長瀬さんの活動量は凄まじかった。

6ヶ月連続で新曲をリリースしたり、並行して4ヶ月連続でコンセプトライブを開いたり、Local Visionsとのコラボがあったり、ミニアルバムのリリースが発表されたり、、、

曲、作りすぎじゃね…?という心配の声が脳裏に去来するも、うれしいことなので口を噤む。
ほどなくして呟かれた長瀬有花チーム音楽Pの矢口さんの「曲、作りすぎ」というツイートを見て「その感覚はあったんだ」と安堵のいいねを押し、心でユンケルを差し入れする。

(同時期、おなじく長瀬チームの新井さんのツイートは極端に減っており、諸々お察しする。心ユンケルを差し入れする)

あれ?でかでかワンマンライブの準備しながらこういうことってできるんだっけ。
息吸いながら息吐いて無限に途切れずラッパ吹く人(すごくてウケる)をふと思い出す。
汽元象レコードは全員循環呼吸を身につけている可能性がある。

コンセプトライブ群についても語りたいことが多すぎるが本筋が霧散する。
全部大好きだけど『Form Ⅲ』はいつ観てもワクワクする。いつか鳩人の役で参加したい。

……みたいなことを言っているうちにワンマンライブ1週間前になる。
もともと当日は配信で楽しむ予定で、西日本からエールと心ユンケルを長瀬さんに差し入れしようと考えていたわれわれであったが、ある夜「これ、無理にでも現地で観ないとおそろしく後悔することになるんじゃね」という会議が開かれる。

2023.8.25
長瀬有花さんのライブ『Eureka』を観てきた。

おい〜〜〜〜〜



良かったー!!!!!!!!とにかく

「fake news」が流れる。バンドメンバーが静止している。声が聞こえる。思っていたより少し奥側に目を遣る。蜃気楼のようにそこに居た長瀬さん。画面越しに見ていた景色がついにこちら側に、、、いや、われわれがあちら側に居るのか?

「駆ける、止まる」で丁寧かつ鮮烈に現実を提示され狂喜。空気の振動を全身で感知する。ライブだー!!!
あとはもうただただ楽しく、優しかったです。

「とろける哲学」長瀬さんの三度見を皮切りに突入したスーパージャズタイム。アウトロの激アツギター。なにこれ!!!素敵すぎて爆笑。

暗転時、隙をみて給水していると「むじゃきなきもち」が唐突に始まり咽せる。初披露で生歌生演奏生反応が味わえる豪華体験。

ていうか「アフターユ」カッコ良すぎないか。国語辞典を編纂する機会があれば「カッコ良すぎる」の意味の①は“『Eureka』での「アフターユ」のことである ”と記すことになる。

「やがてクラシック」ライブも折り返し、ふたたび夢心地で溶けかけていた間奏明け。長瀬さんがロケットから降り立ちこちら側に歩み寄ってきた瞬間、ふたたび空気の揺れを感知する。

さまざまなこだわり演出とともにいろんな場所をゆらゆらと動き回りながら歌う長瀬さんを画面越しに何度も見ては新鮮に感動してきたが、この日、同じ空気を共有するこの空間での長瀬さんの具体的なZ軸の1歩を、われわれはこれほどまでに待ち望んでいたのかと、脳より先に身体が理解し、ちゃんと泣いた。
具体的なZ軸、ありがと〜〜〜。

「みずいろのきみ」も聴けてうれしかった。やはり途中で挿入されたジャジ〜なキーボードソロに痺れる。
この日、第一に長瀬さんの歌う姿を目撃しなければというきもちを胸に抱きライブに臨み、実際しっかりと目に焼き付けてきたわけだけれど、「みずいろのきみ」「とろける哲学」の楽器ソロタイムを始め、いろんな曲のいろんな瞬間で、長瀬さん以外のプレイヤーさんや、照明などの演出そのものに見惚れている時間が多くあって、それもかなり良いなと思った。

長瀬さんを中心として、関わるすべてのひとが創り出す総合芸術、その場にあらわれた現象すべてをひっくるめて長瀬有花と呼びたくなる感じ。

『Eureka』は集大成でありつつ新たな次元への出発点である という宣言のしっくり度。
いきなり恵比寿リキッドルームというごっついステージでごっついものを観せられて感動しているのに、その感慨を飛び越して「あのときリキッドルームで、あの距離で長瀬さん観たんだぜェ〜」つって自慢しているすこし未来の自分がありありと思い浮かぶ。




それにしても
長瀬さんの歌はすごすぎる。

難しいメロディーやリズムを、難しくないですよという顔で乗りこなす超絶努力に裏付けされたシンプル歌唱力。
エモいのにゆるい、かっこいいのにかわいい、あたたかいのにせつない、味わい深すぎる声色。
ライブごとに楽曲の編成もアレンジもがらりと変わる(これもヤバすぎる)ため、おなじ曲でも歌声の温度感を巧みにコントロールしてその都度演奏に溶け込ませる妙技。

Eurekaを一緒に観る会にて長瀬さんはバンドの演奏を指し「脱力してるのにエグいことしてる、エグいことしてるのに曲に溶け込んでいる。かっこいいのにかわいい。どうやって絶妙なバランス感が保たれているのか仕組みを知りたい」という旨のコメントをしていたが、視聴者全員が「(あなたもね)」と言っていたと思う。


今さらながら

ねこみさんとcat napという音楽ユニットをやっています。
本当にありがたいことに、長瀬さんの楽曲をいくつか書かせてもらっている。

とろける哲学


ラヴベジ


みずいろのきみ


むじゃきなきもち




われわれは作家として関らせていただきつつ、がっつり長瀬さんのファンもやらせてもらっているため、たまに立場を思い出さないと立ち振る舞いをミスる。

恥ずかしげもなく自らの提供楽曲イメージのドリンクを注文し、自らのマスコットキャラと長瀬さんを並べて写真を撮る姿をほかのファンの方に目撃されるなど、その活動は多岐に渡る



自分たちがつくった曲をアレンジした方がいて、演奏する方がいて、目の前で歌う長瀬さんがいて、それを聴いて身体を揺らしたり手を叩いたりする長瀬さんのファンの方たちがいて、もう感無量でした。

あまりにベタすぎて誠に恐縮ながら、全方向のあらゆる「発見」の連鎖により実現している目の前の光景に、こんな奇跡をありがとうございますと言わざるを得ません。
こんな奇跡をありがとうございます。

チロルチョコのきなこもち
みなさんゲットできましたか?🟫🟧🟫🟧

ヤ…
ヤーーーーー‼︎(ながせもち、成分にとろ哲が含まれているのうれしい)


「むじゃきなきもち」いっぱい聴いてね〜〜🟫
原田夏樹さんのゴキゲンディスコティックな編曲がサイコーです!(光栄すぎッッ)
タカハシ・サキさんのMVは何度見てもラブリーすぎて笑ってしまいます!(たくさんご一緒できてほんとうにうれしい……)



また、Eurekaを経て俄然期待が高まった長瀬さんの新作ミニアルバム『Launchvox』、こちらにもcat napは「砂漠の水」の作詞作曲で参加しております。
これまでの楽曲とはひと味違う雰囲気、さらに高城みよさん(好〜!!)の編曲ですごいことになっておりますので、ぜひぜひチェックしていただければうれしいです。


本当は、作家っぽくちょっとスマートでクールなオーラを醸しながらエウレカまわりの話をしたかったんですけど、この様ですわ🕺🪩


あ、Eurekaの配信アーカイブは9月10日まで観れるので、もしもまだ未視聴の方がいれば観ればいいのに!え!?本当に観るのがいいですのに…!!と思います。お勧めします。


東京旅反省①
ライブ終了後、ちょうどリキッドルームを出ようとした頃、軽やかに水平移動している音楽Pの矢口さんを見つけたので捕獲し、「ア、アノ、アノ、アノ、やばいぐらい感想言えないです!」と伝え退散した。失礼すぎた。心ユンケルではなく、フィジカルユンケルを差し入れするべきだった。

東京旅反省②
どうせ寝るだけじゃし安いホテルでえぇ!の感じで予約する際は、思ってるよりもう1500円だけ高いホテルにしたほうがええ。


おわり〜

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