ども、人と飯を食う以外で家を出ないほう担当のねこむらだよ。
vol.18ということだそうで。今夜紹介するのはこの楽曲です。

『性癖 / nyankobrq & yaca』

nyankobrq & yacaとは……トラックメイクしたりラップしたりするnyankobrqと、トラックメイクしたりラップしたりするYACAが組んだユニットですね。そのまんますぎ。二人とも別にVTuberを名乗っているわけではないんですが、まあその辺の界隈、その辺の文脈でいろいろしてる人たちです。

彼らの作る楽曲は構成がちゃんとヒップホップの共作っぽくて、それぞれの担当パートがハッキリ分かれてるのが特徴かな。ソ氏を招いての『twinkle night feat. somunia』なんかはバーチャルなクラブシーンでの特大アンセムなので知っている人も多いかも。太鼓の達人にも収録されたらしいですね。この曲も構成がマイクリレーみたいだよね。普段ラップとか聴かないオタクにも届いて、新しい世界の入口なんかになっていたら喜ばしいことだなあと思います。まあ昔からニコニコ動画出身のラッパーとかザラにいますけど。それこそnyanko氏がこれモロに影響受けたなってnoteで明言しているJinmenusagiの『きっとこの夜も feat. ハシシ』なんかはマジで直球の元ネタですよね。これ、シンプルにトラックメイカーのRhymeTubeが天才すぎる。キラキラしてノリの良いkawaiiの文脈も組み込んだドラムンベースなんかにラップ乗せるのは、やっぱこっち側の文化圏のアレなんですかね。軽やかな『水星』みたいな。tofubeatsが界隈に与えた影響もたぶんバカでかいよね。

そして今作『性癖』は彼らの割と得意とするようなLo-Fiの文脈、エモだとかチルだとかメロウだとか言われてるようなジャンル、Cloud rapという名称は日本ではあんまり浸透していないかな？空音とかRin音とかのあの辺のやつ(そろそろ“チルラップ”以外のなんか適当なジャンル名が欲しいものですね)を含んだものだと思うんですけど、やっぱ最高だなこれ。yacaの作るゆったりとしたトラック、本当にすごい好きなんですよね。本人が『take u along』にて“世にはびこる、チルでアウトなやつ”に真っ向から中指立ててるので、例の単語はお口にチャックで。同年夏にPUNPEEとBIMがリリースした『焦年時代』はMV含めて真正面からあの辺のムーブメントに乗っかっていましたけれど、あれもめちゃくちゃに良かったですね。『じゃ、夏なんで』を彷彿とさせる夏の情景、本当に大好きです。Nujabesが遺したジャジーな音色がこうして広く親しまれていること、やっぱ音楽の素晴らしさだよな。

“性癖”ってのは元々は“性格”と同義なんだよ。とはよく言われる話ですが、本作はまさに本来の意味で……いやこれ半分くらいは普通に性的嗜好の話をしてますよね！？前々からこの二人の恋愛観みたいなものが少し垣間見えるようなリリックが好きで、『yea nay』でnyankoが歌う“来世も君と同じWiFiで繋がろうよ”だとか、『kaka』にて“その体温下がらぬようそっと毛布を、恋の熱が下がるころにゃきっと僕はもう不要”とかいう極大パンチラインを放ったヤカニキはマジで天才だなと思っているんですが、その点今作はもうぜんぶ好きすぎるよな……ぜんぶ好きです……湿度の高い歌詞が鋭利すぎて、抵抗なくスッと胸に刺さるんだ……これ好きな人はyaca + をとは + KBSNKの『他の誰かと』や『go w / da flo』もありえんぶっ刺さると思うので、もう今すぐにでも聴いてください。よろしくお願いします。急いで！

また、昨年11月に京都メトロというライブハウスにて開催された「シュッとしとるヤツ vol.3」というDJイベントがありまして、nyankobrq & yaca with somuniaとしてゲスト出演されていたのですが、これがもう最高でしたね。ちょうどこの曲の配信から僅か3日後だったので、めちゃ新鮮な新曲が生歌で堪能できたってワケ。やっぱ生の音はたまんねえなあ！音源化とかされてない意味わからんバージョンの最高のやつが多すぎるぞ！流石にhmmdはノータッチでしたが、大満足のセットリストでしたね。おれ、普段は関西で万年金欠生活しているので、関東圏でのクラブイベントには本当に縁がないんですが、やはり良いものですねぇ。前に観たのはVirtuaREAL.00のリリースイベントとかだもんな……ヤカニキのサイン色紙持ってます(自慢)。somuniaさんもマジで現場での生歌うまくなりましたね……普段は儚げなウィスパーボイスを武器にしてるような子がライブではめちゃ声張ってちょっと意外な一面を見せるやつ、性癖です！！とか言ってたら最近また面白い歌ってみたが投稿されましたね。前の記事でも言及しましたが、すげえ良かったです。

そして同じくゲスト出演していたV Singerのyosumi氏や、batsuくんをはじめとした他のDJの皆様もマジでめちゃくちゃに良かったです。お酒飲みながら最高の音に揺られる、最高の6時間でした。改めて、素晴らしいイベントを本当にありがとうという気持ちをね、ここでしっかりと表しておこうかと。誰に伝わるんだこれ。なんの話してるんだこれ。めちゃ脱線しちゃったので今日は最後にジャケ描いてるましまし先生のイラストありえん良いですよねTwitterも要チェックだぜ！！という話をして、これにてターンエンドです。

ってな感じで、またこんど！