ふたりぼっち

私には恋人がいて
視線は暴力だったから
もうアクセス数とか
いいねとか
リツイートとかなんて
関係ない世界に行きたかった
私は恋人と
ふたりぼっちになりたかった
でも
そのことを恋人にも言えずにいる
ふたりぼっちの世界を作りたかった
好きだ好きだと叫びたかった
でも書いてて思う
これは詩ではない
少なくとも
長尾早苗の詩ではない
ずっとつらかった
画数の多い
早苗って呼ばれて
あたたかい掌で頭をなでてほしかったし
本当は洗いざらい
身を任してしまいたかった
私は精神不安定だし
人をすぐに振り回して
困らせてしまうから
長尾さんが誰なのかよくわからなくなって
そういう自分が大嫌いだった
一定の温度を保とうと
毎日努力してきたけれど
そういうの
なんか違うと思った
こういうことを言うと
友達にも
恋人にも
嫌われてしまって
またふたりぼっちを通り越して
ひとりぼっちになることが怖かった

私は泣きそうになると
いつも彼の名前をなぞった
ふたりぼっちでいたかった


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