虹の芯


虹の芯を恋人と見た
シャッターを押すには
あまりにももったいなかった景色
何かの芯なんだよ
という恋人の言葉に
それが虹のできる芯だということを
どうしても告げられず
私はどうしてこんなに不器用なんだろう

帰ってからため息をつく
あの夕焼けの見えた場所には
私たちしかいなかったし
もっと空が暗くなってくれればいいと
いつもとは正反対のことを
思ったりしていた
不特定多数のひとの心を動かすことはできるのに
どうして大切なひとりのひとの心を動かすのが
難しいのか
自分でもよく分からない
最近は早く誕生日が来てほしいと思っている
恋人に一足だけ
近づく

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